二十四節気の「大暑」を迎え、一年で最も暑さが厳しくなる時期に突入しました。
今週は40℃以上の「酷暑日」になる所が連日出ており、命にかかわるような暑さに見舞われています。
今回は、今の時期にやっていただきたいお弁当作りや作り置きに特化した食中毒対策をお伝えします。
夏場は「細菌性食中毒」に要注意
夏場は細菌性食中毒の患者数が大幅に増えるため、食品の管理に注意が必要です。
「細菌性食中毒」とは、食べ物に付着していた細菌が体内で増殖したり、細菌が食べ物の中で増える過程でできた毒素を食べたりすることで発症します。
例えば、肉の加熱が不十分であることで起こる腸管出血性大腸菌(O157、O111)や、カレーやシチューなどの煮込み料理を常温で長時間放置したことで引き起こされるウェルシュ菌などがあります。
食中毒を起こす細菌の多くは、30℃から40℃くらいの環境下で最も増殖スピードが速くなると言われています。細菌性食中毒の患者数のグラフを見てみると、気温も湿度も高くなり始める6月から患者数が増え始め、最も暑さが厳しくなる8月にピークを迎えます。
日々職場や学校に手作りのお弁当を持参している方、お子さんの夏休み期間中にご飯を作り置きされる親御さんも多くいらっしゃると思いますが、特に夏場は食品の管理に細心の注意を払う必要があります。
細菌性食中毒予防の三原則「つけない」「ふやさない」「やっつける」
細菌性食中毒対策には菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」の三原則があります。
調理前は必ず手洗いを徹底し、使用する食材はしっかりと洗ってから調理をしましょう。肉を切ったまな板やナイフで野菜を切らないことも、菌を「つけない」ための鉄則です。
さらに「ふやさない」努力も大切です。ナマモノや調理した料理を、常温で長時間置くことは厳禁です。作ったものは早めに食べて、作り置きする場合は冷めた時点で冷蔵庫に入れ、できるだけ早めに食べ切りましょう。
そして3つ目の「やっつける」。食中毒を引き起こす細菌の多くは、加熱することで死滅します。加熱時間は、食品の中心部を75℃で1分以上が目安です。
また、使った調理器具をすぐに洗うことも重要なポイントです。特に見落としがちなのが食器洗い用のスポンジです。汚れが付いたまま、びしょびしょの状態で置いていませんか?使用後はしっかりと汚れを洗い落とし、水気を切りましょう。
そして最後に一手間。スポンジを洗い終わった後は、再度洗剤を付けて置いておくと除菌になるためオススメです!
細菌をよせつけない!夏のお弁当作り7つの心得
さて、これら三原則に加えて、お弁当作りならではの具体的な食中毒防止策もお伝えします。
(1)トマトはヘタを取るべし
(2)卵は半熱NG!そのまま食べられるものも加熱すべし
(3)作り置きのおかずは必ず再加熱すべし
(4)汁気は切るべし
(5)使い捨てカップを活用するべし
(6)冷めてから詰めるべし
(7)保冷剤は弁当箱の上に置くべし
(1)トマトはヘタ付きの方がお弁当の見栄えとしてはおしゃれになりますが、食中毒対策としてはあまりおすすめしません。ヘタが付いたままだと、くぼみ部分に雑菌が残ってしまう可能性があります。
(2)(3)次にお弁当はとにかく加熱が鉄則です!
お弁当に入れる卵はしっかりと加熱し、半熟は避けましょう。意外とかまぼこやハムなどそのままでも食べられるものや、事前に作り置きしたおかずはそのまま入れてしまっているという方も少なくないのではないでしょうか。
一手間かかりますが、必ずお弁当に詰める前に再度加熱をしましょう。
(4)(5)汁気も細菌増殖のエサになります。できるだけ汁気は切り、詰める際は仕分けカップを活用しましょう。
エコで使いまわせるシリコン性のおかずカップもありますが、夏場は使い捨てがオススメです。使い回しのカップを使用する場合は、洗い残しがないか今一度確認し、水分をしっかりと拭き取った上でおかずを詰めましょう。
(6)(7)作り終わった後の行動も肝心です。お弁当は必ず冷めてから詰め、持ち歩く際は保冷剤や保冷バッグを活用しましょう。
保冷剤のベストポジションはお弁当箱の上です!冷たい空気は重く、下に落ちていくため、お弁当箱の上が最も効率よく冷えます。
食中毒防止食材 キーワードは「混ぜご飯」と「香辛料」?!
最後は、使う食材でできる「食中毒対策」です。
梅干しや青じそが食中毒対策になるというのはよく聞く話だと思いますが、実は触れている部分のみしか殺菌効果がないことはご存知でしたか?
そこでオススメなのが「混ぜご飯」です。
お米を炊くタイミングで炊飯ジャーにタネをとった梅干しを入れておくと、炊き上がったタイミングでご飯を混ぜてお弁当に詰めたり、おにぎりにしたりするだけで食中毒対策になります。
青じそも、おかずとの仕切りに使うだけでなく、これもまた混ぜご飯にするのがオススメです。青じそに含まれるペリアルデヒドという芳香性分には防腐作用に加えて、食欲増進効果もあります。
私のオススメの混ぜご飯は、刻んだ青じそとちりめんじゃこを入れた混ぜご飯です。食欲がわかないときでもさっぱりとして食べやすく、カルシウムも取れるのでおすすめです。
青じそは比較的にどんな食材にも合うのでいろんな組み合わせを楽しめると思います。
さらにご飯以外にもいろいろと使えるのが青じその良いところ。お肉にもよく合います。焼いた鶏肉に刻んだ青じそとポン酢で味付けすると、さっぱりしたメインのおかずができますし、つくねに刻んだ青じそを混ぜ込むのもとってもオススメです。
ぜひオリジナルの組み合わせをいろいろと試してみてください。
さらに食中毒防止対策になるのがワサビやカラシ・しょうが・カレー粉・豆板醤などの「香辛料」です。普段作っているおかずに少し足してあげることで殺菌効果が期待できます。
私は茹でたキャベツをマヨネーズ・醤油・カラシで和えたり、茹でたブロッコリーをマヨネーズとカレー粉で和えたりしておかずの1つにすることがよくあります。とても簡単なのでオススメです。おかずの定番・生姜焼きも夏のお弁当、作り置きにはもってこいのメニューです。
ぜひこの夏は、香辛料もうまく活用してお弁当作りや作り置きをしてみてください。
時間と手間をかけて作ったお弁当や作り置きを、時間が経ってもおいしく安全に食べられるよう心がけたいものです。お伝えした食中毒対策ができているか今一度振り返っていただき、ぜひ実践してみてください!
●吉積夏帆
毎日放送 気象予報士(南気象予報士事務所所属)。MBSラジオ「メッセンジャーあいはらのYouはこれから!Everyday」「松井愛のすこ~し愛して♡MORE」「森たけしのスカタンラジオ」に出演中。大学卒業後は味の素株式会社に入社し、営業職を務めた後、気象予報士に転身。防災士・健康気象アドバイザー・野菜ソムリエの資格も持つ。

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