どんなに素敵に見える写真でも、うっかり映り込んだものまではごまかせないのかもしれません。

今回は、SNSに夢中になった義母に振り回されてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。


SNSで理想の義母を演じるのに付き合わされて

坂本美保さん(仮名・34歳)は、ある休日の朝、突然お義母さんから呼び出されました。

インスタでは“理想の義母”アピールしながら…私をこき使う義母...の画像はこちら >>
「休日くらいゆっくりしたかったんですが、義母から突然『今日は嫁ちゃんとデートって投稿したいの(ハートマーク)』と連絡が来て、断りきれなくて」

義母はそのころ、インスタグラムに異常なほど熱中していました。

最初は孫の写真や料理を載せる程度だったそうですが、次第に投稿内容は「理想の義母」アピールばかりになっていったそう。

「『嫁ちゃんが私を慕ってくれているの(ハートマーク)』『娘みたいな存在なの(ハートマーク)』みたいな投稿が増えていって。実際は用事がある時しか連絡してこないし、会えば雑用係みたいに扱われるんですけどね」

ショッピングモールで、終わらない撮影会

その日も義母は、美保さんを連れてショッピングモールへ向かうと、自分の買い物を楽しみながら何度も写真撮影を始めました。

「義母はショッピングモールの通路で『もうちょっと自然に笑って? そうそう、本当の親子っぽい感じで』と気にいるまで何度も私とのツーショットを撮り直すので、もうウンザリしちゃって」

インスタでは“理想の義母”アピールしながら…私をこき使う義母。ある日、化けの皮が剥がれた“痛恨の投稿ミス”とは?
インスタで嫁と仲良しアピールしたがる義母
少しでも表情が硬いと「疲れて見えるからダメ」「もっと私に寄りかかる感じで」と注文が飛び、通行人が避けて通るほど長時間の撮影は続いたそう。

その間、義母が購入したブランドショップの紙袋も、日用品の袋も全部美保さんが持っていました。

「腕に食い込む持ち手が痛かったんですが、義母は気にするどころか、私に持たせるのが当然という態度でしたね」

義母は手ぶらのままスマホを持ち、自分の写りだけを確認しては満足そうに頷いていました。

「『あら~今日の私、若く見えてるかも!』『嫁ちゃん、もう少し後ろ下がって。顔が大きく見えちゃうから』なんて言われて、正直かなりイラッとしました」

ガラスに映った“仲良し嫁姑”の真実

ようやく満足した義母は、その場でスマホを操作しながら「娘みたいに可愛いお嫁ちゃんと幸せショッピングデート(ハートマーク)本当に仲良しな嫁姑です」と投稿しました。

インスタでは“理想の義母”アピールしながら…私をこき使う義母。ある日、化けの皮が剥がれた“痛恨の投稿ミス”とは?
SNS
「すると数分後、義母の動きがピタッと止まり笑顔が消えたんですよ」

どうやらコメントがついたらしく、義母は険しい顔で画面をスクロールしていたそう。

義母の投稿のコメント欄には「ガラスに映っていて、お嫁さんをこき使っているのバレちゃいますよ。消した方が……」「ドンマイ。今度はちゃんと写真のチェックしてからアップだね」といったコメントが次々と書き込まれていました。

「私も自分のスマホで義母の投稿をよく見てみると……何枚かある投稿写真の1枚の後ろ、店舗の大きなガラスに、大量の紙袋を両腕に抱えながら、義母を撮影している私の姿がしっかり映り込んでいたんです」

しかも美保さんは疲れ切った顔で、義母だけが満面の笑み。
真実の姿がそこにはありました。

暴かれた演出と、突然のアカウント削除

「優しく注意するようなコメントに紛れて、『仲良し嫁姑演出、信じている人いなかったよ』と批判的なものもありました。義母は顔を真っ赤にして『何これ!? 性格悪すぎ!!』とブチ切れていましたね」

インスタでは“理想の義母”アピールしながら…私をこき使う義母。ある日、化けの皮が剥がれた“痛恨の投稿ミス”とは?
指をさして怒る女性
義母はスマホを握りしめながら「たまたま荷物持ってただけじゃない!! 勝手に決めつけて! みんな嫉妬してるのよ!」と大声でまくし立てていたそう。

その時、美保さんは「お義母さんは自分の“優しい義母アピール”をみんなが本気で信じていると思ってたんだ」と感じ、少し哀れに思いました。

すると近くを通りかかった女子高生2人組が、義母の声を聞いて顔を見合わせ「いや、さっきからずっと持たせてたじゃん」とクスクス笑ったそう。

「それが決定打になったのか、義母は口を半開きにしたまま硬直し、無言でスマホ画面を見つめたあと、慌てて投稿を削除すると『これまるごと消すの、どうやるの?』と私に聞いてきたんですよ」

美保さんがアカウント削除の方法を教えると、義母は数分悩んだ末、本当にアカウントを削除。それ以来、インスタへの情熱はすっかり冷めたようで、美保さんを休日に呼び出すこともなくなったそう。

「義母には悪いけど、あのガラスは最高に良い仕事をしてくれましたね」と微笑む美保さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
Twitter:@skippop
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