メンバー発表からおよそ1ヶ月。試合を目前に控えた大関友翔選手は、胸の内にある素直な高揚感を明かした。「メンバー発表から1ヶ月ほど時間がありましたが、いよいよ始まるなというワクワクする気持ちが強いです」。聞き手を務めるのは、TBSスペシャルアンバサダーの二宮和也。サッカーという競技が持つ意味を、放送する立場から強い期待をもって語り掛ける。「サッカーはTBSの『アジア大会』中継初日の1発目の競技ということで。日本のサッカーには国際大会に強い印象がありますが…」。
そう問いかけられた大関選手は、日本代表の現在地を冷静に見据える。
これまで海外での国際大会を多く経験してきた大関選手にとって、自国での大舞台は初めての経験であり、大きなアドバンテージでもあるという。「たくさんの観客の皆さんが入ってくれるのはうれしいです。食事などの環境面でも日本で戦えることはコンディションを作る上でもとても重要だと思っています」。しかし同時に、アジアの中では「挑戦者」ではなく、「倒される側」としての重圧も背負うことになる。初戦にかける覚悟を大関選手は力強く口にした。
自身のプレースタイルを、大関選手はこう言い切る。「一言で言うなら、“点が取れるミッドフィルダー”です。フォワードではありませんが、ミッドフィルダーとしても点を取れるのが僕の強みですし、そこを目指しています」。攻守の両方が求められるポジションだが、特に期待されているのは攻撃面での結果だという。「自分のポジションは攻守どちらも求められますが、期待されているのは攻撃の部分でゴールやアシストを決めること。得意な攻撃やゴールはもちろん、特にスルーパスに注目してほしいです」。意外にも、チーム内での連係を前もってすり合わせる機会はまだ一度もないという(取材当時)。「監督も含め全員で集まるミーティングで、本番直前にすり合わせていきます。これまでの代表もそうやって乗り越えてきたので『もうやるしかない』という気持ちで臨んでいます」。
海外組を含む選手たちが顔を合わせるのも、大会本番が初めて。
そんな中、最大のライバルと見据えるのは宿敵・韓国だ。「今まで何度も悔しい思いをさせられてきているので、今回の『アジア大会』でもライバルになると思っています。韓国戦では、相手から『負けたくない』という気合の入った思いを感じて、僕たちもより一層負けたくないという思いになります。韓国に限らず、アジアの国々と戦うときは『日本を倒してやろう』という圧を感じます」。試合を目前に控え、二宮も高揚感を覗かせながら初戦について尋ねる。「やはり初戦は難しいですか。
チームの強い結束力も、今回の大きな強みだと大関選手は語る。ロサンゼルスオリンピック世代を軸に編成された今回のU-21代表はアジアの舞台で年上の世代にも勝っていかなければならない特別な世代だ。「これまでの大会を一緒に戦ってきたメンバーも多いので、とても仲が良くて、結束力はすごく高い。ロサンゼルスオリンピック世代がU-21代表なので、アジアではこの世代で年上にも勝っていかなければいけないと感じています」。早生まれの大関選手は、実はチーム最年長。年下が集まるチームの中では“お兄さん”的なポジションだという。「早生まれで1番年上なので、少し先輩ぶってやらせてもらっています(笑)」。
そんな大関選手に二宮さんが試合前のルーティーンについて尋ねると、意外な素顔が覗く場面も。「右足からスパイクを履く、ということだけは決めています。
「ロードオブメジャーの『心絵』という曲を絶対に聞きます。幼い頃に(『心絵』が主題歌の)アニメを見ていて大好きで」。また、チームを取り巻く大きなニュースもある。今大会の指揮を執る大岩剛監督は、大会後にA代表監督への就任が決まっている。若きミッドフィルダーにとって、この巡り合わせは大きな追い風になりそうだ。「自分にとっても、プラスの方が大きいと感じています」。
目標として掲げるのは、もちろん頂点だ。「チームとして優勝できるように頑張っていきたいです。ここ最近、日本は『アジア大会』の優勝から少し遠ざかっているので、リベンジじゃないですけど、先輩たちの悔しい思いも背負ってしっかり金メダルを取れるように頑張りたいと思います」。話題はピッチを離れ、オフの日の過ごし方へと広がった。
そう尋ねられると、大関選手が挙げたのはドラマ鑑賞だった。「家でドラマを見たりしています。日曜劇場『VIVANT』が好きです」。二宮が出演しているドラマの名前が飛び出し、声を弾ませながら、大関選手を気遣う場面も。「実は僕、出ているんですよ(笑)。嬉しいです!でもあんな難しいドラマを見ないで、ゆっくり休んでもらいたい(笑)」。「確かに」と笑顔で応じた大関選手は、オフの日の大切さについてこう続ける。「オンとオフを分けたいタイプで、オフの日はサッカーのことをあまり考えたくなくて。サッカーから離れてリセットして、『オフ明けから頑張ろう』という気持ちで過ごしています」。
続いて、大関選手が二宮への質問として挙げたのは、まさかの“好きな食べ物”について。そこで二宮が明かしたのは、意外なこだわりだった。「僕が好きな食べ物はとにかく早く出てきて、とにかく早く食べられるもの。同じものをずっと食べられる人で。もう10年ぐらい前ですが、休みの日は朝起きてずっとゲームをし続け、お昼に出前を注文して、届けてくれた人に『これと同じものを8時に持ってきて』と頼むような休みの日をずっと繰り返していました」。一方、大関選手の好きな食べ物はお寿司だという。「食べるのがとても遅くて、お腹いっぱいにならない。だから早く食べられる二宮さんが羨ましい」。対照的な食のペースに二宮も「遅く食べられるのがうらやましい」と返した。
大関選手の親しみやすい素顔を引き出しつつ、自身の意外な素顔ものぞかせた二宮。対談の最後には、放送初日を飾る若き代表へ改めて温かいエールが送られた。「TBSの『アジア大会』中継初日1発目の最初の競技です。ぜひ頑張っていただきたい。応援しています!」。日本代表を、“点も取れるミッドフィルダー”としてけん引する大関友翔選手。32年ぶりの自国開催の『アジア大会』で、金メダル獲得に挑む姿に注目したい。

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