年に1度しか青にならない日本の日間賀島の信号が海外で話題に

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 交差点や道路脇に立っている信号機。交通の流れをスムーズにし、車や歩行者の安全を守るためには欠かせない装置である。

 最近は矢印信号も増えたけれど、基本的に赤・黄・青の3色が切り替わることで、交通の流れをコントロールする役割は変わらない。

 ところが愛知県にある離島「日間賀島(ひまかじま)」には、たった1基の信号機しかない。しかもこの信号機の目的は、交通整理ではないのだ。

 日間賀島に青信号が点灯するのは、年にたった1度だけ。実はこれ、島の子供たちが、交通ルールを学ぶためだけに設置された信号機なのである。

タコとフグで知られる小さな離島

 日間賀島(ひまかじま)は、愛知県知多郡南知多町、知多半島の先端から東へ約2kmの三河湾に浮かぶ島である。

 面積はわずか0.77km²。主要産業は漁業と観光で、島の名物はタコとトラフグ。島の玄関口となる東西の港には、タコのモニュメントが置かれている。

 人口は2026年7月末現在で1,556人、592世帯。2020年の国勢調査では1,716人だったため、人口減少が続いていることがわかる。

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 そんな島の東港で船を降りると、すぐ目に入るのが島でただ1基の信号機だ。日間賀島観光協会[https://www.himaka.net/sightseeing/m14]もこの信号を島の見どころのひとつとして紹介しいる。

島には宝物の信号機があります。島に一個しかなく小学生がここで信号のことを学びます

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普段は赤と黄の点滅、青になるのは年に1度

 日間賀島は交通量が少ないため、この信号機は通常、南北方向は赤の点滅、東西方向が黄色の点滅となっている。

 赤の点滅では一時停止して安全を確認する必要があり、黄の点滅では他の交通に注意して進むことができる。

 このように毎日点灯して機能してはいるのだが、この信号、普段は青信号になることがないのである。

 ところが年に1度だけ、地元の日間賀小学校の交通安全教室が行われる日だけは、この信号が青に変わるのだ。

 2026年も、5月12日に交通安全教室が開催された。この日も島唯一の信号機が、青・黄・赤の通常のサイクルで点灯し、児童たちが交通ルールを学んだ。

 参加したのは1~3年生の児童17人で、半田警察署の警察官から信号に従う正しい道路の渡り方や、自転車の乗り方などについて指導を受けたという。

 この交通安全教室は毎年行われており、教室が開かれる30分ほどの時間だけ、信号機が青・黄・赤の通常点灯に切り替えられる。

 普段は赤と黄の点滅しか目にすることのない島の子供たちにとって、本物の青信号を使って交通ルールを学べる貴重な機会となっているのだ。

 下は2023年に行われた交通安全教室の様子である。

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島の子供たちが本土で困らないように

  毎日のように信号を目にする地域で暮らしていれば、青信号なんてごく普通の一般常識に思えるかもしれない。

 だが、普段は赤と黄で点灯するだけの信号機しかない島で育つ子供たちにとっては、青信号は馴染みのないものだ。

 日間賀島に信号機が設置されたのは1994年のこと。

愛知県の離島では初めての信号機だった。

 信号のない島の子供たちが、信号のある道路での交通ルールを実際の信号で学べること。それがこの信号機設置の大切な役割であり目的だった。

 そして現在の日間賀島では、少子高齢化により、その必要性をより身近に感じさせる変化も起きているという。

 信号機が設置された1994年当時、島には今より多くの住民たちが暮らしていた。1995年の国勢調査では島の人口は2,285人であり、今より700人以上多かった。

 島には日間賀小学校のほかに日間賀中学校があり、子供たちは中学校まで島内で通うことができた。

 だが、日間賀中学校は2022年度をもって閉校。2023年4月に内海、豊浜、師崎、日間賀の4中学校を統合した「南知多中学校」が本土側に開校した。

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 そのため現在、島の子供たちが島内の学校へ通えるのは小学生まで。中学生になると生徒たちは本土の中学校に通わなくてはならないのだ。

