2026年7月24日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビア関連タンカーへのミサイル攻撃から半日が経過し、世界の物流およびエネルギー供給網への影響が一段と深刻化している。事件発生を受け、欧米の国際海運大手が相次いで紅海ルートの運航停止を決定し、アフリカ大陸最南端の「喜望峰」を迂回するルートへの移行を本格化させている。


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 海運業界の動向に詳しいウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、すでに数十隻規模の大型タンカーやコンテナ船がバブ・エル・マンデブ海峡の通過を断念し、進路を南へ変更した。喜望峰を回る迂回ルートへの変更により、欧米方面への航行距離は約6,000~7,000キロメートル延長され、到着までに1週間から10日以上の遅れが生じる見通しだ。同紙は、燃料費の大幅な増加に加え、紅海周辺海域の船舶保険料も急騰しており、物流コストの転嫁によって世界的なインフレ圧力がさらに強まることは避けられないと分析している。

 国際エネルギー市場も緊迫した状態が続いている。米CNBCによれば、事件直後に急騰した北海ブレント原油先物は、現在も1バレル=100ドル台の大台を維持したまま推移。WTI原油先物も92~93ドル台で高止まりしている。ホルムズ海峡の緊張状態に加えて紅海ルートも実質的な機能不全に陥ったことで、「中東の2大エネルギー輸送網が同時に遮断される」という最悪のシナリオが市場で現実視され始めており、買い注文が引きも切らない状況だ。

 一方、現場海域における軍事的な緊張も最高潮に達している。米CNNは、紅海の安全確保を担う多国籍部隊が警戒レベルを最大に引き上げたと報じた。米軍は引き続き周辺海域での哨戒活動を強化しているが、連日続くイラン国内への空爆作戦との「二正面作戦」を強いられており、艦艇や航空機などのリソース負担が限界に近づきつつある。

 サウジアラビア国営通信(SPA)は同日午後、今回のタンカー攻撃を「世界のエネルギー安全保障に対する重大なテロ行為であり、世界経済全体への直接的な脅威である」と強く非難する政府声明を発表した。しかし、フーシ派側は攻撃の手を緩める兆しを見せておらず、事態収拾のメドは全く立っていない。


 欧米の軍事専門家は米ニューヨーク・タイムズに対し、「フーシ派による今回の攻撃は、単なるサウジへの報復にとどまらず、イランが米軍や同盟国の軍事リソースを分散させるために仕掛けた高度な戦略の一環である可能性が高い」と指摘している。外交的解決への道筋が完全に見失われる中、世界の海運・エネルギー網はかつてない危機に直面している。
【編集:af】
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