ロッテ、視覚に頼らず触るだけで商品情報にアクセスできる「ココヨム」開発 アイデア無償開放して共創の輪を広げ社会実装目指す
ロッテの商品だけが便利でも真の課題解決には至らない。左からロッテの宮野啓治執行役員、ロッテ中央研究所の本村あかね研究情報戦略部パッケージ研究課インクルーシブデザインチームリーダー、ミライロの垣内俊哉代表
 ロッテは、視覚に頼らず触るだけで商品情報にアクセスできる仕組み「ココヨム」開発し、これを業界・業種の垣根を超えて他企業や団体に無償開放し共創の輪を広げることで社会実装を目指していく。

 パッケージ開発によって、人々から愛される会社でありたいという願いが込められているコーポレートメッセージ「お口の恋人」を体現していくことと、革新的なアイデアを生み出す原動力にしていくことが目的。


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ロッテの商品だけが便利でも真の課題解決には至らない。左からロッテの宮野啓治執行役員、ロッテ中央研究所の本村あかね研究情報戦略部パッケージ研究課インクルーシブデザインチームリーダー、ミライロの垣内俊哉代表 8月26日、発表会に臨んだ宮野啓治執行役員は「インクルーシブデザインの開発は社会課題の解決であると同時に企業価値を向上させる重要な経営戦略。我々はこの仕組みを囲い込むつもりは一切ない。お客様が売場に立ったときに、ロッテの商品だけが便利でも真の課題解決には至らず、他社様の素晴らしい商品にも『ココヨム』が導入されてこそ当事者の方々にとって本当の利便性向上につながる」と力を込める。

 想定ユーザーは、視覚障がい者や高齢者、ディスレクシア(誤字障害)の人。

 「ココヨム」の開発には、障がい者の視点を活かしたコンサルティングを手掛けるミライロが協力した。

 ミライロの垣内俊哉代表は「日本国内の視覚障がい者数は164万人と推計される。一方、身体障害者手帳保持者は約27万人で、大多数は手帳を持たない弱視の方々。加齢により視力低下しやすい65歳以上の高齢者は3622万人に上り、見えづらさというものは誰もがいつしか直面し得る課題」と指摘する。

 ミライロの協力を得てロッテが視覚障がい者にヒアリングを行ったところ「レトルトカレーを買ったつもりが、パウチを開封してご飯にかけて食べたところデザートの具だった」などの声が聞かれたという。

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「音声読み上げアプリ」で知りたい情報が書かれている面(ココヨム)を読み上げる
「音声読み上げアプリ」で知りたい情報が書かれている面(ココヨム)を読み上げる 視覚障がい者の間では、スマートフォンのカメラでテキストを音声で読み取る「音声読み上げアプリ」が広く普及。ただし、売場で商品を選択する上で重要となる賞味期限やアレルギーといった商品情報がどこに書かれているか分からないため、箱パッケージの場合、カメラを6面に全てにかざさなければならず、煩雑で時間の要する行為となる。


 「ココヨム」は、6面のうちどの面に知りたい情報が書かれているかを触ってわかる仕組みとなる。

 その仕組みは、パッケージに太さ1.4ミリの四角い溝加工(デボス罫線)を施しただけのもので、製造企業にとって既存の設備で新たなコストを発生させることなく導入可能となる。

 四角い溝加工の仕様を統一する目的で、商標を取得し特許を出願している。

 ロッテ中央研究所の本村あかね研究情報戦略部パッケージ研究課インクルーシブデザインチームリーダーは「四角い枠以外にさまざまな形が乱立すると、当事者が困ってしまうために特許を出願した。利用規約に同意いただくことで無償にてご利用いただける」と語る。

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左からロッテの宮野啓治執行役員、ロッテ中央研究所の本村あかね研究情報戦略部パッケージ研究課インクルーシブデザインチームリーダー、ミライロの垣内俊哉代表
左からロッテの宮野啓治執行役員、ロッテ中央研究所の本村あかね研究情報戦略部パッケージ研究課インクルーシブデザインチームリーダー、ミライロの垣内俊哉代表 「ココヨム」の開発にあたっては、二重線やマーク、エンボス加工なども検討。複雑な加工を避け普及しやすさに重きを置いた結果、四角い溝加工に辿り着いた。

 二次元コードには、商品ごとで異なる賞味期限までWebサイトに掲載できない。この課題に対応するため「ココヨム」では「パッケージ上に表示されている賞味期限を活かす形で、その付近に四角い溝を入れ、商品名やアレルギー情報も表示するのが、アイデアの肝」という。

 箱以外の袋(軟包材)での展開についても検討と技術的な検証を行っている。

 ロッテでは、「チョコパイ」や「プレミアムガーナ」などチョコレート・ビスケットの一部商品で9月以降順次、「ココヨム」の導入を開始する。

 食品・医薬品・日用品など業界・業種の垣根を超えて賛同を呼びかけ、2040年までに日本国内での「ココヨム」の定着化、2050年までにグローバルスタンダード化を目指していく。


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