◆第108回全国高校野球選手権徳島大会 ▽決勝 鳴門渦潮7―4阿南光(27日・むつみスタジアム)

 鳴門渦潮が阿南光に勝ち、2年ぶり9度目となる夏の甲子園出場を決めた。「3番・投手」で出場したスリークオーター右腕の西村大輝投手が、全5試合に先発し、準決勝まで4試合連続完投勝利。

決勝は6回2失点で降板後、一度左翼に回り、8回からクローザーとして再登板して試合を締めた。全国でここまで唯一、初戦から一度もDH制を使わない優勝校となった。

 現代のルールにあらがうかのように、「4番・エース」ならぬ「3番・エース」の二刀流が、フル回転で鳴門渦潮を徳島の頂点に導いた。

 0-1の初回、同点につながる左前安打を放つと、3回には決勝点を呼ぶ左翼への二塁打と打撃でも引っ張った。酷暑の中、マウンドでは6回2失点とゲームメイク。7回は左翼に回ったが、8回からクローザーとして再登板し、「大魔神・西村」は無失点で締めくくった。

 初戦から決勝まで、5試合全て3点差以内の接戦。西村は中軸として打線を支えながら、準決勝まで一人で投げ抜いてきた。球数は1回戦から111球、152球、143球、187球。準々決勝からこの日決勝までは6日間。1週間500球の球数制限まで170球を残して決勝戦に先発し、6回117球で降板した。だが、7回の左翼守備を経て8回から守護神として再登板。

最後の力を振り絞ってさらに36球を投じ、観衆の拍手を背に、優勝の瞬間をマウンドで迎えた。

 今大会はチームの全45イニング中、44イニングを投げ、球数は5戦合計746球。球数制限まで残り17球でゲームセットを迎えた。森恭仁監督は「西村が170球しか投げられないので…」と7回に交代させた理由を説明。「西村がここまでやるなんて…本当に成長した」と感動した様子で振り返った。殊勲の西村は「疲れはあるけど、気持ちで投げきりました」と話し、観衆から万雷の拍手を浴びた。

 DH制導入元年の夏、DH制を1試合も使わずに甲子園出場を決めたチームは全国で唯一。2年ぶり9度目となる夏の甲子園。かつての高校野球のスターをほうふつさせる投打の大黒柱は、疲労を忘れて仲間たちと喜びを分かち合った。

 ◆鳴門渦潮の勝ち上がりと西村大輝の球数

1回戦 4―1 徳島市立 111

2回戦 5―3 阿波   152

準々決勝2x―1鳴門   143

準決勝 5―4 生光学園 187

決勝 7―4 阿南光 153

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