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現地メディアが伝えた発言内容では、プーチン氏は「極東地域だけを見れば、ロシアの状況は最悪ではない」と前置きしつつ、「韓国の合計特殊出生率は0.7程度で、我が国の半分にすぎない。日本もロシアと同水準だ」と指摘。その上で「だからといって今の数字に満足してよい理由にはならない」と述べ、極東の出生率を全国の目標値に引き上げる方針を強調した。
さらに注目すべきは、ウクライナで続く特別軍事作戦が人口減少に与える影響についての言及だ。タス通信によると、プーチン氏は「軍事衝突が一定の影響を及ぼしているのは事実だが、それがすべてではない」と断言。「日本や韓国では戦争が起きていないにもかかわらず、極めて低い出生率に苦しんでいる」と述べ、人口危機の根底には戦争以外の構造的問題があると主張した。
しかし、この発言の背景には、ロシア国内で強まる「戦時下の人口流出と兵士の死傷による少子化加速」への批判をかわす意図が透けて見える。イズベスチヤ紙などによれば、ロシア政府は第3子誕生世帯への特別支援金制度を2030年まで延長し、若い女性への出産支援を国家最優先課題に掲げている。だが、徴兵逃れによる若年層の国外流出、長期化する戦時体制による生活不安が重なり、根本的な改善には程遠いのが現実だ。
一方、槍玉に挙げられた韓国も深刻だ。韓国統計庁の最新データでは、合計特殊出生率は2023年に0.72、2024年に0.75、2025年に0.80と微増したものの、依然として世界最低水準。若者の失業率高止まり、過酷な受験・就職競争、首都圏の不動産高騰など、社会構造の歪みが結婚・出産の選択肢を奪い続けている。
日本も例外ではない。厚生労働省の人口動態統計によれば、昨年の合計特殊出生率は1.14で過去最低を更新。ロシアの最新値1.37より低い水準となり、東アジア全体が「子供のいない社会」へ加速している現実が浮き彫りになった。
今回のプーチン氏の“指名批判”は、自国の軍事行動が招いた人口危機から国民の視線をそらし、「戦争のない東アジアの民主主義国でさえ壊滅的な少子化だ」と強調することで、政権への批判を和らげようとする冷徹な世論誘導の側面が濃厚だ。戦争の渦中にある巨大国家と、苛烈な競争社会に疲弊する東アジア諸国。形は違えど、未来を担う世代が子供を生み育てる希望を失っているという現実は、国境や体制を超えた共通の病として重くのしかかっている。
【編集:af】








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