 南知多町が定めた通学方法では、朝はチャーター高速船で海を渡り、さらにバスに乗り継いで南知多中学校へ通う。

 島の中だけで暮らしている分には、日常生活に「信号を見て判断する」という行為が入り込むことはほとんどない。

 だが、一歩島から外へ出ると、安全に移動するためには、信号をきちんと見ることが欠かせなくなる。

 子供たちが成長し、進学や就職といった人生の節目を迎えるごとに、その生活圏は島の外へと広がっていく。

 だからこそ、小学生のうちに実物の信号機を使い、交通ルールを身につけておく必要があるのだ。

ほかにもある、信号機が1基だけしかない島

 実は信号機がほとんどない離島は、日間賀島だけではない。沖縄県の渡名喜島にある信号機も1基だけだ。

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 そのほか、新潟県の粟島[https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/murakami_kikaku/1356749548011.html]や東京都の青ヶ島、島根県隠岐諸島の中ノ島も、島内にある信号機は1基だけである。

 粟島では、粟島浦小中学校の前に島唯一の信号機がある。こちらも島の子供たちに、交通ルールを身につけてもらうことを目的に設置されたものだそうだ。

 島民以外は自家用車を島へ持ち込めないため、もともと信号機が必要になるほどの交通量はない。

 それでも、子供たちが進学などで島外へ出たときに交通事故に遭わないよう、2007年に押しボタン式の信号機が設置された。

 また、東京都の青ヶ島も信号機は1基だけで、小学校の近くにある。学校では青信号を確認し、安全を確かめて横断するよう指導しているという。

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信号のない島での交通安全教育

 一方、日本の離島には、信号機そのものがない島もたくさんある。とはいえ、子供たちが成長して島外へ出れば、信号のある道路を歩くことになる。

 では、身近に信号機がない島では、子供たちにどうやって交通ルールを教えているのだろう?

 東京都の島嶼部[https://www.jstage.jst.go.jp/article/iatssreview/43/2/43_74/_pdf/-char/ja]で行われている交通安全教育では、学校周辺に信号機がない場合、信号機のイラストパネルを使って横断訓練を行うことがあるそうだ。

 実物の信号機がなくても、信号の色を確認しながら道路を渡る状況を再現して教えているのだ。

 また沖縄県交通安全協会連合会[https://www.safety-okinawa.or.jp/activity/kids/]でも、幼稚園や小学校などで模擬信号機を使い、横断歩道の正しい渡り方を指導している。

 こうして見ると、日間賀島の方法はなかなかユニークだと言えるかもしれない。

 普段の交通にはほとんど必要のない青信号を、子供たちの交通教育に使えるよう本物の信号機として残し、年に1度だけ通常点灯させるのだから。

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海外からも驚きの声

 この一風変わった信号機は海外でも紹介され、島ならではの交通安全教育に驚く声が寄せられた。

  • これはなかなか興味深いね。この交通安全教室をやる日って、どうやって決めているんだろう? 信号を通常点灯に切り替えるのは誰なんだ? 市の職員か何かがわざわざやって来て、信号の機能を切り替えなきゃいけないのかな?
    • 日付は毎年変わるみたいだね。おそらく学校の予定や天候に合わせて決めているんだと思う
  • この島を出た人の中には、信号機があまりにもたくさんあって、しかも四六時中使われているのを見て、ものすごく驚いた人もいるんじゃないかな
    • 最初はものすごく驚くだろうけど、すぐに慣れて、何とも思わなくなるんだろうね
  • まったく、日本には驚かされるよ。これを上回るとしたら、たった1人の生徒が卒業するまで、その子のためだけに運行を続けたという鉄道路線くらいだ。こういう話を聞くと、くたびれきった心が温かくなるよ
  • 年に1度だけ働く信号機が、子供時代の大切な節目になるなんて、日本ならではだよな

 ちなみに日間賀島へは名古屋から約1時間半と、気軽に行ける観光地として人気である。

 島内は一般車両の乗り入れに制約があるので、名鉄電車か自家用車で師崎港か河和港へ。そこから高速船に乗り継いで島へ渡ることになる。

 島をぐるりと1周しても約5.5km。名物のタコとトラフグはもちろん、海鮮が美味しいことでも有名だ。もちろん、海水浴や釣り、サイクリングなども楽しめる。

 島を訪れる機会があったら、東港近くに立つ「島でたった1基の信号機」も探してみてほしい。運よく青信号を見られる可能性は、かなり低そうだが。

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References: Why This Traffic Light Only Turns Green Once Per Year Read More: https://www.jalopnik.com/2235739/traffic-light-japan-turns-green-once-per-year/[https://www.jalopnik.com/2235739/traffic-light-japan-turns-green-once-per-year/]

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