子どもの教育費は、準備を始めるタイミングが重要です。大学進学時に慌てないよう、幼い頃からコツコツと備えるのが理想。

将来の選択肢を広げるためにも、まずは今日から教育費の計画をスタートさせましょう。


【超基本】教育資金はいくら必要?使える補助金は?オール私立だ...の画像はこちら >>

準備はいつから?「教育費」について知ろう

「子どもの教育は、高校や大学までに考えればいい」と思って油断していませんか? 子どもの成長はあっという間。のんびりしていると、いざという時に慌てることになりかねません。


 教育費は大学も含めれば約20年にわたってかかり続け、総額も大きくなります。そのまとまった金額を用意するには、「時間をかけて積み立てる」ことと「必要な費目に限ってお金をかける」ことが大切です。教育費の実態や、無理なく準備していく方法を紹介します。


幼稚園~大学までの教育費は総額いくらかかる?

 まずは、子ども1人につきどのくらいの教育費がかかるのかを見ていきましょう。幼稚園から大学(4年制)までストレートで進学した場合、合計19年間にかかる教育に関するお金はいくらになるのか、下記にまとめました。


■幼稚園から高校までにかかる年間の学習費の平均 学校種別 公立(年間) 私立(年間) 幼稚園 約18.5万円 約34.7万円 小学校 約36.7万円 約59.8万円 中学校 約54.2万円 約156.0万円 高等学校(全日制) 約59.7万円 約117.9万円 (データは文部科学省「令和5年度 子どもの学習費調査」を基に作成)

 幼稚園から高校まで、15年間の学習費の合計は、全て公立の場合で約600万円、全て私立の場合で約2,000万円となります。


 また、そこから先、大学へ進学した場合、4年間にかかる費用(入学金・授業料)の目安は、国公立大学で約240万円、私立大学で約411万円です(※ただし、医学部など一部の学部は初年度だけで700万円を超えるケースも見られます)。


 改めて総額を見ると、金額の大きさに驚く人も多いのではないでしょうか。


まずは公的支援を漏らさずチェック!

 高額な数値を見るとプレッシャーを感じるかもしれませんが、実際のところ、全額を自前で用意しなければならないわけではありません。教育費節約のために知っておきたいことは、さまざまな支援制度を活用することが必須だということです。


 以下、主な支援制度について紹介します。


●妊娠・出産時にもらえるお金


  • 出産育児一時金:お子さん1人につき原則50万円(産科医療補償制度加入機関の場合)。
  • 妊婦のための支援給付:計約10万円相当(妊娠時5万円+妊娠している子どもの人数×5万円)。
  • 自治体による出生祝い金:数千円~数十万円(※ない地域もあります)など。

●子育て時にもらえるお金


  • 児童手当:
      ・0歳~3歳未満:月1.5万円(第3子以降は月3万円)。
      ・3歳~高校生年代:月1万円(第3子以降は月3万円)。
  • 児童扶養手当:ひとり親世帯向け。所得に応じ、月額約1万円~約4.5万円(第2子以降加算あり)。
  • 給付型奨学金:世帯年収などにより、年額約30万円~約90万円(進学先や自宅通学か否かで変動)など。

●子どもに関する助成制度


 例/子ども医療費助成制度、自治体による学童保育や習い事の利用料補助など


●高校


 公立高校の授業料と同額が給付され、実質無償となる高等学校等就学支援金制度があります。私立高校の場合、2026年度から所得制限が撤廃され、支給上限が45万7,200円に増額。さらに、助成金や奨学金など独自の支援事業を上乗せして実施する自治体もあります。


●大学


 教育費がピークとなる大学では、奨学金を借りる手も。返済不要の「給付型」は所得制限など条件が厳しく、それよりも条件が緩やかな「貸与型」は無利子・有利子での返済が必須です。

また、大学独自の奨学金制度や特待生制度を設けている大学も増えています。


 また、ひとり親世帯には児童扶養手当や自治体独自の助成制度など、さらなるサポートが用意されています。


 こうした公的な支援制度は、一定の要件を満たす場合に受けられ、申請手続きが必要です。「知らなくても国や自治体が自動的に援助してくれる」わけではないので、しっかりと情報を集め、忘れずに申請する姿勢が必要です。


教育費のピークは大学入学時!投資と節約で教育資金を築くべき

 教育費の支払いが最も重くなるのは、大学入学のタイミングです。複数校を受験する場合の受験料や入学金など、短期間でまとまった金額が必要となります。


 となると、生まれてから大学に入学するまでに、いかに教育資金を築くかがカギとなります。そのためには新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で長期の投資運用をするなどして教育資金を増やしていくことと、必要な費用以外はできるだけ削って出費を抑えることの両方が必要です。


【ふやす・もらう】「生まれたらすぐスタート」が理想

 最もお金のかかる大学入学時を目指して資金を作るなら、準備は早ければ早いほど達成しやすくなります。


 例えばNISAを利用し、投資信託を非課税で長期運用することで、一般的な預貯金よりも高いリターンを期待できます。過去の統計からは、15年以上の長期投資では元本割れする可能性は限りなく低いとされており、できるだけ運用期間を長くとれるように1日も早く始めたいところです。


