摂食機能発達に配慮した幼児食が意外と少ない――。

 7月31日、こう指摘するのは、和洋女子大学の柳沢幸江名誉教授。
「1歳から3歳まで乳歯は完全に20本生えそろわないため、食事がとても難しい。離乳食に関しては食べる機能に配慮した商品が出ているが、幼児食でもそのような配慮のあるお菓子がもっと開発されるといいと今回の研究で強く感じた」と続ける。

 今回の研究とは、1~2歳児約30人の菓子の食べ方を観察する研究。昨年6月、亀田製菓・カルビー・和洋女子大の三者共同で初めて実施された。

 午後のおやつで、「ハイハイン」(亀田製菓)1枚・開発米菓(亀田製菓)3枚・「1才からのサッポロポテト」(カルビー)5本・「べじふるりんぐ」(カルビー)5枚を提供し喫食の様子を柳沢教授がビデオ撮影した。喫食の順番は定めなかった。

 撮影内容を検証したところ、幼児は菓子の形状を見ながら食べ方を調整していることや、幼児は菓子の硬さを感じ取りながら咀嚼回数や食べ方を調整していることが判明した。

 柳沢教授は、複数まとめて口に入れる行動がみられなかった点に着目。「1つずつ口に入れる。2つを同時に口に入れることは1度もみられなかった」と語る。

 亀田製菓の伊藤彰お米総合研究所所長は「今回の共同研究では『ハイハイン』とより噛みごたえのある米菓を用いて幼児の食べ方を観察した結果、全ての幼児が手で持ち前歯で噛み取って食べること、また硬さの違いが咀嚼回数に影響することが確認された」との手応えを得る。

 同研究所の竹井亮マネージャーは「乳児から幼児への硬さのステップアップに注目した商品が多くないというのが重要。
サッと溶けるようなお菓子はあるが、噛むことを促進するような食品はあまりないと思われ、そこでのお菓子の意義はあると考えている」との見方を示す。

 その点、カルビーの「べじふるりんぐ」は幼児の歯固めやあごの発達を考えて開発された。
 同商品について、カルビーの中野真衣(まさえ)常務執行役員兼CTOは「お子さまの歯固めを望むお母さんのお声を受けて開発された、しっかり咀嚼することで歯固めに貢献できる商品。社会的意義がある商品だと考えた」と説明する。

 カルビーの石原克之研究開発本部商品開発支援部部長は、今回の研究成果について、サイズや硬さで気づきが得られたことを挙げ「サンプル数が増えた」と述べる。

 今回の共同研究は、亀田製菓・カルビーの協働プロジェクトの一環。
 同プロジェクトは、 両社が持つ商品開発力、生産技術、マーケティング、営業・販売のノウハウを集結して、商品企画と開発を中心に広く共通する課題解決と価値創造を行うもの。
 昨年は、「カルビーポテトチップス」(カルビー)と「ハッピーターン」(亀田製菓)で相互コラボを実施した。

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