※本稿は、北浜流一郎『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■なぜ反落した株に注目するのか
株式投資には様々な手法がある。一般的に多くの投資家が採用するのは、「強い銘柄に乗る」投資法になる。
しかし私が実践しているリバウンド投資法は、この一般的な投資法とは発想が少し異なる。株価の反落と反発に着目する手法であり、そこに高いパフォーマンスを生む意外な理由がある。
具体例で説明しよう。
いま株価1000円のA銘柄とB銘柄があるとする。業績はどちらも好調で、企業内容に大きな差はない。時価総額もほぼ同じ。
A銘柄は順調に上昇してきた銘柄で、現在も人気が高い。一方B銘柄は数日前まで1200円だったが、いまは1000円まで下げている。
普通の投資家なら、勢いのあるA銘柄に投資することを考えるだろう。上昇トレンドに乗る方が安全そうに見えるからである。
しかしリバウンド投資法では、むしろB銘柄に注目する。
その理由は単純である。
A銘柄は確かに強く、目先続伸する可能性もある。しかしすでに上昇を続けてきた銘柄は、利益確定売りが出やすい。勢いが続いたとしても、1~3日後には反落する可能性がある。
このような状況では、ここから20~25%も上昇する確率はそう高くない。それに対して、B銘柄は一度反落している。株価が調整したことで、短期資金の利益確定売りはかなり消化された可能性が高い。
新たな買い資金が入れば、株価は再び上昇しやすくなる。
■同じ1000円でも上昇余地が違う
つまり同じ1000円でも、上昇余地はA銘柄よりB銘柄の方が大きい可能性が高いのである。
もちろん、すべてが期待通りに上がるわけではない。戻り売りが出て株価が再び下落することもある。しかしそれは最初から計算に入っている。見込み違いの動きになった場合は、ためらわずに(ということは機械的に)撤退すればよい。
このように、
・反落銘柄を探す →・反発の兆しを確認する →・上昇に乗る →・違えばすぐ撤退する
というステップを繰り返すことで、銘柄との新たな付き合いが始まる。
この方法を継続すれば、年率20~25%、場合によっては30%以上という高いパフォーマンスも現実的な目標になる。
これがリバウンド投資法が高パフォーマンス獲得に有利といわれる理由である。
■資金300万円以下の投資家ほど資金が増えない
投資資金が3000万円以上にもなる場合、投資の基本はインデックスファンドやETF、大型優良企業株への投資となる。増配企業や安定成長企業を中心に、資産を長期で増やす方法である。
資金が大きくなるほど、資金を小回りよく動かす投資法は実行が難しい。
ところが、投資資金が10万円~300万円ほどの小資金の投資家の多くも、同じようにインデックスファンドやETF、さらには大型株投資を選びがちである。理由は簡単だ。
資金が少ないため、「少しでも減らしたくない」と安全性を重視してしまうからだ。
もちろんこの考え方は間違いではない。
しかし残念ながら、それでは資金はなかなか増えない。
■年率5~8%では資金は増えない
例えば世界株式指数に連動するオールカントリー型のファンドや、米国株指数の代表格であるS&P500に連動するETFでは、長期平均の上昇率は年率5%~8%程度。20年間の平均では6%台、30年では7%台が目安となる。
近年5年間に限れば、オールカントリー型ファンドは年率20%近い驚異的なパフォーマンスを記録している。S&P500もほぼ同水準で、19%台の利回りとなっている。
とはいえ、このような高いパフォーマンスが永続するとは考えにくい。むしろ近年は異例の好成績と見るべきであり、投資判断の基準は20年~30年の平均利回りに置くのが現実的である。
そう考えると、小資金の投資家が資金を大きく増やすには、別の方法が必要になる。
そこで頼りになるのがリバウンド投資法ということになる。
株価は常に上下動を繰り返している。下げ続ける銘柄は少なく、多くの銘柄は一定期間下げた後に反発する。この反発の局面を狙って投資するのがリバウンド投資。
■目指すのは年率20~25%
この手法なら、小資金でも短期間で10%、20%の利益を狙うことが可能になる。資金が10万円でも、20万円でも、成功を重ねれば資金は着実に、時々爆発的に増えていく。
