歌舞伎俳優の市川染五郎が9月の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」(9月2~26日)夜の部「一條大蔵譚」で勤める一條大蔵長成の特別ビジュアルが16日、初公開された。

 味わい深い義太夫狂言の名作。

平家全盛の御代に源氏に思いを寄せながらも「作り阿呆」として生きた一條大蔵長成の本心を描く一幕。染五郎が一條大蔵長成を初役で勤める。特別ビジュアルでは、平家方と内通する八剣勘解由の首を自ら鮮やかに討ち取り、その首を手にしながら再び阿呆の振りへと戻っていく一瞬を捉えている。凛々しく高貴な公家の姿と、世を偽る「作り阿呆」の劇的な二面性を持つ一條大蔵卿。「作り阿呆」の姿ゆえに際立つ内に秘めたドラマ性に、舞台への期待感が一層高まる。

 初代中村吉右衛門、2代目吉右衛門が得意とした演目。染五郎は「まだまだ自分なんか早いなと思っている。一方で、まだ早いですと言うのは、自分への甘えのように聞こえる。早いと思わずにはらをくくって、むしろ焦りを感じるくらいの気持ちで演じられたら」と気を引き締めている。

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