ドラマなどで、作業着を着て、神棚くらいの高さに設置された小型テレビに映し出されているニュース番組を見ながら、定食屋でつつましくお酒を飲んでいるキャラに渋さを感じた人は多いのではないか。
とはいえ、そんな昔ながらの定食屋は初見ではなんとなく入りにくく、「定食飲み」のハードルは高い。
ただ、チェーン店であれば、不思議とそういったハードルの高さを感じない。つまり、2026年4月にすかいらーくホールディングスのグループに入った「炭火焼干物定食 しんぱち食堂」なら、その夢を叶えてくれる。
また、「しんぱち食堂」では、ビール1杯200円以下で提供しており、飲食店ではなくテーマパークに近い。もしくは「おとな食堂」とでも言うべき、大人のための居場所だ。行かない理由を見つけるほうが大変な「しんぱち食堂」で飲んでみた。
1人飲みに特化した店舗
今回、「しんぱち食堂 高田馬場店」を訪問。平日の夕方ごろだったが、客の数はまばら。定食屋らしく男性が多かった。
「LINEの友達登録」とかなくて助かる
注文形式はタッチパネル。スマホ注文を導入する飲食店が増え、中にはLINEの友だち登録を強制するお店も珍しくない現代社会、タッチパネルを採用しているだけで好感度が上がる。
ソロプレイ用の座席
座席は完全に1人用。「ここは喋る場所ではなく食べる場所です」という圧を感じる。日高屋なども1人飲みに特化した店舗ではあるが、騒がしかったりするケースもしばしば。
その点、しんぱち食堂は、完全に1人飲みに適した店舗と言える。
焼かれた魚の匂いがノスタルジー
厨房の様子が丸わかりになるほど、席と厨房の距離の近さが印象的だ。「バイトテロのリスクを減らせるため、安心して料理を食べられる」というメリットもあるが、それだけではない。
厨房が丸見え
厨房が近いことで、今まさに炭火で焼かれている魚の香りが、鼻腔をフェザータッチしてくる。焼き魚は調理から洗い物まで、あらゆる手間が発生する面倒な料理だ。家で食べる機会はあまりない。だからこそ、炭火で焼かれている魚の香りに久しぶりに触れ、ノスタルジックな気持ちになった。
メニューはこんな感じ
ビールのサイズも問題なし
大きさも悪くない
次に注文する。まずは「生ビール」(176円)から。200円以下ということで、あまり容器の大きさは期待していなかった。しかし、量は十分。店によってはこのサイズで平気で500~700円くらいとられる。ハッピーアワー限定などではなくこの価格なことに、ちょっと引いてしまった。
ちなみに、定食を頼まなければビールは注文できない。
ただ、小鉢をつまみにビールばかりを注文されてはお店としても迷惑だろう。当然のルールと言える。
「100円のおつまみ」のハードルを上げすぎている
高級だけど100円以下
また、しんぱち食堂の注目メニューが「厳選高級ネギトロ」(99円)。「高級」という形容詞がついていながら、100円以下で売られている矛盾した商品だ。
味は「安かろう悪かろう」ではない。臭みはなく、脂は口溶けがよく、まさに「高級」な仕上がり。なぜこの価格で提供できているのか。ついつい利益率が気になる、コスパに優れたおつまみと言える。
ビールを飲みながらチビチビつまむのも、ごはんに乗せて食べるのも、どちらもできる二刀流プレイヤー。飲食業界全体の「100円のおつまみ」のハードルを上げすぎており、ライバル店から嫌がらせを受けないか心配だ。
太い漬物が素敵
ずっと眺めていたい
ビールなどが届いた数分後、注文した定食メニュー「サーモンハラス定食」(1320円)が来た。ごはん、漬物、みそ汁、大根おろし、そしてサーモンハラス。定食は見ているだけで、「日本人の食事だな」としみじみできるから良い。
キラッキラ
肝心のサーモンハラスは脂がトロトロしており、「厳選高級ネギトロ」とは違った形で、口の中を幸せにしてくれる。
おろし醤油を乗せることで、味がキリッと引き締まり、サーモンハラスそれ自体の味の輪郭を鮮明にしていく。「鮭」ではない「サーモンハラス」の味をしっかりと味わえる。
ぶっ太い漬物
個人的には漬物がぶっ太かったことが嬉しかった。こちらも臭みもなく、漬物が苦手な人でも美味しくいただけるのではないか。歯ごたえがあり、漬物のCMかのように良い音を立てながら咀嚼するのが気持ち良かった。
木曜の仕事帰りがオススメ?
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店舗の雰囲気的に長居することには向いていない。「サクッと食べて、食べ終わったら帰る」という空気を勝手に察し、2杯目を飲まずに帰った。ちゃんと酔いたい時には不向きではあるが、しっかりと食べて体力ゲージを回復したい時にこそ「しんぱち食堂」は向いているように思う。
小鉢もどれも魅力的。なにより安い
暦通りの休みの人であれば、木曜日の仕事帰りに利用すると、気分もリフレッシュでき、残り1日を乗り切るための気力や体力を養えるだろう。
<写真・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。
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