世界各国で物価上昇や人件費の増加が続く中、小規模事業者には従来以上に収益性を高める経営が求められている。日本でも円安や金利負担の増加を背景に、中小企業庁の「2025年版小規模企業白書」は、価格競争に頼る経営から脱却し、付加価値を高めることの重要性を指摘している。


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 美容サロン業界でも厳しい状況が続く。2026年上期はエステやリラクゼーション市場が前年を下回り、新規顧客を低価格で集めるだけでは利益を確保しにくい環境となっている。

 こうした中、エステサロンや治療院、リラクゼーションサロンを対象に経営支援を行う稲川勤社長は、個人サロン向けの売上支援講座を展開している。同講座では、広告費を増やして集客を優先するのではなく、顧客の悩みに応える商品を整え、売上を確保した後に集客へ投資する経営手法を指導している。

 講座では、施術内容ではなく、「痩せたい」「肌をきれいにしたい」など顧客が抱える悩みを起点に商品を設計する考え方を重視する。同じ技術でも対象となる顧客や目的を明確にすることで、価格競争に巻き込まれにくい商品づくりを目指すという。

 受講者は、ターゲット設定や商品提案書、ランディングページ、カウンセリングなどのテンプレートを活用しながら、自店舗に合った販売の仕組みを作成する。その後、稲川社長が内容を添削し、実際の営業で活用できる形へ改善していく。

 現在の講座生は約300人で、これまでに500店舗以上を支援してきたという。商品設計を見直したことで、月商約20万円だった店舗が100万円を超えた事例もある。一方で、高額商品の販売を目的とするのではなく、顧客の課題を丁寧に把握し、必要な提案を行うことを基本方針としている。

 稲川社長は、新規集客よりも継続利用の仕組みづくりを重視する。
過去に運営したヨガスタジオでは、多くの来店者を集めても継続利用につながる割合が低く、広告費を十分に回収できなかった経験があったという。その経験を踏まえ、商品設計から継続利用までを一体で整える手法を構築した。市場環境が厳しさを増す中、個人サロンの収益性を高める支援として注目を集めそうだ。
【編集:Y.U】
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