インドがオタク大国に?ホワイトハッカーが日本のアニメ少女の姿でテレビに登場
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 インドのTVニュースに、日本のアニメ『中二病でも恋がしたい!』のキャラクターの姿が映し出され、現地のアニメコミュニティで大きな話題になっている。

 アニメキャラの画像を表示していたのは、インドのホワイトハッカー、ニサルガ・アディカリー[https://ni5arga.com/]氏(19)である。

 彼は全国向けのTVニュースに出演して独占インタビューを受けた際、なんと自らのアバターとして、日本のアニメ少女の姿で画面に登場したのだ。

 この出来事は、「アニメキャラが全国ニュースに出る時代になった!」と、インドのオタクたちの間で感動を呼んでいるらしい。

ホワイトハッカーがテレビニュースにアニメ少女の姿で出演

 ここで言う「ホワイトハッカー」とは、「倫理的ハッカー」「善意のハッカー」とも呼ばれ、システムに侵入して利益を得たり破壊したりするのではなく、セキュリティ上の欠陥を見つけて報告する人のこと。

 アディカリー氏は今回、インドの中央中等教育委員会(CBSE)が導入したオンライン採点システム「On-Screen Marking(OSM)」に興味を持ち、そのシステムをハッキングして調べたのだという。

 OSMとは、スキャンされた生徒の答案を、試験官がコンピューター上で採点するためのシステムなんだそうだ。

 調査の結果、彼は「OSMのポータルには簡単に侵入を許す脆弱性があり、試験官アカウントの乗っ取りや点数変更が可能だった」と報告した。

 具体的にはハッキングで試験官になりすましたり、答案の点数を変更したりすることが、あっさりできてしまったのだとか。

 アディカリ―氏はこの内容をCERT-In(インド電子情報技術省のコンピュータ緊急対応チーム)に報告した後、自身のブログ[https://ni5arga.com/blog/posts/hacking-cbse/]でもその内容を公開した。

 このニュースはインド国内で大きく取り上げられ、アディカリ―氏は全国向けの英語ニュース番組『Times Now』に出演し、独占インタビューを受けることになった。

 この時、アディカリ―氏は自身の顔を出すことなく、日本のアニメのキャラクターの姿を借りて、画面に登場した。

 下がそのときの映像だ。右側にアディカリ―氏として登場している眼帯少女は、アニメ『中二病でも恋がしたい!』のキャラクター「小鳥遊六花」である。

[動画を見る]

 番組の中でアディカリ―氏は、自身が発見した脆弱性について、次のように説明している。

(「家に例えるならどんな状況だったのか」という質問に対し)ドアが開いていたどころではありません。

鍵そのものが地面に落ちていて、みんなの目の前に置かれているような状態でした。誰でもその鍵を拾って家に入ることができたんです

 アディカリー氏はこのように主張したのだが、CBSE側は問題とされたURLは「内部テスト用サイト」であり、実際の採点に使われたポータルとは別物だと説明。

 さらに、実際の評価作業用ポータルではセキュリティ侵害は確認されていない、として、アディカリ―氏の主張を否定した。

インタビューの内容よりアバターが話題に

 今回注目されたのは、インタビューの内容自体ではなかった。いや、確かにこのCBSEのシステムの欠陥は、インド国内でも大きな問題になっている。

 だがこのニュース番組で視聴者の目を引いたのは、アディカリ―氏の主張自体よりも、むしろ彼の「姿」だったのだ。

 アディカリー氏自身は顔出しをせず、日本のアニメキャラを自分のアバターとして表示した状態で、全国放送に出演したという事実。。

 インドの全国ネットニュースに「アニメキャラが登場した!」ということ自体が、あちらのオタクたちにとっては衝撃的なニュースだったようだ。

  • この件で、これから何人の学生が『中二病でも恋がしたい!』を見るようになるんだろう
  • なんてこった、小鳥遊六花だ。インドのテレビに中二病キャラが出てる!
  • ニュース番組にアニメのアバターとか、まさにZ世代って感じだな
  • インドのニュースでアニメのプロフィール画像を見る日が来るとは…
  • ニュースで六花を見るなんて。笑いすぎて泣いてる
  • 顔出ししないでアニメ画像で全国放送に出て、しかもITセル(組織的な攻撃・擁護を行う与党支持者のネット部隊)から攻撃されていないだと…?
  • 君はみんなの英雄だよ。
    特に学生たちとコミュニティーにとってはね
  • まさかニュース番組で六花を見る日が来るとは。兄弟、最高だよ
  • うちらのコミュニティーが大舞台で認知されるのが誇らしい
  • 次はアニメ声のボイスチェンジャーも使うべきだな
  • 正直、君はインドのアニメコミュニティーに大きな功績を残したよ
  • もしアバターが夜神月やエレン・イェーガーだったらどうなっていただろう
  • 邪王真眼を解き放ったな。陰謀論が広まるのも無理はないか
  • そろそろ自分のアカウントも作り直す時期かもしれない
  • インドにこんなに中二病ファンがいたなんて知らなかった。自分だけだと思ってたよ
  • インドのアニメコミュニティーもここまで来たか…
  • 君は国民的アイドルへの道を歩み始めたな
  • 誰も本題について話してないの笑うわ
  • 六花ちゃん、愛してる!

