作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。8月30日(日)の放送は「村上RADIO~ひと味違う楽器でほっこりとジャズを~」をオンエア。

今回の放送では、普段のジャズシーンではあまり使われることのない珍しい楽器や、クラシック、民族音楽でおなじみの楽器を取り入れたユニークなジャズミュージックをお届けしました。ブズーキやバグパイプ、二胡(にこ)といった珍しい楽器から、ウクレレ、チューバ、オーボエ、チェロまで、多彩な楽器が奏でる味わい深いジャズの魅力をお届けしました。鍵盤付きヴァイブラフォンとも言うべき珍品楽器「ヴァイボリーズ」をフィーチャーした幻の音源や、名手ジョン・コルトレーンと16歳のチューバ奏者による熱いセッションなど、村上さんこだわりのアナログ盤音源も多数オンエア。

この記事では、前半1曲について語ったパートを紹介します。

村上春樹、長編小説の執筆中もラジオを欠かさず続けてきた理由と...の画像はこちら >>

「村上RADIO」



こんばんは、村上春樹です。村上RADIO、今夜は「ひと味違う楽器でほっこりとジャズを」というタイトルでお送りします。
普段あまり使われることのない楽器でジャズを演奏する人たちを取り上げます。世の中にはいろんな楽器があるもんだなあと、感心しちゃいます。残念ながら僕は何ひとつ満足に演奏できませんが。しかし「ひと味違う楽器」でジャズを演奏すると、なんか不思議に音楽がほっこりしちゃうんです。どうしてだろう? うちにあるそんな「ほっこり系音盤」を集めてみました。どんなものか、ちょっと耳を傾けてみてください。


<オープニング曲>
Donald Fagen「Madison Time」


東京都の58歳男性の方からメールをいただきました。お名前は「男の美学」となっています。なかなか気合いの入ったラジオネームですね。

「いつも楽しく聴いています。番組が始まった当初は、長編小説の執筆に入ったら、番組は終わっちゃうのかな、と心配していたのですが、そんなこともなく7年以上も続いており、嬉しい限りです。今夜もラジオ楽しみにしています」

ありがとうございます。そうか、考えてみれば、この番組はもう7年も続いているんですね。知らないうちに月日が経ってしまいました。
はい、長編小説を書きながらも、この番組は欠かさず続けてきました。というか、番組をちゃんとやっているほうが、気分転換になっていいんです。外の世界とつながっているんだ、という実感が湧いてきますから。
つながっていますよね? つながりましょう。


Phil Woods featuring Iordanis Tsomidis「Zorba The Greek」

ひと味違う楽器、まずはブズーキから行きます。ブズーキはご存じですか? マンドリンに似た形をしたギリシャの民族楽器です。独特の音色を持っているので、ちょっとお聴きになれば、「ああ、あれか」とお分かりになるのではないでしょうか?
1960年代に『日曜はダメよ』とか『その男ゾルバ』といった、ギリシャを舞台にした優れた映画が公開され、そのどちらも、主題歌にはブズーキが印象的にフィーチャーされていました。
ジャズでブズーキが使われたことはまずないのですが、アルトサックス奏者、フィル・ウッズが、イオルダニス・ツォミディスさんというブズーキ奏者を迎えて『Greek Cooking』というアルバムを1967年に制作しています。曲はおなじみ『その男ゾルバ』のテーマです。Zorba The Greek、インパルス・レコード、アナログ盤でおかけします。

<番組概要>
番組名:村上RADIO~ひと味違う楽器でほっこりとジャズを~
放送日時:8月30日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
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