小学生がスマートフォンを持つことは、今や珍しいことではありません。2023年に教育ネット総合研究所が約3万3000人の小・中学生を対象に実施した調査では、小学6年生のLINE利用率は67%という結果が出たほど。
小学6年生の3人に2人以上が利用しているツールのため、高学年になると友だち同士の連絡手段としてLINEを使うことが増えていきます。

 一方で、LINEのような学校外で交わされる子ども同士のやり取りは教師の目が届かず、また、保護者も実態を把握できていないことが多々あります。今回は、子ども同士のLINEのやり取りに不安を感じた経験がある愛理さん(仮名・40歳/主婦)に話を聞きました。

気づいたらメンバーが激増、通知も100件以上に

小6息子の「学年LINEグループ」で見た衝撃のやりとりに絶句...の画像はこちら >>
 愛理さんの息子は、現在小学6年生。スマートフォンを持ち始めたのは小学3年生の頃だったそう。

「ただし、使えるアプリは最低限に管理していました。あくまで、習い事や留守番をするときの“親との連絡用”として持たせていたんです。友だちとLINEでやり取りを始めたのは小学6年生になってから。最初は仲の良いクラスメイト数人とのグループで楽しんでいました」

 しかしある日、息子から「ちょっと見て」とやり取りの履歴を見せられ、その予想外の内容に驚いたと振り返ります。

「数名だったグループが気づけば25人ほどに増え、『〇〇小学校6年生』といった名前の学年グループになっていたんです。学年のLINEグループといっても、学校からお知らせが届くわけではありません。参加者は子どもだけで、グループ内で実際にやり取りされていたのは、意味のないスタンプの連打や、『死ね』『殺すぞ』などといった目を疑うような言葉の数々。通知も100件を超えていました。


悪ふざけの延長のような発言もあれば、そのままヒートアップしてけんかになっていることもあって……。送信の取り消しを繰り返した子が『証拠隠滅!』と悪気もなく言っていたり、小学生とは思えないやり取りもありましたね」

 息子から「小学6年生になってスマートフォンを持ち始めた友人が多い」と聞いていたものの、実際のやり取りを見てショックを受けたといいます。

“家の中まで公開”善悪の判断がつかない怖さ

小6息子の「学年LINEグループ」で見た衝撃のやりとりに絶句…。罵詈雑言に、スタンプ連打、親の寝顔まで
※画像生成にAIを使用しています
 また、驚いたのはやり取りだけではなかったと続けて話します。

「家族の寝顔や部屋の様子など、自宅で撮影した写真を面白半分で投稿する子がいたんです。『家の中はプライベートな空間』という認識の薄さにゾッとしました。たとえ悪意はなくても、インターネットにつながるツールである以上、一度共有した画像は完全には消せません。それがとても怖かったのです。

 さらに、『親に退室するように言われた』とグループから抜けた子がいると、その子がいなくなった途端に悪口大会が始まることも。そのため、グループを抜けたいと思っていても、自分も同じように何か言われるのではないかと不安で退出できない子もいるようでした」

あまりの状況に、通知オフを決意

小6息子の「学年LINEグループ」で見た衝撃のやりとりに絶句…。罵詈雑言に、スタンプ連打、親の寝顔まで
夜のスマホ
 こうした状況を見て、愛理さんの息子はグループの通知をオフにすることを決めたといいます。

「息子に状況を聞くと、夜も自室にスマートフォンを持ち込んで自由に使っている子がいて、そういう子たちが夜遅くまでグループ内でやり取りをしているそうです。

 わが家では子どもがスマートフォンを使える時間を決めており、夜は自由に触れません。グループができてからは毎晩通知が鳴りやまない状態だったので、息子と相談をして通知をオフにし、必要のないやり取りには参加しないと約束をしました」

スマホを持たせるなら“渡して終わり”ではない

小6息子の「学年LINEグループ」で見た衝撃のやりとりに絶句…。罵詈雑言に、スタンプ連打、親の寝顔まで
話し合い
 息子との約束の際には、スマートフォンを使う上でとくに気をつけてほしいことも一緒に話したそう。

「『LINEの向こうにいるのは友だちだけじゃないよ。あなたはまだ小学生だから、親が見ている場合があることも忘れないでね』と伝えました。
画面越しになると、普段なら使わないような乱暴な言葉も簡単に送れてしまいます。だからこそ、『だれが見ているかわからない』という認識をもってほしかったのです」

 今回の問題は保護者の間でも話題になっため、学校にも相談をしたといいます。

「学校からは『スマートフォンの使い方だけではなく、家庭でもスマートフォンを管理するように保護者へ呼びかけていきます』と回答がありました」

 学校では子どもたちのLINEを監視することはできません。だからこそ、スマートフォンを持たせる以上、各家庭でルールを決め、子ども任せにしないことが重要です。スマートフォンを持たせること自体が問題なのではありません。大人と同じコミュニケーションツールを使い始めた子どもたちに、安全な使い方や危険性を伝える機会を家庭でももつことが重要なのです。

 高学年になると、「もう子どもではない」と思いがちですが、判断力はまだ発達途中。だからこそ、定期的にスマートフォンの使い方を親子で話し合い、「困った場合は相談すること」と伝えられる関係を築くことが、これからますます大切になるでしょう。

<取材・文/鈴木風香>

【鈴木風香】
フリーライター・記者。ファッション・美容の専門学校を卒業後、アパレル企業にて勤務。息子2人の出産を経てライターとして活動を開始。ママ目線での情報をお届け。
Instagram:@yuyz.mama
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