箱根駅伝に向け、重要な強化の場となる夏合宿が始まった。夏合宿特集の第1弾は箱根路で悲願の初優勝を目指す国学院大。

山梨・富士河口湖町の西湖周辺で恒例の「選抜0次合宿」を実施。チームの今季目標は「箱根駅伝 総合優勝」、スローガンは「覚悟はいいか~想いの継承、そして頂点へ~」。主将の野中恒亨(ひろみち)、人気音楽グループ「ケツメイシ」のリーダー・大蔵を父に持つ吉田蔵之介(ともに4年)ら3人の副将を中心に覚悟の走り込みを重ねている。

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 夏に泥臭く走り込んだチームと選手が新春の箱根路で栄光をつかむことができる。箱根駅伝で24年5位、25年3位、26年2位。着実に順位を上げている国学院大は、夏合宿のスタートとして恒例の「選抜0次合宿」を行った。選手56人のうち参加は20人。前田康弘監督(48)は「競争心をあおることが狙い。選ばれた選手はプライドを持ち、外れた選手は悔しさを忘れずに夏の厳しい練習に臨んでほしい」と明かす。

 0次合宿の主な目的は心身の状態を引き上げること。そのため、チーム全体の練習は2回だけ。それ以外の個人練習で各選手は自主的に走り込んだ。

2年の主力の高石樹(いつき)、野田顕臣らは1日約60キロも走り込んだ。

 昨季の学生3大駅伝で国学院大は出雲駅伝を連覇、全日本大学駅伝で4位。箱根駅伝では従来の大会記録を更新したが、青学大に敗れ初優勝に届かなかった。悲願の箱根路初制覇を狙う今季、主将の野中を中心に3人の副将(いずれも4年)がチームを率いる。野中とともにダブルエースの辻原輝(ひかる)、箱根駅伝復路のスペシャリスト・吉田蔵之介、3年ぶりの箱根駅伝出走へ意気込む田中愛睦(あいむ)が野中主将をサポートする。「3人のお陰で僕は前に出なくてもいい。俯瞰(ふかん)して全体を見られます」と野中。理想のチーム、主将については「主将がいなくてもいいチーム」と語る。

 箱根駅伝コース沿道の神奈川・二宮町出身の辻原は、これまで地元の4区と7区で好走した。最後の箱根路に向けて「走りたい区間はやはり4区ですけど、走るべき区間は前田監督に任された区間です。2区と言われれば、もちろんいきます!」と元気よく話す。

 田中は1年時に箱根駅伝7区7位と健闘したが、2、3年時は登録メンバーから外れた。

田中自身、成長を続けているが、チームの成長がそれを上回った。「結局、僕の力不足でした。しかし、4年目は自信を持っています」と謙虚、かつ意欲的だ。

 吉田は1、2年時に復路で力走したが、前回は10区登録から当日交代で出番なしに終わった。「その悔しさがあったから強くなれたとプラスにしたい」と前向きだ。父は「ケツメイシ」のリーダー・大蔵。今季のチームスローガン「覚悟はいいか~想いの継承、そして頂点へ~」は、ケツメイシの名曲「覚悟はいいか」が由来のひとつになっている。「父のグループの歌ということを抜きにしても、僕がひかれる歌です。大事なレース前に聴いています」と恥ずかしそうにしながらも声を弾ませる。

 出雲は19年に学生3大駅伝を通じて初優勝し、計3勝。全日本も24年に勝った。残るタイトルはひとつだけ。

国学院大のランナーたちは、最も険しい箱根の頂点へアタックする覚悟を日々、固めながら汗を流している。(竹内 達朗)

 〇…国学院大の合宿には一昨年のエースで卒業後も母校を練習拠点としている平林清澄(23)=ロジスティード=も参加。今年2月の大阪で2時間6分14秒の自己ベスト記録で日本人トップの5位と健闘し、MGC(28年ロス五輪マラソン日本代表選考会)の出場権を獲得した。次戦は世界有数の高速レースとして知られるベルリン(9月27日)を予定している。「順調に練習を積めています。日本記録(2時間4分55秒、大迫傑)の更新が目標です」と意欲的に話した。

 【展望】

 昨季の箱根駅伝で上位5校の青学大、国学院大、順大、早大、中大が今季も戦力が充実。青学大は5区で区間新記録をマークした「シン・山の神」黒田朝日(現GMOインターネットグループ)が抜けたが、箱根路では圧倒的な強さを誇り、節目の10度目の優勝を目指す。国学院大は主将の野中、副将の辻原、前回の箱根5区4位の高石を中心に戦う。順大は前回の箱根メンバー9人が残る。早大は前回の箱根5区3位の工藤慎作(4年)、同4区区間賞の鈴木琉胤(るい、2年)らに増子陽太ら強力ルーキーが加入。中大は岡田開成(3年)らスピードランナーがそろう。

駅伝巧者の駒大、創価大も上位を狙える力を持つ。

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