日経平均株価が7万円を突破する過程で生じた二極化相場。中には、高成長しているにもかかわらずPERが低く配当利回りが高い銘柄も散見されます。

こうした一見魅力的に見える銘柄への投資をどのように考えればよいでしょうか。


「高配当なのに割安」は罠か、お宝か?放置されるワケを正しく見...の画像はこちら >>

高成長なのに割安な銘柄が目立つ

 日経平均株価が7万円を突破したとき、「株価が上昇した!」という実感があまり湧かなかった個人投資家の方も多いと思います。


 それもそのはず、日経平均株価の上昇をけん引したのは、日経平均株価への影響度が高い一握りの銘柄が中心であり、「その他大勢」の銘柄の中には逆に値下がりするものも少なくなかったからです。


 その結果、毎年売り上げも利益も大きく増加しているにもかかわらず、株価収益率(PER)が10倍割れ、配当利回りが4%を超えているといった、ぱっと見、明らかに割安に感じるような銘柄も目立っています。


 では、このような銘柄を手放しで喜んで買いに行っても問題ないのでしょうか?


「割安」には必ず理由がある

 特に初心者~中級者に多い考えとして「この銘柄は割安だから買おう!」というものがあります。しかし、ここに大きな落とし穴があります。


 冷静になって考えてみてください。「なぜ個人投資家レベルでも割安と感じる状態でこの銘柄が放置されているのか?」と。


 株式市場のプレーヤーは個人投資家だけではなく、外国人投資家や機関投資家といったいわゆるプロ投資家もいます。もし本当に割安な状況なのであれば、プロ投資家は喜んでその銘柄を買うはずです。


 ということは、私たち個人投資家が割安と感じる銘柄は、実は「割安に見える」だけであり、割安に見える何かしらの理由があるのです。


 毎年、増収増益が続いていて、かつPERも低く配当利回りも高い銘柄が、その状態で放置されている最大の理由は「今後、業績が悪化するリスクが他の銘柄より高い」と思われているからです。


 このような銘柄が多い例としては、不動産業が挙げられます。不動産業は不動産マーケット次第で業績が大きく動きます。

そのため、会社が予想しているような順調な増収増益の状態が予想通り続くかどうかは不透明です。


 株式市場では、将来が不透明な銘柄は投資リスクが高いとされます。そのため、高リスクであることが高成長なのに「低PER・高配当利回り」という形で表れているとみておくべきなのです。


「リスクがある=投資してはいけない」わけではない

 では、リスクが高いのであれば投資すべきではないのでしょうか? 決してそうではありません。


 リスクが高いということは、リターン狙いが裏目に出る可能性が高いことは確かですが、リスクを取りに行くことで大きなリターンが得られる可能性もあるからです。


 例えば毎年20~30%ほどの増収増益が続いていて、当期の予想1株当たり利益(EPS)500円、1株当たり予想配当金20円、株価4,000円の銘柄があるとします。PERは8倍、配当利回りは0.5%です。


 仮にこの銘柄への評価が高まらずPER8倍のままであったとしても、EPSが1,000円になれば、株価は以下のようになります


1,000円×8倍=8,000円


 このような、PERで見て低評価な状態のまま、業績が伸び続けて株価が上昇するケースはよく見受けられます。


 そして、今後この銘柄の割安度が認識され再評価されて、PERが20倍にまで上昇することになれば、株価は以下のようになります


株価=1,000円×20倍=2万円


 この現象は実際に、商社株において生じています。もともと商社株はPER6~7倍が当たり前でしたが、業績の伸びと評価の高まりによるPERのアップによって、株価がここ数年で大きく上昇しました。


割安に見える成長株への具体的な投資手法は?

 一方で、割安な成長株に見えていても、投資家が抱くリスク(業績の悪化)が顕在化して、株価が大きく下落してしまう銘柄もあります。


 そのため、割安に見える成長株への投資は大きな損失を被る可能性が高く、それを避けるようなルール設定が望まれます。


 例えば筆者であれば、いつもと同じ話になりますが、割安に見える成長株を投資候補銘柄としてピックアップした上で、株価のトレンドに沿って売買します。


 どんなに好業績が見込まれていても、移動平均線を割り込んでいる間は買わず、移動平均線を超えたら買うようにします。そして買った後も移動平均線を割り込んだら売却します。


 割安に見える成長株は、バイ・アンド・ホールドだとリスクがかなり高くなります。上記のような売買ルールを守ることにより、大きな利益を得る機会を獲得しつつ、大きな損失を被る危険性を回避することが無難な投資手法だと思います。


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(足立 武志)

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