亀梨和也(40)と田中みな実(39)が6月29日に、結婚と田中の第一子妊娠を発表した。ネットの書き込みは祝福ムードにあふれるが、一部に誹謗中傷や罵詈雑言などもみられた。

今回のケースに限らず、芸能人や文化人、スポーツ選手などの結婚や交際が報じられると、一方を好むファンから誹謗中傷が相次ぐ。それが、結果として自分を追い込むことになることはお分かりなのだろうか。


 亀梨と田中の件に関するネガティブな反応については、難癖に近いものも多かった。「デキ婚(授かり婚)」を批判したり、「痩せすぎ」と判断されるBMI17(標準は18.5~25)であることを指摘し、そんな体で妊娠と出産に耐えられるはずがない、妊婦なめんなよ! 的なことまで書き込まれた。


■あざとさ、匂わせに向かう女性のバッシング


 亀梨は過去に深田恭子と結婚していたが、「せめてフカキョンとの結婚であればよかった」のような書き込みもあった。それは田中が「あざとい」キャラ扱いされてきた面も影響しているのだろう。TBSの局アナ時代は、ぶりっ子的キャラで見られていたように思う。フリーになった後は『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)のMCを、同様のあざといキャラ扱いされていた弘中綾香とともに務めたが、その後はストイックな美意識と食事管理などから多くの女性の共感を得て、フォトブックなどの関連書籍は売れに売れている。女性ファンから共感を得る一方、やはり亀梨ファンからすれば、田中の「あざとい」印象は変わらないようだ。


 嵐・二宮和也が結婚したフリーアナウンサーの伊藤綾子の交際・結婚についても、亀梨・田中と同じような反応がネットで沸き起こっている。何かと伊藤が二宮との関係について「匂わせ」をする投稿をSNSにし続けたと捉えられたからである。「あざとい女」は女性からバッシングされがちだ。


 これに加え、亀梨のファンからしても、今回の発表についてはモヤモヤする面がある。それは、発表がファンクラブ更新前日であり、ソロツアー直前ですでに多くの人がチケットを購入していたことに対する反発である。結婚発表からそれほど日が経っていないこともあり、7月下旬になっても二人の結婚に対する難癖は続いている。



声優とその母親を6年以上けなしたケースは約377万円の賠償金が

 それぞれの事情はあるにせよ、書き込みする者は注意した方がいい。2人が財力をものを言わせ、本気で誹謗中傷や難癖の書き込み者を特定した場合、書き込み者は相当なペナルティーと社会的制裁を食らうこととなる。具体的には、このようなことが起きる。


「発信者開示請求が通り、連絡が来る」「高額の示談を持ち掛けられる」「弁護士に泣きつく(ツテもカネもない場合は、途方に暮れる)」「示談を拒否した場合、訴訟を起こされる」「以後、裁判のことばかりが頭の中にあり、日常生活が破綻する」「相手は敏腕弁護士であろうから、敗訴は確実。賠償金を取られるのは当然という状況を判決の日まで過ごす」「実際にカネを支払う」「控訴しても恐らく負ける」「一括で支払えない場合は、分割で利子がつき、将来的に払い続ける」


 実際、元プロ野球選手の井納翔一氏の妻について、ネットに3年間にわたり「ブス」などと執拗に書き続けた女性のケースでは、結果的に女性の身元が特定され、裁判に突入。投稿者はその事実を認め、約200万円の賠償金支払うが命じられた。その後、金額は公表されていないが、示談が成立。女性は写真誌『FRIDAY』の取材に応えて苦しい胸の内と後悔の念を語っていた。


 俳優・声優の春名風花(はるかぜちゃん)とその母親に対し、6年以上に渡って1000件超える誹謗中傷投稿をSNSやブログに書き込んだ男性もいた。

「合法的に葬り去りたい」といった脅迫ともとらえられる書き込みもあり、春名側は約3600万円の損害賠償を求めて提訴。裁判では名誉毀損が認められて、約377万円の賠償金支払いが命じられた。これは相当な高額である。


 ネットの誹謗中傷は「ブス」「ハゲ」「デブ」「キモオタ」など容姿に関するものも含め、書き込み者が敗訴することもある。となれば、「狂人」「殺人鬼」「エセ〇〇」など、事実と異なることや過激過ぎる表現も敗訴につながるだろう。もし裁判に負けた場合は、訴訟費用の支払い義務が生じるので、「軽い気持ちで書いた」は通用しないと思った方がいい。


 その一方、開示請求・訴訟する側は弁護士に依頼する場合、着手金として数十万円~100万円ほどかかるほか、成功報酬などもあり、負担は大きい。本人訴訟をする場合でも、膨大な資料を用意するほか、あまりにも見たくない投稿の証拠をプリントアウトするなど、傷をえぐられる感覚となる。


 双方にとって実に厳しい法律沙汰が誹謗中傷で、結局儲かるのは弁護士だけ、といったことにもなりうる。貴重な裁判所のリソースを使い、原告も被告も消耗する、という実に不毛な時間を余儀なくされるが、今回、亀梨・田中夫妻に対して誹謗中傷をした者は、やがて開示請求を受け、そんな裁判に突入するかもしれない。そこのところは覚悟しておいた方がいいですよ。


▽中川淳一郎(編集者・PRプランナー) 1973年生まれの編集者・PRプランナー。

多数のウェブメディアの記事にかかわる。日刊ゲンダイ「週末オススメ本ミシュラン」担当。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『それってホントに「勝ち組」ですか?』など。


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