テレビの連続ドラマの原作数で、東野圭吾は間違いなく最多だ。ざっと数えただけで200話近い。

スペシャルや映画の地上波放送を入れるともっと多くなるだろう。7月23日に亡くなってからも、9月にWOWOWプライムで「虚ろな十字架」(全4話)がスタートする。


「東野さんの作品は単なる謎解きでなく、ヒューマニズム、社会問題、コメディー、街の風情、サイコ、ラブロマンスなどさまざまな要素が盛り込まれて、実に多彩です。犯行の動機やトリックに説得力があり、ドキドキ感や真相がわかった後の納得と余韻も大きい。ドラマとして作りやすいです」(テレビドラマ制作会社プロデューサー)


 では、東野ドラマはどのくらい世帯視聴率を叩き出しているのか(ビデオリサーチ調べ)。ランキング1位は「ガリレオ」(フジテレビ系)で21.9%、2位もその第2シーズンの19.9%だ。福山雅治の天才物理学者が柴咲コウ吉高由里子の刑事を振り回しながら、奇妙な事件を解明していく。あたりかまわず数式を書きなぐって、あごに手をやって「実に面白い」と決めゼリフをつぶやくシーンは痛快だった。



東野ドラマは人気俳優たちも出たがる

 3位は宮藤官九郎が脚本を書き、二宮和也ら3きょうだいの復讐劇をちょっとユーモラスに描いた「流星の絆」(TBS系)の16.6%。東京の下町、人形町を舞台に、実在の店や名物が登場する刑事ドラマ「新参者」(TBS系)は15.2%で4位。阿部寛が演じる加賀恭一郎の口癖「ちなみに」は、その後あちこちで使われるようになった。


 それぞれの少年・少女時代に、父を殺した男(山田孝之)と母を手にかけた女(綾瀬はるか)の14年間の純愛と野望を描いてゾクゾクさせた「白夜行」(TBS系)は12.4%で5位だ。


 以下、「危険なビーナス」(TBS系)11.5%、「名探偵の掟」(テレビ朝日系)9.5%、「秘密」(テレ朝系)9.2%、「東野圭吾ミステリーズ」(フジ系)8.4%と続く。


「東野ドラマは外れがないから、人気の俳優たちも出たがります。それでまた注目される。福山、阿部、綾瀬の代表作になりましたものね。これからも新作ドラマが企画されると思います」(前出のプロデューサー)


 まだドラマ化されていない小説はおよそ50作ある。東野圭吾、これからも楽しませてくれそうである。


 (コラムニスト・海原かみな)


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