26年度の要求額から68億円、当初予算比では250億円増となる。
常態化していた補正予算での追加計上を当初予算に盛り込む政府方針や、高市早苗首相肝いりで人工知能(AI)開発などを支援する「強く豊かな日本」投資枠により一定の増額となった。一方で県が強く求めていた3千億円台は6年連続で割り込んだ。
「強く豊かな日本」投資枠では、人手不足のため需要に供給が追い付いていない食品製造、観光などの現場で自律的に動くロボットを導入するためのフィジカルAI開発者を県外から呼び込みつつ、県内の事業者育成を図るため新規に11億円を計上した。
沖縄科学技術大学院大学(OIST)などが開発を進める量子コンピューター技術を生かし、実際のビジネスに適用可能なケースを実証する事業に1億円を新規計上した。
これに対し県が使途を決められる自由度の高い「一括交付金」は783億円。前年度要求額からは5億円増えたがピーク時の半分以下にとどまる。
AIのような先端技術への投資も重要だが、県や市町村が連携し地域の実情に応じた事業を進める一括交付金の推進が地域経済に与える効果はより高い。今回の概算要求でも、こうした沖縄側の自主性の尊重が限られたものになったのは残念だ。
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県内経済界が主導する「GW(ゲートウェイ)2050プロジェクツ」は今回も概算要求の主要項目に挙がっている。軍用地跡地の先行取得に71億円、跡地利用の計画策定支援に6億円などだ。
2050年代に向け、那覇空港から返還が予定される米軍基地返還跡地の一体的な開発を目指す一大プロジェクトだが、県の関わりが見えにくい。県民の認知度も低い。
国はその点をどう考えているのか。説明があるべきだ。
沖縄予算の根拠でもある第6次沖縄振興計画(新・沖縄21世紀ビジョン基本計画)は本年度中間見直しが行われることになっており、県振興推進委員会が10月中にも見直し案をまとめる予定だ。
同委などの場を活用して国はGWの具体的説明を行い、県や地域との連携を深める必要がある。
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新基地建設に反対する翁長雄志氏の知事当選以降、沖縄予算の減額が目立っている。
折しも知事選のさなかだ。
本紙と琉球放送(RBC)の立候補予定者討論会で、古謝玄太、玉城デニー両氏は振興予算の増減について「基地行政を巡る知事の立場が影響しているか」との問いに、ともに「△」と答えた。沖縄の知事が置かれる難しい立場の反映だろう。
沖縄振興を巡る制度の在り方、一括計上方式といった特有の枠組みなどについて知事選でも論議を深めるべきだ。

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