■恐れずにチャレンジする子の親が「家」でやっていること
算数脳を育むために、子どもが4~6歳のときにしたいことは乳幼児期と基本的に同じです。
子どもの知的好奇心を伸ばすのに、脳科学視点で活用できるのが「単純接触効果」です。人というのは、何度も見たり聞いたりすることで、その対象に対する興味・関心が湧きやすくなるようになっています。恋愛関係において、近くにいる人のことを好きになりやすいのは、この効果が働いているからです。
もう一つ活用できるのが、その物事について少し知っていると、より興味・関心が湧きやすいという「流りゅう暢ちょう性効果」。白いチョウが飛んでいたときに、昆虫に興味がある人であれば「これはモンシロチョウか、スジグロシロチョウか?」「いやこの時期に、このエリアにいるということは……」と、目の前の情報を受け取るだけにとどまらず、より深い関心を寄せていくのはこの効果が働いているからです。車やアパレルなど、そのブランドを知っているかどうかでモノの見え方が変わるのも、この効果ですね。
これらの効果を使うことで、算数の「速さ」の単元への苦手意識を軽減させる工夫を家族のドライブ中にできたり、虫や魚など、自然体験への興味を引き出せたりするので、ぜひ覚えておいていただければと思います。
ちなみに、単純接触効果を生むのに、図鑑ではなく動画ではダメか?と質問をいただくことがありますが、脳科学的には、子どもが小さければ小さいほど生身の人間が直接教えるのがよいといわれています。愛着形成に役立つのはもちろん、ゲームやスマホなどは、音や光など得られる刺激が子どもにとっては強すぎることから〝やめづらくなる〞依存性が指摘されています。魚釣りや虫捕り、図鑑などの楽しさに触れる前に、デジタルの刺激に触れすぎると、知的好奇心を伸ばすのに有効な時間を退屈に感じてしまうおそれがあります。
最後に、最も重要なのは「褒める」こと。これまで述べてきたことを参考にたくさん褒めていただき、難題にも恐れずに挑むチャレンジ精神をこの時期に育みましょう。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。
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瀧 靖之(たき・やすゆき)
東北大学加齢医学研究所教授、医師
1970年生まれ。東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。東北大学加齢医学研究所臨床加齢医学研究分野教授。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長。早生まれの息子の父。脳科学者としてテレビ・ラジオ出演など多数。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社刊)など。
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(東北大学加齢医学研究所教授、医師 瀧 靖之 内野一郎、柴野 聰=構成)

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