「連邦政府が財務省の債務再編を余儀なくされるのではないかと心配している。私の基本シナリオは『長期金利が影響を無視しがたい水準に達するまで上昇し続ける』。

私は約6%前後になると考える。6%まで上昇すれば、金利費用が2兆ドルを超える方向であることに気づくだろう。債務の再編の概念が始まるかもしれない」(ジェフリー・ガンドラック)


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負債が大きすぎて大幅な利上げはできず、中央銀行ができることは何もない?

 1987年から2006年にかけて、4人の大統領の下で18年間にわたり在任した米連邦準備制度理事会(FRB)の伝説的人物であるアラン・グリーンスパンが死去した。


 筆者のグリーンスパン氏時代の思い出は、グリーンスパン氏が「マエストロ」と呼ばれるようになって、米国債市場は本当につまらない(動かない)市場になってしまったことだ。グリーンスパン氏の後始末戦略の後遺症を、市場はいまだに引きずっている。


 グリーンスパンの「後始末戦略」とは?


 事前介入の否定:バブルの発生を事前に察知して引き締めを行うのではなく、バブルをある程度放置・進行させる手法。


 崩壊時の緩和:バブルが崩壊した際には、経済へのダメージを最小限に抑えるために、思い切った金融緩和(金利の引き下げや大量の資金供給)を実施して相殺する。


 なぜ問題視されているのか


 モラルハザードの誘発:「市場が暴落しても中央銀行が必ず助けてくれる(グリーンスパン・プット)」という期待を市場に植え付けた。


 バブルの肥大化:この戦略の成功体験により、中央銀行は資産価格と負債を過剰に膨らませ続け、結果として今日の「スーパーバブル」の引き金となった。


 後始末の限界:グリーンスパン氏が始めたこの戦略の後始末(積み上がった債務やインフレの処理)に、その後の歴代FRB議長や各国の中央銀行が追われ続けている。


 グリーンスパン氏は「資産バブルのA級戦犯」だ。グリーンスパン氏以降の中央銀行がバブルそのものを抑制せず、崩壊後に過剰な金融緩和で強引に穴埋めしてきたゆがみが、現在の「史上最大のバブル」と「制御不能なインフレ」を招いた。


「通貨の破壊は必ず社会的な混乱を引き起こす。

なぜなら、生産に携わる人々は通常、貯蓄を自国通貨で保有しているからだ。しかし、自国通貨が破壊されると、彼らが生涯をかけて築き上げてきたものの大部分も失われてしまう。インフレは文明社会の根幹を揺るがす」


(エドワード・ダウト)


 通貨インフレは、暴力、革命、そして市民社会そのものの転覆につながる。


「連邦政府が財務省の債務再編を余儀なくされるのではないかと心配している。私の基本シナリオは、長期金利が影響を無視しがたい水準に達するまで上昇し続けるというものだ。そして私はそれが約6%前後になると考えている。長期金利が約6%まで上昇すれば、人々は計算を始め、この金利費用が2兆ドルを超える方向に向かっていることに気づき始めるだろう。これは耐えがたいものだ。そこで債務の再編の概念が始まるかもしれない。つまり、ソフトデフォルトを行い、クーポンレートを履行しないのだ。そうなると、数世代にわたって資金を借りることができなくなるだろう。なぜなら、これらの長期債の価格が崩壊し、誰も長期債を発行するのを信頼しないからだ。

しかし、これは皮肉にも解決策の一部になるだろう。なぜなら、国債(債務)を発行できなければ、実際に予算の均衡を取らざるを得ないからだ。そして、それが本当のところ、我々がすべきことだ」


(ジェフリー・ガンドラック)


 米国はもういくつか戦争をやって借金だらけになり、最後の最後は1年物の米国債が10年国債に変わる債務再編成の可能性がある。昔のブラジル方式だ。米国債の現在価値は急落し、オーバーナイト金利は急騰する。それが米国の帝国としての終わりとなるだろう。ローマ帝国も英国も、帝国の終わりは借金だ。


 インフレが問題になっていても、負債が大きすぎて大幅な利上げ(インフレ・ファイト)はできず、中央銀行ができることは何もない。しかし、彼らは、市場を落ち着かせるために、かなりのショーを行っている。それは、タイタニック号が沈むときのオーケストラの演奏を少しだけ思い出させる。


 バブルは国家や中央銀行が人為的につくったものである。株高は企業の成長だけで上がっているのではなく、通貨の価値が下がっている(購買力が落ちている)ことに対する調整だ。

世の中のお金(紙幣)の量が増えれば、実質的な価値は変わらなくても、お金で測るモノや株の値段は自動的に上がる。


ドル円(月足)
米国の長期金利が6%まで上がれば何が起きるか!?
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日経平均CFD(月足)
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イスタンブール100指数(月足)
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 無限の流動性を持つ中央銀行による国家管理相場で株式市場の法則そのものを無法化してしまった現在、下げ相場を知らない今の市場参加者には無駄な助言となるだろうが、少数派のベテラン市場関係者(グランサム、バフェット、ダリオなど)は、1989年の日経平均株価や1929年の大恐慌よりもスケールの大きな歴史的市場リスクを警告し続けている。


 エブリシング・バブルで相場は楽観に満ちているが、結局、「相場はタイミングが全て」である。3年連続で10%のリターンを得た後、たった10%のドローダウンで年平均複利成長率は50%も低下する。


 さらに、その後、必要な平均収益率を回復するためには、30%のリターンが必要となる。「平均」と「実質」のリターンには大きな差がある。損失の影響は、年率換算したお金の「複利効果」を吹き飛ばしてしまうのである。


6月24日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」

 6月24日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、今中能夫さん(楽天証券経済研究所 チーフアナリスト)をゲストにお招きして、「裾野が広がるデータセンター関連銘柄」をテーマに、相場の先行きを今中さんに聞いてみました。ぜひ、ご視聴ください。


米国の長期金利が6%まで上がれば何が起きるか!?
出所: YouTube

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  ラジオNIKKEIの番組ホームページ から出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。


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6月24日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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(石原 順)

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