資金が少ない投資家にとって最も重要なのは、「安全性」ではなく「資金を増やす力」である。
100万円が平均利回り7%なら10年後には196.7万円であり、元金が約2倍になることになるものの、10年かけてこれでは豊かな人生とはほど遠い。
そんなグレーな世界から、アナザースカイへ脱出するには、年率20~25%を目指すこと。
リバウンド投資法がそれをサポートしてくれる。
■自分独自の「投資武器」に育てる
株式投資の世界では、100人の投資家がいれば100通りの投資法があるといわれる。
これは誇張ではなく、実際その通りである。投資家の資金量、経験年数、性格、職歴、生活スタイルなどによって、選ぶ投資法は大きく変わるからだ。
小型株に特化する人もいれば、大型株中心の人もいる。成長株を追う人もいれば、割安株にこだわる人もいる。株式投資の世界は実に多彩であり、それぞれの手法で成功している投資家も存在する。
そのため「どの投資法が最も優れているのか」と問われても、正直なところ一概に答えることはできない。成功者が存在する以上、どれも一定の合理性を持っていると言えるからだ。
それでも私がリバウンド投資法を勧める理由は明確だ。第一に、私自身がこの方法で長く成果を上げてきたからであり、第二に、この手法が極めて実行しやすいからである。
株価は常に上下動を繰り返している。下げ続ける株もなければ、上げ続ける株もない。ある程度下げれば反発し、上げ過ぎれば反落する。
しかも株価の変動は、あらゆる分野で起こる。テーマ株でも、成長株でも、大型株でも同じだ。小型株でも。
決算発表、業務提携、M&A、政策テーマなど、どんな材料が出ても株価には必ず上下動、すなわちボラティリティが生まれる。そこにこそ利益を得る機会があることになる。
■シンプルな方が強い
したがって、複雑な投資理論の迷路に入り込む必要はない。株価の動きを素直に見て、「反転」と「反落」を確認する。それだけでよい。
買いの場合は、「どこで反転するのか」を見る。
売りの場合は、「どこで反落するのか」を見る。
たったこれだけの視点で投資は成立する。実にシンプルな手法である。
ところが不思議なことに、多くの投資家はこれを単純すぎると感じるのか、もっと複雑な方法や「魔法の公式」があるはずだと思い込んでしまう。
そして難解な投資理論や指標の沼にはまり、経験年数だけは長くても成果が上がらないという状況に陥りがちになる。
投資手法は複雑である必要はない。むしろシンプルな方が強い。重要なのは、そのシンプルな手法を自分の得意技として磨き上げること。これになる。
まずはリバウンド投資法を、自分独自の「投資武器」に育てる。これこそが、安定して利益を積み上げていくための最短の道になる。その行く手にFIREがあり、安心老後がある。
※本書では特定の銘柄・取引を推奨するものではございません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いいたします。売買で被られた損失に対し、著者・版元は何らの責任も持ちません。
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北浜 流一郎(きたはま・りゅういちろう)
株式アドバイザー
1943年鹿児島県生まれ。慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。FIRE歴40年超。出版印税で投資スタートも数週で大半溶かす。リバウンド株投資で大逆転。「週刊現代」「日経マネー」「東京スポーツ」「株式手帳」などの株式欄を執筆後、現在はラジオ日経「北浜の株式宅配便」、株式情報サイト「株探」の連載を担当。証券スクールオブビジネスで「稼げる投資家」育成中。著書『北浜流一郎の、株の匠108手』『「自分年金」はこの3つの銘柄で作りなさい!』他数十冊。「資本主義社会を生き抜く最強武器は株式投資」が信条。
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(株式アドバイザー 北浜 流一郎)

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