◆第108回全国高校野球選手権茨城大会▽準決勝 常総学院9×―8明秀学園日立=延長10回タイブレーク=(23日・ノーブルホーム水戸)

 常総学院が延長10回タイブレークの激闘の末、明秀学園日立を9―8で下し、決勝進出を決めた。

 4―3の8回1死二塁、幸田元希外野手(3年)の適時二塁打で同点に追いつくと、9回では決着がつかず、無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した。

 だが、10回表に4点を勝ち越される。プレッシャーがかかるナインに島田直也監督(56)は「相手が取れるんだからうちも取れる。繋いでいく意識を持ってやっていこう。伝説を作ろう」と活を入れた。すると、その裏の攻撃で、荒生結太の2点三塁打、吉沢颯大の適時打、さらに1死後、宮原悠守の適時二塁打で同点とする。なおも2四球で1死満塁の好機を作ると、打順は佐藤泉里(せんり)内野手(2年)に。島田監督から「笑顔でいきなさい。最後は気持ち」と背中を押されて打席に向かうと、その初球を振り抜いた。打球は左前に落ちるサヨナラの適時打となった。「きつい展開で『もう自分で決める』と打席に立って初球から行く気持ちだった。それが結果に繋がって良かった」と興奮気味にまくし立てた。

 大会が始まる2週間前の練習試合で左腿の肉離れを引き起こした。

「とにかく監督さんや先輩方には、たくさん迷惑をかけた」と悔しさと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。それでも3年生は佐藤を励まし続けた。主将の水口煌太朗内野手(3年)からは「大会が始まったら必要になるんだから、責任を持って、復帰したら自分のプレーができるようにしておけ。俺ら3年がいるから、お前は焦らずにやれ」と励まされ、電気治療などリハビリを続けて何とか初戦に間に合わせた。怪我がありながらもメンバーに入れてもらえたからには「チームの勝利に貢献しないとダメだ」と強気で臨んだ打席。「3年生には今まで数え切れないほど助けてもらった」。最後のひと振りが恩返しになったことに安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 劇的勝利に、3年生がホームベース近くで大喜びをしている姿を見て「高校野球人生で1番嬉しかった」と涙をこぼした立役者は「切り替えて、もう1度チーム全員で戦っていきたい」と決勝戦に向けて闘志を燃やした。勢いそのままに常総学院ナインが聖地への切符をつかみ取る。

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