リクルートのSUUMOリサーチセンターが「50代・60代の住み替え実態調査」の結果を公表した。人生100年時代における50代・60代の住まい選びを明らかにする目的で調査を実施したもの。

親世代と子世代の認識ギャップなども浮き彫りになったという。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「50代・60代の住み替え実態調査」結果を公表/リクルート

親世代の「住まいに感じる不安」は持ち家の老朽化や将来の処分

この調査は、親世代「50~69歳で子世帯と同居していない自立した男女」と子世代「25~49歳で同居していない両親が持ち家に居住している男女」に、50代・60代の住み替えの実態について聞いている。ここでは、「今後の住まい・資金に関する意識」について調査した結果を中心に見ていきたい。

まず、50代・60代の親世代が「現在の住まいに感じる不安」を確認しておこう。上位3項目は以下のとおりだった。
1位:「住宅の老朽化に伴う、修繕費用の増加や管理の手間」(36.5%)
2位:「将来、この家をどうするか(相続・処分など)が決まっていないこと」(31.4%)
3位:「自身や配偶者の身体機能が低下した際の、階段の上り下りや段差」(29.5%)

上位には、老朽化する住宅の維持管理や住まなくなった持ち家をどうするかが挙がった。その一方で、50代・60代では住宅の住み替えや大規模リフォームなどの見直しをした人は少なく、81.7%が何もしていなかった。

親世代で「住まいや資金を積極的に子どもに残す派」は少数

子どものいる親世代に、「自分の死後の住まいについての考え方」について聞いたところ、最多は「特に強いこだわりはない」(30.0%)で、次いで「子どもの負担になるなら、できれば自分の代で整理したい」(24.5%)が多かった。一方、「子どもに引き継いでほしい」(4.4%)と「できれば子どもに住んでほしい」(7.3%)を合わせても1割程度にしか過ぎなかった。

50代・60代の住まい、老朽化や将来の処分などに不安も「何もしていない」が8割超。子世代とは相続の意識差も

出典:リクルート「50代・60代の住み替え実態調査」

さらに、親世代に「資金の使い道」を尋ねると、半数近くが「基本は自分のために使い、余った分だけ残せればよい」(46.6%)と回答した。男女を比べてみると、男性のほうが「自分の老後の楽しみや経験のために、できるだけ使い切りたい」が多く、女性のほうが「基本は自分のために使い、余った分だけ残せればよい」が多い、といった違いも見られた。

また、一定数が「自分の生活はぜいたくにしすぎず、一定額を子どもや孫に資産として残したい」(24.2%)と回答している。

50代・60代の住まい、老朽化や将来の処分などに不安も「何もしていない」が8割超。子世代とは相続の意識差も

出典:リクルート「50代・60代の住み替え実態調査」

子世代も「資産を残してほしい派」は1割未満の少数

では、子世代は親世代の住まいや資金などの資産について、どう思っているのだろう?
「基本は親のために資金を使い、余った分だけ残してくれればよい」(48.6%)が最多で、親世代で最多だった「基本は自分のために使い、余った分だけ残せればよい」(46.6%)と同じように“余った分だけ派”が多いことが分かった。

一方、親世代では “使い切り派”は1割程度だったが、子世代では「親の老後の楽しみや経験のためであれば、資金は使ってほしい」(29.8%)が約3割に達した。

また、“残してほしい派”は7.4%と少数だった。

50代・60代の住まい、老朽化や将来の処分などに不安も「何もしていない」が8割超。子世代とは相続の意識差も

出典:リクルート「50代・60代の住み替え実態調査」

親世代の住み替えや建て替え、大規模リフォーム

さて、親世代が現状の住まいの住み替えや建て替え、大規模リフォームなどの見直しをすることについて、子ども世代はどう思っているのだろうか? 住み替え、建て替え、大規模リフォームいずれの場合も「どちらともいえない」が最多だった。

50代・60代の住まい、老朽化や将来の処分などに不安も「何もしていない」が8割超。子世代とは相続の意識差も

出典:リクルート「50代・60代の住み替え実態調査」

賛成や反対の理由は分からないので筆者の推測になるが、「住み替え」で賛成が多いのは、子どもの住まいの近くや駅の近くなど、より便利な場所に移ることができるからかもしれない。また、状況に応じて、バリアフリーや耐震・省エネ性の向上、家事負担軽減の設備などに更新できる「大規模リフォーム」については、安心安全のためと思われるが、賛成が反対より多い。

一方、子どもが住み継ぐ場合は「建て替え」も有力な選択肢になるが、そもそも“残してほしい派”は少数なので、建て替えでは反対が賛成より多いという結果になったと考えられる。

高齢化や家余りにより、「空き家の増加」が社会的な課題となっている。空き家が生まれる大きな要因が、親の死亡後にだれも住まなくなることだ。かつては「家を子どもに残したい」と考える親も多かったが、今の50代・60代で「残したい派」は少数だし、子ども世代も「残してほしい派」は少数だ。

とはいえ、50代・60代なら相続までにまだまだ時間がある。暮らしやすいように、住み替えやリフォームなどの見直しを行うタイミングでもあるので、積極的に検討してほしいと思う。その際には、40年後・50年後にどう処分するのかも視野に入れ、親子でよく話し合うことをオススメしたい。

●関連サイト
リクルート「50代・60代の住み替え実態調査」

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