 例えば毎月1万円・3万円・5万円をそれぞれ年利4%で15年間積み立てると、下記のようになります。


●毎月1万円を15年間積み立て、年利4%で運用した場合
投資元本180万円+運用益66万905円=合計246万905円


●毎月3万円を15年間積み立て、年利4%で運用した場合
投資元本540万円+運用益198万2,715円=合計738万2,715円


●毎月5万円を15年間積み立て、年利4%で運用した場合
投資元本900万円+運用益330万4,524円=合計1,230万4,524円


 非課税で長期運用することで、これだけの金額を築くことができます。


 前述の児童手当や各年代の無償化による余裕資金はムダ遣いせず、こうした投資に回したいところです。


 15年以上の長期運用による元本割れの可能性は限りなく低いとはいえ、全てを投資信託や株式で運用するのは避け、元本保証で運用できる金融商品を併用するのがおすすめです。


 会社員で財形貯蓄や社内預金が利用できるなら、ぜひ検討を。それ以外は、銀行の定期預金や定期積立が候補になるでしょう。その際は、少しでも高金利の商品をネット銀行でチェックしてみてください。


「抑えられる出費」をとことん抑えよう

 教育資金を築く一方で、出費を抑える工夫も必要です。


 大学の入学金など「削れない費用」がある一方で、習い事や学用品など「工夫次第で抑えられる費用」もたくさんあります。後者をいかに効率よく節約できるかが、資金準備の鍵となります。


●進学ルートを国公立で考える


 進学先をオール公立と私立とでは費用が大きく異なります。子どもの学力や希望との兼ね合いもありますが、可能であれば国公立ルートを選ぶ方が、教育費を低く抑えられることは確かです。


 全てを私立にするのではなく、「中学校のみ私立」「中高大と続く一貫校でも、高校までは公立で大学から入学を目指す」など、さまざまな可能性を検討してみてはいかがでしょうか。


 他にも、以下の選択肢も考えられます。


  • 通信制高校
     自宅学習中心のネットコースなら、通学コースよりもさらに費用が抑えられる。
  • 短大や夜間(二部)大学。

     一般的に4年制大学よりも学費が安い。短期間で卒業できる、働きながら学べるなどのメリットもあり。

●代替の効くものは中古でまかなう


 入学金や学費を減らすことは難しいぶん、他に節約できる分野を見つけて工夫することが大事です。例えば「新品でなくてもOKなもの」「おさがりや中古品が活発にやりとりされているジャンル」は、積極的に中古を探してみましょう。


 例えば


  • 制服やかばん、教科書など…リサイクルがさかんで、バザーで下の学年に積極的に循環させる幼稚園や学校もある。
  • 楽器やスポーツ用品など部活で使用するアイテム…同じ部活の先輩から譲ってもらえることも。
  • 衣類、季節アイテム…バザーやネットフリマの人気出品ジャンルのひとつ。中でもファストファッション系は元の定価が低いので、未使用品が安価で手に入ることもある。
  • 文具類…こちらもバザーやネットフリマなどで、多くの未使用品が安価で出品されている。

 いずれも新品でなくともよく、またリサイクルがさかんで手に入りやすいものです。これらが必要になった場合は、「まず最初に中古品をチェックする」くせをつけることで、出費を抑えることができますよ。


●塾や習い事は安く受講できる方法を探す


 オンライン学習などが充実してきている昨今、学校外での学習費をできるだけ安く抑える手段は多くあります。

情報収集をして、質の高い学びと節約の両方をかなえられるようにしましょう。特に習い事は「周りがやっているから」といった世間体ではなく、子どもの適性や興味を見定めてプラスになることを始める・続ける姿勢が大事です。


  • 市販の問題集で自宅学習
     特に都市部では塾や習い事をやって当然という風潮があるが、市販の問題集を使って親が教える手もあります。「教えるなんて無理!」と決めつけず、問題集で内容を確認するところから始めてみては?夫婦で得意な分野を教えるなど一家で工夫してみてはいかがでしょうか。
  • 公的機関や自治体の無料・格安講座を活用する
     図書館や教育施設などでは無料または格安で学習支援や体験講座が開催されることがあります。自治体によっては、大学生がボランティアで小中学生に勉強を教えるなどの取り組みを行うところも。情報をチェックし、受けられるサービスを最大限に活用しましょう。
  • オンライン学習を活用する
     通信教育やオンライン学習を活用すれば、通塾タイプよりも費用を抑えることも可能。実績のある企業のサービスを選ぶのがおすすめです。通塾にかかる交通費や時間を省け、好きなタイミングで学べるのも魅力。
  • できるだけ割安になる方法を探す
     習い事はパーソナルレッスンよりもグループレッスンの方が割安になることが多い。きょうだいや友人で同じ習い事をすれば、割引制度を使える場合も。
    送迎にかかる時間や手間も削減できるのも大きい。

教育費は「ガマン」ではなく「選択と集中」

 教育費は子の誕生が分かったときから将来必要になることが分かる費用ですから、早めに準備することこそ最強の節約法といえます。もしなんの準備もしていないという場合は、気付いたその日から意識を改め、「ふやす・もらう」「節約する」の両方を心がけるようにしましょう。


 教育は「子の未来に関わる投資」ともいえるだけに、ただ削りさえすればいいわけではありません。絶対に必要な費用、子にプラスとなる費用を見定め、そこに集中してお金を使えるよう取捨選択することが必要です。


(しま)

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