レアル・マドリードで存在感を増すモウリーニョ photo/Getty Images
レアル・マドリードの中心に
レアル・マドリードの新体制では、ジョゼ・モウリーニョの存在感が日に日に大きくなっている。就任前にクラブへ求めた「補強への発言権」と「スポーツ部門における序列の尊重」という2つの条件は、ここまで着実に実現しているようだ。
モウリーニョは周囲の意見を聞き、スタッフやクラブ幹部と相談しながらチーム作りを進めている。ただし、最終的な判断を下すのはあくまで自分。補強だけでなく、トップチームの構成や若手の起用、日々のトレーニングに至るまで、ポルトガル人指揮官が細部まで目を配っている。
補強では、5月末の段階ですでに必要なポジションと求める選手像をクラブへ伝えていた。具体的な選手名ではなく、各ポジションを2人ずつ揃えることを重視したプロフィールを提示し、クラブもその方針に沿って戦力を整備してきた。
マンチェスター・シティ所属のMFロドリの獲得には失敗したものの、モウリーニョはクラブが補強に費やした努力そのものを評価しているという。さらに、FWヴィニシウス・ジュニオールの契約延長やMFティアゴ・ピタルチのトップチーム残留など、指揮官の意向が反映された案件もある。最終決定権は当然ながらクラブ上層部にあるものの、現場の監督として大きな影響力を持っていることは間違いない。
その影響は若手にも及んでいる。バルデベバスでは、カンテラの選手たちの間で「モウリーニョがどう判断するか」という言葉が頻繁に聞かれるという。モウリーニョは単に練習参加者を増やすために若手を呼ぶのではなく、自ら映像や報告書を確認したうえで、必要だと判断した選手をトップチームへ引き上げている。
実際、プレシーズンではDFジョアン・マルティネスやDFマリオ・リバスらがチャンスを与えられ、指揮官から高い評価を受けている。若手にとっては、結果を残せばトップチームへの道が開かれる環境になっている。
そして、最も強烈に変化しているのがトレーニングだ。モウリーニョ体制では二部練習が目立ち、フィジカル面の強化が大きなテーマになっている。これまでチームを支えてきたアントニオ・ピントゥスに加え、モウリーニョとともに加入したアントニオ・ディアスもフィジカル面を担当。2人が選手たちを徹底的に鍛え上げている。
戦術練習も当然行われているものの、プレシーズン序盤では特にフィジカル面への負荷が目立つ。栄養管理、リカバリー、時間厳守、チームでの食事など、ピッチ外のルールまで含めて新たな秩序が作られている。
モウリーニョはすべてを一人で決めているわけではない。スタッフの意見にも耳を傾け、周囲を信頼して仕事を任せている。それでも、重要な場面では自ら判断を下す。その姿勢こそが、現在のレアル・マドリードにおける「モウリーニョ体制」の特徴と言えそうだ。
新生レアル・マドリードは、まさに「モウリーニョを中心に回るチーム」へと変わりつつある。

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