◆第108回全国高校野球選手権静岡大会▽準決勝 常葉大菊川4―2加藤学園(25日・しずてつスタジアム草薙)

 決勝は連覇を狙う聖隷クリストファーと、8年ぶりVを狙う常葉大菊川との対戦が決まった。聖隷は磐田東に2―1で9回サヨナラ勝ちを収め、3年連続の決勝進出を決めた。

エース高部陸(3年)が5安打13K無四球で今大会初完投した。常葉大菊川は、投打二刀流のエース佐藤大介(3年)が終盤、足をつりながらも2失点完投で加藤学園を4―2で下した。決勝は27日の10時からしずてつスタジアム草薙で行われる。

 常葉大菊川の左腕エース・佐藤が、気迫で夏をつないだ。2点リードの9回2死一、二塁。最後の打者を直球で一ゴロに打ち取った。一塁手がベースを踏んで試合は終わったが、カバーのために一塁を駆け抜けた。9回の投球中に足をつり、治療を受けたが、マウンドを譲ることはなかった。「本当にチームを勝たせられて良かった」。決勝進出の瞬間は痛みを忘れて走っていた。

 この日、6球団のプロスカウトが視察した最速144キロの二刀流左腕。春大会はコンディション不良で登板なし。

石岡諒哉監督(37)は継投も考えたが、本人の続投志願を受け入れた。昨春センバツ初戦で公式戦初登板を果たして以来、冷静さを崩さない左腕が見せた執念。指揮官は「そういうこと(続投志願)を言う子じゃなかった。ああいう大介を初めて見た」と目を細めた。「きつかったが、気持ちでどうにかしようと思った。エースとして投げ切りたかった」。復帰後最長となる2失点完投勝利で責任を果たした。

 決勝の相手は聖隷クリストファー。24年夏4回戦では高部に封じられて逆転負け。昨秋県準決勝でも9回1失点に抑え込まれた因縁がある。石岡監督は「高部くんが1年生の夏から出てきて、『高部を打たないと甲子園はない』と3年生に言い続けてきた。1年間、準備してきた」と雪辱を誓う。

チームは18年以来の夏の甲子園を目指す。佐藤は「最近、菊川として夏の甲子園に行けていない。自分たちで歴史を変えたい」。前回対戦で4打数3安打を放った二刀流が、再び勝負強い打撃で聖地への道を切り開く。(伊藤 明日香)

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