AI特有の文章の書き方が人間にうつっていた。ChatGPT登場後に人間の文章が変化
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 ChatGPTなどの生成AIが登場して以来、インターネット上の文章には大きな変化が起きている。

 AI特有の言い回しが急増した結果、私たち人間の書き方にも影響が出ているのだ。

 アメリカのピュー研究所の調査を率いた研究者によると、自分の文章がAIだと思われるのを避けるため、特定の言葉や記号を意図的に使わなくなった人々がいるという。

 その半面、AIの文章に頻繁に触れるうちに、無意識にその書き方を取り入れてしまう人々もいる。

 人間とAIが互いに影響を与え合いながら、コミュニケーションの形が変わりつつある。

ネット上で急増するAI特有の英単語や句読点

 言葉の流行り廃りはいつの時代にもあるものだが、ここ数年で大きな変化が起きている。

 2022年11月にOpenAIがチャットボットAI「ChatGPT」をリリースして以来、特定の英単語や記号がインターネット上で爆発的に増えた。

 アメリカのシンクタンクであるピュー研究所[https://www.pewresearch.org/data-labs/2026/08/20/how-much-of-the-internet-is-written-with-ai/]の研究チームは、過去5年間にわたる約50万件の英語のウェブページを調査した。

 調査の結果、英語の文章で補足説明などに使われる横棒記号「エムダッシュ(―)」の使用が、2023年と比べて2倍に増えていたことがわかった。

 探求するという意味の「delve」や、何かの証しを意味する「testament」といった特定の英単語の出現頻度も2倍になっている。

 A、B、およびCと並べる際(A, B, C and D)に最後のandの前に打つ「オックスフォード・カンマ( , )」の使用も63%増加していた。

 現在、ウェブページの約10%にAIが書いた兆候が見られる。

 ChatGPTリリース後に公開されたページに限れば、3分の1以上にAI特有の書き方の特徴が確認されているという。

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AIだと誤解されないよう書き方を工夫する人々

 また、AIが作成した文章がネットにあふれる中、興味深い現象が起きている。

 人間側が、自分の文章をAIが書いたものと思われないように、あえて書き方を工夫し始めているのだ。

 ピュー研究所が2025年に発表した別の調査[https://www.pewresearch.org/science/2025/09/17/how-americans-view-ai-and-its-impact-on-people-and-society/]によると、アメリカ人の76%がAIの文章と人間の文章を見分けることは重要だと考えている。

 しかし、実際に自分で見分けられると自信を持っている人は、わずか12%しかいないという。

 今回の調査で使われたようなAI検出ツールは、単語の選択や文のリズムなどを統計的に評価して、AIが書いた確率を出したものだ。

 しかしその判定は完璧ではなく、人間が書いた文章を誤ってAIだと判定してしまう「偽陽性」のリスクも存在する。

 調査を率いたサミュエル・ベストヴェイター氏は、採用や学業不正の判断といった重大な場面で、この数値ひとつを根拠に結論を出そうとすることに不安を感じると語っている。

 ベストヴェイター氏によると、AIによく見られるエムダッシュ(―)を使うのを意図的にやめたと話す人もいるという。

 人間は、AI特有の表現を避けることで、自分の文章の人間らしさを証明しようとしているのである。

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なぜ生成AIは特定の言葉を好んで使うのか

 そもそも、なぜChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)の生成AIは、特定の言葉や表現を好んで多用するのだろうか。

 米フロリダ州立大学の計算言語学研究者であるトム・ジュゼク氏が2025年に発表した研究[https://aclanthology.org/2025.coling-main.426.pdf]によると、AIの学習過程に理由があるという。

 AIは、複雑なタスクをこなす際に人間の評価者からフィードバックを受けて学習する。

 その学習の過程で、人間の評価者が無意識に好む特定の単語にAIが執着し、より多く使うようになるらしいのだ。

 単語だけでなく、文章の構造もAI特有の傾向がある。

 ジュゼク氏によれば、AIは節の断片や数量を示す名詞句を、人間の約2倍の頻度で使用する。

 また、AIは箇条書きのリスト形式や太字、絵文字を好む傾向もあるそうだ。

生成AIと人間が模倣しあう双方向の変化

 一部の人間がAIの表現を避ける動きがある一方で、まったく逆の現象も起きている。

 人間が無意識のうちに、AIの書き方に影響されているのだ。

 米テネシー州メンフィス大学の認知心理学者ロジャー・クロイツ氏は、人々はAIが生成した文章に触れる時間が長くなったため、日常の話し言葉でも普段はあまり使わない単語を使う傾向が出ていることを、2026年8月の査読前の研究論文[https://arxiv.org/abs/2603.18161]に発表している。

 そのため、今回のピュー研究所[https://www.pewresearch.org/data-labs/2026/08/20/how-much-of-the-internet-is-written-with-ai/]の調査結果の見方も注意が必要だとも述べている。

 AIが書いたと見れる兆候が見つかったウェブページの中には、AIが書いたものではなく、チャットボットを日常的に使う人間が影響を受けたまま自分で書いたものも含まれている可能性があるというのだ。

 チャットボットとの短いやり取りの後でさえ、人々はAIのような言い回しを自分のものとして取り入れ始めるという研究結果もある。

 お気に入りの作家の小説をずっと読んでいると、知らず知らずのうちに自分の文章にその影響が表れるのと似たような感覚だ。

 自作した曲が、実際には過去に聞いたことがある曲とメロディーが似ていたりする現象にも近いかもしれない。

 AIが人間の好む言葉を学習して出力しているうちに、AIの文章を読んだ人間が影響を受けて似たようなフレーズを使っていくという、双方向のサイクルが生まれているのである。

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AIらしさ、人間らしさとは?

 言語は常に変化していくものだ。

 AI開発企業も特定の単語や記号を使いすぎる問題を修正しつつあり、最新のモデルではAI特有の言い回しや表現が減ってきているという。

 とは言えまだ完璧とは言えず、AIが人間を学習し、図らずも人間がAIを多用する以上、明確に見分けるのが難しくなってくるだろう。

 この研究は英語に限った話だが、個人的には、日本語の生成AIの場合、Not only構文(~だけでなく~だ)など、英語特有のフレーズを直訳した表現が多くみられるように感じる。

 動物は全て「彼ら」、「彼」に置き換えがちなのがGeminiで、「これ、それ」などの指示代名詞が多いのがClaudeやChatGPTだ。

 その他、どのAIも、「驚くべきことに」「重要なのは~という点だ」 、 「注目すべきは~」や 「具体的には」、 「浮き彫りにした」、「その鍵は~」、「決して~ではない」などを多用しているように感じる。

 Geminiは2024年から、Claudeは2026年8月以降、AIが生成した文章をコピーして貼り付けると、ウォーターマーク(透かし)が入るが、これは人間の目には見えないものだ。

 AIは文章も整うし、誤字脱字もないので、手を借りることに関しては問題ないと思うが、影響されやすい人は、AIの癖まで自分の文章の癖になってしまうとちょっと問題だね。

 そもそも自分がどんな文章を書いていたかすら、思い出せなくなるちょっとしたSFホラーな世界に突入してるじゃん。

References: How Much of the Internet Is Written With AI? | Pew Research Center[https://www.pewresearch.org/data-labs/2026/08/20/how-much-of-the-internet-is-written-with-ai/] / ChatGPT may be changing how you're writing[https://www.sfgate.com/tech/article/chatgpt-change-writing-22404681.php]

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