2026年8月2日未明、Kompas.comによると、インドネシア東ジャワ州マドゥラ島沖でフェリー「KM Mutiara Sentosa II」が火災を起こし、乗客乗員271人のうち225人が救助されたものの、5人が死亡し41人が行方不明となった。

その他の写真:Wikipediaから、「フェリーおおさか」

 船体はほぼ全焼し、海上に黒煙を上げながら漂流する姿が目撃された。
火災は車両デッキから出火した可能性が高いとされ、乗客は船首やブリッジに避難、あるいは海へ飛び込んで救助を待った。救助活動にはインドネシア海軍艦艇や民間船が参加し、必死の救助が続けられている。

 Inilah.comが伝えるところによると、この船は1992年に日本の佐伯重工業で建造され、「フェリーおおさか」として名門大洋フェリーが大阪-北九州航路に投入した。日本国内で23年間運航された後、2015年に退役し「ゴールデンバード5」と改名されたのち、インドネシアの民間会社PT Atosim Lampung Pelayaranに売却され、翌年から「KM Mutiara Sentosa II」として再び航海を始めた。全長160メートル、幅25メートル、総トン数9479トン、旅客定員689人、乗員49人、車両181台を積載可能な大型フェリー。日本での運航時には重大事故の記録はなく、厳格な検査体制の下で安全性が維持されていたが、インドネシア移籍後の整備体制には疑問が残る。

 Detik.comは、火災原因について「車両デッキに積載されたトラックから火が出た可能性がある」と報じている。乗客の証言によれば「30分もしないうちに船首へ避難するよう指示が出た」という。炎は瞬く間に船体を包み込み、逃げ場を失った人々が海へ飛び込む姿が目撃されている。国家捜索救助庁(Basarnas)は「火災原因は不明で、調査を継続中」と発表した。

 CNN Indonesiaは、インドネシアの海難事故統計を紹介している。2025年には8件の海難事故が発生し、死傷者は69人(死者54人)。
2024年は6件で26人の死傷者だった。2018年には41件と過去最多を記録しており、事故件数は年ごとに大きく変動している。2024年には128件の船舶事故が発生し、前年より37.6%増加。要因は技術的問題が60件、自然要因が59件、人的要因が9件とされる。沈没事故が最も多いが、火災は毎年数件程度でありながら被害規模が大きくなる傾向がある。

 今回の火災は、インドネシアにおける中古船導入のリスクを改めて示すものとなった。日本で安全に運航されていた船が、インドネシアでは老朽化や整備体制の違いから悲劇を招いた可能性がある。インドネシアは17000以上の島々から成り、フェリーは生活の基盤を支える重要な交通手段だが、船齢の古さや安全基準の不徹底が事故の要因とされる。今回の「KMムティアラ・セントサII」火災は、老朽船の安全管理、車両積載時の火災防止策、避難訓練の徹底など、抜本的な改善の必要性を突きつけている。

 日本から移籍した中古船が悲劇の舞台となった事実は、インドネシアの海上交通の脆弱性を象徴する事件として長く記憶されるだろう。行方不明者の捜索は続いており、インドネシアの海難事故史に新たな痛ましい記録が刻まれた。
【編集:af】
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