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軍政と民主派、少数民族武装組織との衝突は拡大の一途をたどり、最大都市ヤンゴンを含む主要都市部でも爆弾テロや銃撃戦が散発している。従業員の安全確保は著しく困難となり、多くの企業が日本人駐在員を帰国させ、現地スタッフのみで「最小限継続」の体制を採用している。従業員の生命を守ることが最優先課題となり、企業は事業継続と人道的責任の狭間で苦悩を深めている。
慢性的な電力不足は深刻を極め、ヤンゴン市内でも1日8~12時間の停電が常態化している。工場は高価な燃料を用いた自家発電に依存せざるを得ず、製造コストは劇的に上昇。採算性は根底から崩れ、製造業のみならず物流や通信にも影響が及んでいる。電力インフラの崩壊は企業活動の持続可能性を奪い、撤退判断を後押しする要因となっている。
経済の命綱である通貨チャットは暴落を続け、軍政による外貨強制両替規制と海外送金規制が企業活動を圧迫している。現地で得た利益を日本本社へ還流させることはほぼ不可能となり、原材料輸入に必要な外貨の確保すら困難な状況だ。金融リスクは事業継続の基盤を揺るがし、企業は採算性と資金繰りの両面で限界に直面している。
現地メディアの報道によれば、上組や住友商事、トヨタ通商が出資するティラワ多目的国際ターミナル事業からの撤退や、NHK傘下の日本国際放送、クールジャパン機構などが関与した合弁テレビ番組制作会社「ドリーム・ビジョン」からの日本側出資引き揚げが相次いでいる。
軍政による人権侵害や宣伝活動への加担を避けるため、国際社会や市民団体からの批判が強まっている。ILOによる制裁勧告や米欧諸国の制裁強化に加え、日本政府も軍関連企業との新規取引を事実上停止。人権デューデリジェンスの要請は高まり、企業は国際的な批判を回避するため撤退を余儀なくされている。国際的な圧力と現地のリスクが複合的に作用し、企業の判断を決定的に変えている。
日系企業は現在、三つの選択肢に直面している。第一は完全撤退であり、既に大手商社やエネルギー企業がこの道を選んだ。第二は最小限継続であり、現地雇用維持を目的に縮小運営を続ける企業がある。
ミャンマー進出の日系企業は、治安悪化、電力不足、外貨規制という複合的リスクに直面し、撤退や事業縮小を余儀なくされている。かつて「アジア最後のフロンティア」と期待された市場は、今や企業にとって持続不可能な環境へと変貌した。人道的責任と経済的限界の狭間で、日系企業はかつてない難局に立たされている。
【編集:af】








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