中国国営メディアがフィリピン人を「猿」と揶揄する動画を公開し、さらに中国海警局が南シナ海でフィリピン兵士を木製の棒で殴打した事件が発生した。これらの行為はフィリピン国内で強い反発を呼び、現地メディアや市民の間で怒りが広がっている。


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 2026年7月17日、フィリピン政府は、中国国営英字紙「チャイナ・デーリー(China Daily)」がSNSに投稿した動画について強く抗議した。この動画では、フィリピン人を「臆病な猿」として描き、米国や日本に操られているかのような演出がなされていた。動画の中で猿はフィリピンの伝統衣装バロンを着て登場し、南シナ海仲裁判断に関連する歌を歌わされる場面が含まれていた。フィリピン沿岸警備隊のジェイ・タリエラ報道官は「フィリピン人は猿ではない」と強調し、この動画を「現代において許されない人種差別的表現」として非難した。フィリピン政府は外交ルートを通じて正式に抗議を行い、国際社会に対しても中国の姿勢を問題視するよう呼びかけた。

 フィリピン主要メディアも一斉に反応した。全国紙「フィリピン・デイリー・インクワイアラー(Philippine Daily Inquirer)」は社説で「中国の行為は単なる挑発ではなく、フィリピン人の尊厳を踏みにじるものだ」と論じた。また「ラプラー(Rappler)」は「中国は軍事的圧力だけでなく、文化的侮辱を通じてフィリピンを屈服させようとしている」と報じ、国民の怒りを代弁した。さらに「マニラ・ブレティン(Manila Bulletin)」は「猿呼ばわりは人種差別の典型例であり、国際社会が見過ごせば危険な前例となる」と警告した。これらの論調は一致して中国の姿勢を批判し、フィリピンの主権と国民の尊厳を守る必要性を強調している。

 一方、7月20日には南シナ海で新たな衝突が起きた。フィリピン軍によると、セカンド・トーマス礁周辺で中国海警局の乗組員がフィリピン兵士を木製の棒で殴打し、負傷させたという。
フィリピン国防省は「挑発的かつ敵対的な行動の常套手段」として中国を非難し、外交的抗議を重ねている。現場では中国側が写真や動画を撮影していたとされ、フィリピン側がゴムボートで追い払おうとした際に暴力が発生した。フィリピン軍は証拠映像を公開し、中国側の行為を国際社会に訴えている。

 SNS上でも市民の怒りは広がっている。X(旧ツイッター)では「フィリピン人は猿ではない」「中国の侮辱は許せない」といった投稿が相次ぎ、ハッシュタグ「#RespectFilipinos」が拡散した。フェイスブックでは「中国は力で押さえつけようとしているが、我々は屈しない」との書き込みが目立ち、若者を中心に抗議の声が高まっている。さらに「中国の行為は国際法違反であり、国際社会が一致して対応すべきだ」との意見も多く寄せられている。市民の間では、外交的抗議だけでなく、国際的な連携による圧力を強めるべきだとの声が強まっている。

 今回の一連の出来事は、南シナ海をめぐる領有権争いの緊張をさらに高めるものとなった。中国による「猿呼ばわり」と「棒による暴力」は、フィリピン人の尊厳を傷つけただけでなく、国際社会に対しても深刻な人権問題を突きつけている。フィリピン国内では怒りと不安が交錯し、政府と市民が一体となって中国に対抗する姿勢を強めている。
【編集:AF】
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