世界のごま需給は、白ごまが強弱材料の交錯する展開となる一方、黒ごまは高値圏が続いている。東アフリカやブラジルでは減産懸念が浮上しているものの、中国の豊富な在庫が相場の重しとなっている。
また、品質・安全面では農薬規制強化への警戒感が高まっている。写真はミャンマーの黒ごま栽培状況(26年6月上旬、商社提供)。

ごまは主産地がアフリカなどに偏在しており、天候や政情の影響を受けやすいことから、供給が不安定になりやすい。

白ごま相場は23年に$2,000前後まで上昇したが、その後はブラジルやパキスタンなどの増産を背景に需給が緩和し、25年末には$1,300台まで軟化した。現在は反動から持ち直し、食品用で$1,500前後の水準となっている。

世界最大の輸入国である中国の25年輸入量は約146万tと過去最高を大きく更新した。中国の港湾在庫は6月23日時点で36万8,000t(前年同時期32万t)と高水準を維持している。一方、輸入量は1~5月累計で58万6,651t(前年同期間 63万1,749t)と、過去最高を記録した前年を下回るものの、年間100万t超を見込むペースで推移しており、需要は引き続き安定している。

供給面では、「一部サプライヤーからタンザニアで例年比2~3割、モザンビークで3~5割程度の減産を見込む声が出ている」(商社筋)。

ブラジルでは相場下落を受けて作付け意欲が低下し、生産量は25年の40万t超から、26年は25万t程度まで減少するとの見方もある。商社筋は「東アフリカ産地の減産要因はあるものの、中国の在庫水準が高く、相場は大きく上昇も下落もしにくい状況」と見る。

〈黒ごまはパラグアイ・ボリビアは高値圏、ミャンマー産の供給不安は依然残る〉


一方、黒ごまは需給が引き締まった状態が続いている。
パラグアイ、ボリビアは$3,000超の高値圏にある。黒ごま相場はミャンマー産プレモンスーンクロップの出回りで一時的に軟化しているものの、メイン収穫期のモンスーンクロップの動向はなお不透明だ。内戦や物流停滞など国内情勢の不透明さもあり、供給不安は依然残る。

中国では補助金政策などを背景に黒ごまの自国生産拡大が進められている。また、インドなど主要生産国の動向も今後の需給を左右する要因となりそうだ。

金ごまはエジプト産への依存が高まっている。従来主力だったトルコ産は価格高騰により調達が難しくなっており、日本向け原料の大半をエジプト産が占める状況だ。そのため、エジプトで高温障害などが発生した場合の供給リスクが懸念されるほか、代替産地が限られることも課題となっている。

品質・安全面では残留農薬への対応が引き続き課題となっている。殺虫剤「クロルピリホス」の残留基準値について、現行の0.05ppmから一律基準の0.01ppmへの見直しが検討されており、業界関係者の警戒感が高まっている。ごま産地で使用されるケースも多い農薬であり、制度の行方が注視される。

白ごまは中国在庫が相場を左右する状況が続く一方、黒ごまや金ごまは供給面で不安要素を抱える。
加えて残留農薬規制見直しという課題に直面しており、原料調達を取り巻く環境は引き続き予断を許さない状況となっている。

〈大豆油糧日報2026年7月13日付〉
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