 ではこのニサルガ・アディカリー氏[https://ni5arga.com/]とは、いったいどんな人物なのだろうか。本人による自己紹介を見てみよう。

私は19歳のソフトウェアエンジニアで、サイバーセキュリティ研究者、CTFプレイヤーでもあります。

オープンソース、サイバーセキュリティ、デジタル調査に強い関心を持っている、好奇心旺盛な人間です。

趣味でいろいろなもの[https://github.com/ni5arga]を作っています(たまに本当に役立つものができることもあります)

 彼は自分がアニメ好きであることも明かしていて、SNSやGitHubのアイコンは小鳥遊六花だし、SNSではフォロワーたちが京アニについて語っていたりする。

オタクが市民権を得つつあるインドのアニメ事情とは

 日本のアニメは世界的なメインストリームになりつつあるわけだが、インドも例外ではなく、アニメ・マンガのファンダムが確実に育ち始めている。

 2025年の時点で、インドはなんと中国に次ぐ世界第2位のアニメ市場であり、約1億8000万人のファンがいるとのデータもあるという。

 2025年に公開された『鬼滅の刃』の映画は、初日だけで1億2600万ルピー(約2億1,300万円)、最終的には日本円で約14億円ほどの興行収入を叩き出し、アニメ映画としては記録的なヒットとなった。

 下は首都ニューデリーにある国際交流基金の図書館で、日本のマンガ本に読みふけっているインドの若者たち。

 ここには2,500冊を超えるマンガが所蔵されていて、自由に読むことができるんだそうだ。

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 最近は自分でマンガを描く人も増え、中には薄い本を作ってしまう人たちも現れていて、小規模ではあるが同人誌即売会まで開かれているんだとか。

 下は「Ōta TOKYO」というイベントの様子。「インド初の同人誌・コスプレ特化型アニメフェス」と銘打っており、どうやら薄い本なんかも売られているらしい。

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 もちろんコスプレイヤーの皆さんもレベル高い。

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 コミックやカートゥーン、ゲームにアニメ、マンガなどを総合的に扱う「コミコン(Comic Con India)」も、主要各都市で開催されており大人気だ。

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 1993年には、インドと日本が共同でアニメの制作も行っている。この時に作られた『ラーマーヤナ ラーマ王⼦伝説』は、インド人をして「最高傑作」と言わせるほど評価が高かったんだとか。

 インド二大叙事詩のひとつ、『ラーマーヤナ』をアニメ化したこの作品は、今の40代以下のインド人なら、これでこの古典を履修したというほど、家庭や学校で繰り返し見て育った人も多いらしい。

 2025年にはデジタルリマスター版がインド全土の映画館で上映された。このバージョンは日本でも公開されたので、見たという人もいるのではないだろうか。

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 もともとドラえもんやポケモン、クレヨンしんちゃんあたりはインドでも広く愛されてきた土壌はあった。

 加えて近年はアニメ・マンガファンの年齢も上がり、ニッチな作品も結構知られるようになってきた。さらにインド国産のアニメも、かなりレベルが高くなっている。

 下はネトフリで大人気のアニメ、「Mighty Little Bheem」。

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 米Grand View Horizon社の市場調査[https://www.grandviewresearch.com/horizon/outlook/anime-merchandising-market/india]によると、インドのアニメ関連市場は、2033年までに5億6200万ドル(約900億円)の収益に達すると予測されている。

 この数字は2026~2033年にかけて、年平均14.2%の成長が見込まれることを意味している。人口が多いだけに、アニメファンの数も桁違いに増えていきそうだ。

 また、アニメ制作会社のレベルも上がっており、「日本のアニメをインドで制作したい」という声も既にあるらしい。

 一昔前と思うといろいろ隔世の感があって感無量なのだが、数年後にはもしかしたら、インドはアニメ大国になっているのかもしれないな。

References: Did 19-year-old Nisarga Adhikary hack CBSE OSM portal? Claims, counterclaims explained[https://www.hindustantimes.com/india-news/cbse-rejects-osm-breach-claims-but-did-19-year-old-nisarga-adhikary-vulnerability-report-really-hack-marking-portal-101779859236685.html]

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