◆第108回全国高校野球選手権静岡大会▽準決勝 聖隷クリストファー2X―1磐田東(25日・しずてつスタジアム草薙)

 決勝は連覇を狙う聖隷クリストファーと、8年ぶりVを狙う常葉大菊川との対戦が決まった。聖隷は磐田東に2―1で9回サヨナラ勝ちを収め、3年連続の決勝進出を決めた。

エース高部陸(3年)が5安打13K無四球で今大会初完投した。常葉大菊川は、投打二刀流のエース佐藤大介(3年)が終盤、足をつりながらも2失点完投で加藤学園を4―2で下した。決勝は27日の10時からしずてつスタジアム草薙で行われる。

 仲間よりちょっと遅れて三塁ベンチを飛び出した。聖隷クリストファーのエース高部が、サヨナラ勝ちに喜びを爆発させた。「延長に備えてダッグアウト裏にいたので、飛び出すのが遅くなった」。チームを3年連続決勝に導いた150キロ左腕が、歓喜の輪に加わった。

 予想外の幕切れだった。同点の9回裏1死満塁で9番・田中謙成左翼手(3年)のスクイズが投前に転がり、本塁アウト。だが、併殺を狙った捕手の一塁送球がそれて二塁走者がホームインした。「サヨナラの瞬間はホッとした。仲間が1点取ってくれると信じていた」と、高部が気持ちよそうに汗をぬぐった。

 不運な失点だった。2回2死三塁から振り逃げ(記録は三振と暴投)で先制された。「カットボールが思っている以上に曲がってしまった」。今大会5試合目にして初めて追いかける展開となった。

 ここからが、高部の真骨頂だった。「流れを取り戻すために、三振を狙いにいった」。猛暑の中、6回を除く毎回13K。119球の熱投で5安打無四球1失点完投と1、2年生軍団の磐田東相手に3年生の貫禄を見せた。ミスからの失点でリズムに乗れない中、味方の援護をひたすら待ち続けるエースの姿に、田中公隆監督(52)も「高部に尽きる。この試合ですごさを再認識出来た」と、最大級の賛辞を送った。

 連覇をかけて決勝は、常葉大菊川が相手。1年生からマウンドに立つ高部にとって3年連続のファイナル。

1年では悔し涙、昨年は初Vにうれし涙を流した。「集大成。今まで以上の投球をしたい」。年々たくましさを増す高部が、今夏もVの瞬間をマウンドで味わう。(塩沢 武士)

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