名護市辺野古沖で研修旅行中の高校生らが乗った船が転覆し生徒1人と船長が死亡した事故を受け、文部科学省が全国調査を実施している。
 事故は3月に発生。
文科省は4月、各学校に「危機管理マニュアル」の点検や、教育基本法に基づく教育活動の確認を求める通知を出していた。その実施状況を調べるという。
 対象は全国の国公私立学校の他、その設置者である教育委員会や学校法人なども含む大がかりな調査だ。今月末までの回答を求め、後日結果を公表する。
 調査項目の柱は「校外活動の安全確保」「旅行・集団宿泊的行事の留意点」「適切な教育活動の実施」の三つ。
 安全確保について学校調査ではマニュアル改定の有無や、校外活動で船舶を利用したことがあるかどうか、保護者への十分な説明と児童生徒への事前の安全指導などを聞く。
 設置者には各学校へ安全確認の指導状況などを調査する内容になっている。
 修学旅行や部活の遠征など校外活動で生徒に死傷者が出る事故が相次いでおり、現況調査で安全確認の徹底を求めることは理解できる。
 一方、調査では修学旅行などでの教育活動について「教育基本法第14条2項などを踏まえた確認や見直しを行ったか」についても質問している。
 教育の政治的中立性についての確認・見直しを求めるものであり異例とも言える。
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 事故を巡っては、文科省が同志社国際高校の研修旅行について「偏った教育内容だった」との判断を示した。
 個別の教育活動の政治的中立性について、教育基本法違反と認定されるのは初めてだ。

 教育の政治的中立性とは何か。誰が判断するのか。
 教育基本法第14条は1項で「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」とも記す。
 辺野古の新基地建設などで政府の政策に反対する住民の意見を聞き、その現場に足を運ぶことは同項に基づく教育と言える。
 沖縄戦と戦後も続く基地問題を一体的に学ぶのは沖縄での平和学習の特徴だ。それを実践した同志社国際高の研修旅行がなぜ違反とされたのか。
 文科省が政治的中立性を判断すること自体「政治性」を帯びている。
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 文科省の判断以降、教育現場の萎縮は現に起きている。
 県外から沖縄への修学旅行で基地問題を学ぶカリキュラムを避けたり、県立学校の平和学習でも嘉手納基地を一望できる「道の駅かでな」を訪れる予定が中止になったりしている。
 今回の調査では、教委や学校法人など設置者側にも、管轄する全ての学校について「確認や見直しを行ったか」の確認を尋ねている。
 管理統制の波が教育現場に押し寄せているという懸念を抱く。
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