「FIFAは150億ドルで笑い、ファンは失望」 米誌が202...の画像はこちら >>

FIFAのインファンティーノ会長 photo/Getty Images

拡大路線、水分補給タイム、政治介入……

2026年ワールドカップは観客動員や収益、テレビ視聴者数などで過去最高を更新し、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「史上最高の大会」と胸を張った。しかし、米スポーツ誌『Sports Illustrated』は「2026年ワールドカップは成功だったのか、それとも失敗だったのか」と題した特集を掲載し、商業化が加速した今大会に厳しい評価を下している。



同誌は大会を「48カ国制」「開催都市」「試合内容」「ルール変更」「大会を巡る論争」の5項目に分けて採点。その結果、「成功」と評価したのは開催都市と試合内容の2項目のみで、48カ国への拡大、水分補給タイム、そして大会運営をめぐる数々の騒動については「失敗」と結論づけた。

48カ国制については、より多くの国に出場機会を与えた点は評価しつつも、グループリーグ全体のレベル低下や「死の組」が消滅したこと、3位通過制度によって緊張感が薄れたことを問題視。「すべてのチームが高いレベルだった」というインファンティーノ会長の発言にも疑問を投げかけ、試合数増加の最大の目的は競技性ではなく収益拡大だったとの見方を示している。

また、今大会で大きな議論となった3分間の水分補給タイムについても厳しく批判。空調設備の整ったスタジアムでも一律に実施され、放送局が追加CMを流す時間として活用されたことから、「選手保護ではなく広告のためだった」とするラ・リーガのハビエル・テバス会長の批判を紹介。UEFAもEURO2028やチャンピオンズリーグでは同様の運用を行わない方針だという。

さらに、大会期間中の論争にも言及。イラン代表のビザ問題やフォラリン・バログンの出場停止処分を巡る騒動、そしてドナルド・トランプ米大統領が優勝トロフィー授与後も壇上に残り続けたシーンなどを挙げ、「競技以外の話題が大会を何度も支配した」と指摘した。

一方で、開催都市の雰囲気やスタジアム、そしてリオネル・メッシやキリアン・ムバッペ、アーリング・ハーランドらスター選手たちが演じたハイレベルな試合については高く評価。とはいえ同誌は、「史上最大の大会ではあったが、必ずしも史上最高ではなかった」と総括した。

過去最高の150億ドル(約2兆4300億円)に達した莫大な収益は確かに成功を示している。
しかし、その成功はフットボールそのものではなく、FIFAのビジネスモデルをさらに拡大させた結果だったのではないか――。そんな問いを投げかける総括となっている。

編集部おすすめ