◆第108回全国高校野球選手権大会第8日 ▽2回戦 拓大紅陵1―0佐賀商(12日・甲子園

 拓大紅陵(千葉)は佐賀商に完封勝ちし、準優勝した1992年以来34年ぶりの夏の白星。昨年7月に兄を亡くした木村駿吾内野手(3年)は安打を放ち、兄へささげる1勝となった。

 名門の校歌が34年ぶりに夏の甲子園に流れた。「9番・一塁」で出場した拓大紅陵・木村には特別な思いがあった。昨年7月、兄の晃誠さんが脳腫瘍のため、14年間の闘病生活を経て19歳で亡くなった。「ずっと野球が大好きでした」。同じ少年野球チームでプレーしていたが、兄は小学5年時に体が不自由になり引退。その後は弟の活躍を見守ることが支えだった。

 試合前、母・真知子さん(46)は晃誠さんを思い返し「体はなくなってしまったんですけど、魂は駿吾の一番そばで応援してくれているんじゃないかな」と語っていた。聖地に立った弟の姿を目にすると「本当に親孝行な息子だと思います」と涙。3回無死の第1打席で内野安打を放った木村は「お兄ちゃんが打たせてくれたんだと思います」。アルプスで見守った母と思いは同じだった。

 4回に奪った1点を2投手の完封リレーで守り切った。「本当に厳しいゲームでした。

投手陣が粘り強く投げてくれました」と坂巻展行監督(60)。3回戦では、22年の優勝校・仙台育英と対戦する。「次の試合もお兄ちゃんが見てくれていると思うので、一戦必勝で戦いたい」と木村。天国からのエールに、全力プレーで応え続ける。(木戸 裕也)

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