マングースの群れは、ライバルとの戦いに備えて入念に作戦を練っていた
アフリカにすむコビトマングースの群れ Image credit:Shannon Wild

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 アフリカに生息する体長20cmほどの小さなコビトマングースは、数頭から数十頭の群れを作って暮らしている。

 ライバルは同じコビトマングースの群れで、縄張り争いにしのぎを削っている。

 自分たちより大きな集団とぶつかれば、小さな群れに勝ち目はない。

 英ブリストル大学の研究チームがコビトマングースの10年分の追跡データを調べたところ、マングースたちは別の群れとの戦いに備えて、事前に相手の群れの大きさを見極め、入念に作戦を練っていたことがわかった。

 この研究成果は『Nature Ecology & Evolution[https://www.nature.com/articles/s41559-026-03104-3]』誌(2026年6月16日付)に掲載された。

アフリカで群れで暮らすコビトマングース

 コビトマングースは体長20cmほど、体重も300gほどしかない小さな哺乳類で、マングースの中で最小、アフリカ大陸に住む肉食動物のなかでも、最も体が小さい。

 主食は昆虫、ヘビやトカゲ、ネズミなどの小動物で、果実も食べる。

 コビトマングースは5頭から30頭の群れをつくって暮らす。単独や家族で行動する種類が多いマングースの仲間のなかでは珍しい生き方をしている。

 体が小さいぶんワシやタカに狙われやすいので、コビトマングースは仲間と群れを形成することで警戒の目を増やし、見張り役を立てて互いの命を守ってきた。

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マングースはライバルと戦う前から準備していた

  イギリスのブリストル大学の研究チームは、南アフリカの野生のコビトマングースから10年分のGPS記録と行動データを集め、群れ同士の争いを調べた。

 コビトマングースの群れは、縄張りをめぐって別のコビトマングース群れと争い、出くわせば激しく戦ってケガを負ったり命を落としたりする。

 研究チームは、この危険な争いに群れがどう備えるのかを長期間追いかけた。

 すると、コビトマングースの群れは、ライバルの群れと出くわす前から行動を変えていることがわかった。

 ライバルとぶつかりやすい場所では、まだ相手の姿が見えないうちから群れの行動が変わり、予想される危険が大きい場所ほど変化も大きくなっていた。

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強い相手と互角の相手で備え方が変化

 コビトマングースの群れは、相手の群れの大きさを見極めて備え方を使い分けていた。

 見張り役のマングースは、自分たちより大きな群れが近くにいると判断すると、警戒の鳴き声を増やして仲間に危険を知らせた。

 大きな群れとの戦いは負ける危険が高く、早く気づいて逃げることが小さな群れにとって最善の策になる。

 群れの大きさが互角のライバルが相手のときは、夕方どこで眠るかをより慎重に選んだ。

 実力が近い相手との戦いは長引いて消耗が激しく、ケガの危険も大きいため、寝場所選びから慎重になって備えていた。

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小さな群れが強敵の中で生き残る知恵

 研究チームを率いたジョシュ・アーボン博士は、小さな群れが強い敵に囲まれながら生き延び、栄えていける理由が、この先回りの行動にあると語っている。

 マングースは空間を賢く動き回り、危険を仲間と伝え合うことで、体の小ささという不利を補っていた。

 群れ同士の戦いは参加するマングースにとって非常に危険で、そのリスクを減らして将来の勝率を高めるために、群れは絶えず行動を変え続けていたという。

 実際に敵と出くわしたときに対応するのではなく、マングースたちは、争いの絶えない環境のなかで休みなく判断を下し続けているのだ。

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コブラやハブと戦うマングースたち

 ちなみに、コブラに果敢に立ち向かうことで知られているのは、インドやアラビア半島などに生息するハイイロマングースで、単独か家族単位で行動している。

 体の大きさもコビトマングースの倍ほどはある

 ヘビの神経毒が体の受容体と結びつきにくく変化しているため、同じ体格の動物より毒が回りにくい。

 それでも噛まれれば命に関わるので、マングースは素早い身のこなしでコブラの攻撃をかわしながら頭に噛みつき、危険を避けて戦う。

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 1979年ごろ、猛毒のハブを退治してくれる存在として、奄美大島に放たれたのはフイリマングースだ。

 日本でも、ヘビと戦うマングースに期待が寄せられた。

 1910年、ハブやネズミの退治を期待して、フイリマングースが沖縄島に持ち込まれ、のちに奄美大島にも導入された。

 ところが期待は外れた。

 ハブは夜行性、マングースは昼行性で活動の時間帯がずれていたため、マングースは危険なハブを避け、捕まえやすいアマミノクロウサギやヤンバルクイナといった貴重な固有種を襲った。

 生態系が壊れ、マングースは駆除の対象になった。

 奄美大島では2024年に根絶が宣言され、島での大規模な駆除の成功は世界で初めてとなった。沖縄島でも数を減らし、固有種が生息域を取り戻しつつある。

References: DOI:10.1038/s41559-026-03104-3[https://www.nature.com/articles/s41559-026-03104-3] / Mongooses prepare for likely future battles with powerful enemies, study finds | EurekAlert![https://www.eurekalert.org/news-releases/1132105]

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