2026年上半期、日経平均は約35%上昇し、資産が想定以上に増えた方も多いのではないでしょうか。相場が良く気持ちに余裕がある今こそ、家計と資産を落ち着いて点検する好機です。

下半期のスタートに当たり、五つのチェックポイントで棚卸ししてみてはいかがでしょうか。


2026年も下半期に突入!「夏枯れ相場」前に見直したい家計と...の画像はこちら >>

 2026年の上半期、日経平均株価は1月5日の終値5万1,832円から6月30日の終値7万0,062円まで、約35%もの上昇を記録しました。投資信託などでコツコツと資産形成を続けてきた方の中には、資産が想定以上のスピードで増え、驚いている方も多いのではないでしょうか。


 一方で、6月末には1日で3,000円を超える急落を記録するなど、値動きの荒さ(ボラティリティ)も目立ち始めています。相場が好調なときほど家計や資産の点検は後回しになりがちです。しかし、下半期に入り、資産が増えて心に余裕がある「今」こそ、落ち着いてお金の「棚卸し」をする絶好のタイミングといえます。


 今回は、株高の今こそ確認しておきたい五つのチェックポイントを整理してご紹介します。


チェック1:資産全体の「現在地」を把握する

 まずは、預貯金、投資信託、株式、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、企業型DC(確定拠出年金)など、ご自身が保有する金融資産の「時価」を一覧に書き出してみましょう。


 ここでの重要なポイントは、株高によって「リスク資産の比率が、知らないうちに上がっている可能性がある」ということです。


 例えば、年初に「預金500万円・株式投資信託500万円(比率50:50)」だったとします。仮に投資信託が上半期の日経平均並みに35%上昇していたとすると、現在は「預金500万円・投資信託675万円」となり、比率は約43:57に変化しています。


 これはあくまで単純化した試算ですが、自分では何もしていなくても、資産配分は相場によって勝手に変化していくのです。まずは「今、リスク資産が金融資産全体の何%を占めているか」を数字で客観視することが、全ての見直しの出発点となります。


チェック2:家計の収支と物価上昇の影響を確認する

 総務省の消費者物価指数によると、生鮮食品を除く総合指数は前年比1.4%ほどと落ち着きつつあるものの、引き続き、家計へ影響を及ぼしています。


※総務省「2020年基準 消費者物価指数」2026年5月分


 支出を見直そうとすると、つい食費などの変動費を切り詰めようとしがちですが、優先してメスを入れるべきは「固定費」です。通信費、保険料、利用していないサブスクリプションサービスなどは、一度見直してしまえばその節約効果が毎月継続します。日々の我慢に頼る節約よりも、ストレスなく続けやすい方法から手をつけていくようにしましょう。


チェック3:今年の非課税枠の使用状況を確認する

 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」「成長投資枠」を今年どこまで使ったか。そして、iDeCoの拠出額は現在の家計に見合った水準になっているか。この機会に確認しておきましょう。年の後半で積立額を調整する余地があるかどうかは、残りの非課税枠を正確に把握して初めて判断できます。


 ただし、「非課税枠を使い切ること」自体が目的になっていないかには注意が必要です。非課税制度は資産形成のための手段にすぎません。無理な入金で手元資金がカツカツになってしまい、いわゆる「NISA貧乏」になってしまっては本末転倒です。


チェック4:3~5年以内に使うお金を「色分け」する

 教育費、住宅購入の頭金、車の買い替え費用など、おおむね3~5年以内に使い道が決まっているお金が、投資信託などのリスク資産に紛れ込んでいないでしょうか。


 株価が大きく上昇した後は、反動で下落するリスクも当然高まります。使う時期が近いお金まで値動きのある資産に置いたままだと、いざ必要になったタイミングで元本割れを起こしている可能性も考えられます。


「近い将来使うお金」と「当面使わず、じっくり育てるお金」を明確に分けて管理すること。

これが、どんな相場環境でも安心して投資を続けるための強固な土台となります。


チェック5:計画とのズレを確認し、必要なら配分を戻す

 最後に、年初(あるいは投資を始めたとき)に決めた「目標の資産配分」と、チェック1で確認した「現状の配分」を見比べてみましょう。


 もし株式などのリスク資産の比率が想定以上に膨らんでいれば、今後の積み立て配分を変更したり、値上がりした資産を一部売却したりして、元の比率に近づける「リバランス」を検討すべき場面かもしれません。


「何のためにお金を増やしているのか」を振り返ろう

 2026年下半期に向けた棚卸しのポイントは以下の五つです。


  • 現在地の把握
    株高で変化した資産配分を可視化する
  • 固定費の見直し
    物価高に対抗するため、我慢不要の節約を優先する
  • 非課税枠の確認
    NISAやiDeCoの枠は手段であり、使い切りを目的にしない
  • 資金の色分け
    3~5年以内に使うお金はリスク資産から切り離す
  • リバランスの検討
    目標配分とのズレが大きければ調整を行う
  •  相場が良いときの見直しは、気持ちも軽く、前向きに取り組めるものです。お金は増やすこと自体が目的ではなく、あなたらしい人生を送るための手段にすぎません。


     下半期に入った今、ただ資産の数字を眺めるだけでなく「自分は何のためにこのお金を増やしているのか」という原点も、合わせて振り返ってみてはいかがでしょうか。


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