先週はネット関連株が好決算を材料に激しくリバウンド上昇。AI半導体株もアドバンテストを筆頭に続伸しました。

今週もAI半導体株とAI導入で業績好転に期待できるIT企業やNTT、ソフトバンクなどが同時に上昇するAI相場の新展開に期待できそうです。鉄鋼、自動車など景気敏感株は原油高や日銀利上げペース加速懸念で停滞するかもしれません。


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今週のトピック:米国の7月FOMC議事録公開。日本の7月CPI

日付 イベント 8月17日(月) ・2026年4-6月期実質GDP速報値
・米国で8月ニューヨーク連銀製造業景気指数 8月18日(火) ・米国でホームデポ(HD)が決算発表 8月19日(水) ・6月機械受注、7月訪日外客数
・米国で7月FOMC議事録公開 8月20日(木) ・米国でウォルマート(WMT)が決算発表 8月21日(金) ・日本の7月CPI
・米国で8月製造業・サービス部門購買担当者景気指数・速報値

・人工知能(AI)株の見直し買い続く! 供給側のハードメーカーだけでなく、AIを使う側のソフトウエア・ソリューション企業も買われる新展開に? 日本のAI通信インフラ株の真打ちといえるNTT(9432)の本格上昇に期待


・原油価格上昇や日本銀行の利上げペース加速懸念、決算シーズン終了で鉄鋼、自動車、化学、繊維など重厚長大株の底上げ相場は停滞の可能性も


・19日(水)公開の7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は無風通過? 来週27日(木)から始まるジャクソンホール会議での米連邦準備制度理事会(FRB)ウォーシュ議長の発言に警戒広がる!


8月17日(月)の日経平均

 お盆明けとなる17日は、前営業日比168円高の6万8882円でスタート。前場は7円高となりました。後場になり小幅で上昇、前営業日比506円高となる6万9,220円の続伸で終えました(8月17日16時現在)。


日本株市場で「見直し買い」が本格化しそうな銘柄は?NTTの「前月比6.8%高」が示唆するAI相場の新展開
8月17日(月)の日経平均 チャート

先週(8月10~14日)の主要株価指数

  終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 6万8,713円 +3,107円 +4.74% TOPIX 4,197.2pt +122.2pt +3.00% ダウ 5万3,732ドル ▲304ドル ▲0.56% S&P500 7,785pt +28pt +0.36% ナスダック 2万6,729pt +38pt +0.14% 注:▲はマイナスを示す

今週のマーケット:AI半導体株とソフトウエア、ITサービス株の共存相場が続く!原油価格高騰で自動車、鉄鋼など景気敏感株は弱い?

 今週は大きな経済指標や企業決算の発表がなく、手掛かり不足の中、AI半導体株の見直し買いが続きそうです。


 先週終了した2026年4-6月期の決算発表シーズンは業績上方修正ラッシュとなり、重厚長大株の影響力が強い東証株価指数(TOPIX)が日経平均株価に先駆けて史上最高値を塗り替えました。


 ただ今週はホルムズ海峡を巡る米国・イランの勢力争いで原油価格が上昇していることもあり、原油高が業績に悪影響を与える自動車、鉄鋼、化学、空運、建設など景気敏感株の上昇は息切れするかもしれません。


 AI株の分野には新たな動きが生まれつつあります。


 AIがソフトウエア産業を駆逐するというAI脅威論が消え去り、AIツルハシ株(AIデータセンターなどにハード部材を提供する企業)と、そのAIを使ってウェブ上でプラットフォームビジネスやソフトウエア提供を行う企業の株がともに上昇する「AI共存・普及相場」が到来するかもしれません。


 先週の米国では、半導体メモリのサンディスク(SNDK)が前週末比35.4%高、高性能AIサーバー製造のスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が28.0%高となるなど、AIツルハシ銘柄の中でもメモリやストレージ(記憶装置)関連企業の株が急反発しました。


 日本市場でも半導体検査装置の人気大型株アドバンテスト(6857)が14.5%高して、他のAI株に先駆けて上場来高値を再更新しました。


 その一方、AI脅威論でこれまで売り込まれてきた弁護士向け営業支援サイトの弁護士ドットコム(6027)、医療向けシステム会社のメドレー(4480)などが好決算を発表して大きくリバウンド上昇。


 決算発表シーズンにサプライズな好決算を発表して見直し買いされただけともいえますが、ネット関連のIT企業が先週の週間値上がり率ランキングの上位に多数ランクインしました。


 また、AIを駆使した広告・マーケティング最適化プラットフォームを提供するAppier Group(エイピアグループ:4180)が通期業績予想を大幅上方修正する好決算を発表して、14日(金)にストップ高。


 週間でも前週末比16.6%高と急反発し、実際にAIを使いこなして好業績をたたき出したAIソリューション企業の株価が上がり始めた典型例となりました。


 日本国内のAIインフラの主役といえる通信最大手のNTTは8月に入って前月末比6.8%高、フィジカルAI事業を進めるソフトバンク(9434)も同5.1%高。


 この2社は長らくAI株ブームのかやの外にいましたが、7月以降、上昇モードが加速しているのもAI相場に変化が生まれた兆しといえるかもしれません。


 ここ最近は米国で早期利上げ論が後退していることもあり、金利低下が株価上昇につながりやすい米国中小型株指数のラッセル2000指数は8月に入って前月末比4.7%高、東証グロース市場250指数は10.5%高。


 IT関連企業の多い中小型の成長株に資金が流入しているのも新たな展開です。


 一方、業績上方修正で株価が上昇した日本製鉄(5401)、ヤマハ発動機(7272)、東レ(3402)をはじめとした鉄鋼、自動車、繊維、化学セクターなどの景気敏感株は、原油高や決算シーズン終了もあって今週は停滞するかもしれません。


 その代わりに物色されるかもしれないのは、日銀の9月利上げ観測で収益増加に期待できる銀行株。


 好決算発表でも材料出尽くし売りで下落していた主力の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は先週、3.4%高と3週間ぶりに反発上昇。今週も続伸に期待がかかります。


注目イベント:米国FOMC議事録と来週のジャクソンホール会議

 今週19日(水)には米国で、金利据え置きを決めた7月29日終了のFOMC議事録が公開されます。参加理事のうち3人が利上げ主張の反対票を投じており、同FOMCでどんな議論が行われたかに注目が集まります。


 しかし、米国では先週発表された7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想と同じ前年同月比3.4%の伸びにとどまるなど、2カ月連続で物価の伸びが鈍化。


 9月の早期利上げ観測が後退しており、FOMC議事録の公開はそれほど株式市場に大きな影響を与えないかもしれません。


 ただ来週27日(木)~29日(土)には世界各国の中央銀行総裁が米国ワイオミング州のジャクソンホールに集まり意見交換するジャクソンホール会議が開催されます。


 基調講演を行うウォーシュFRB議長は自らの講演内容が近視眼的ではなく、一歩引いた大局的なものになると示唆。しかし、FRB議長就任以降、金融政策の詳細な先行きや見通しについて多くを語らない同氏の言動や手腕に疑問符がつき始めているのも事実です。


 ジャクソンホール会議でのFRB議長の発言はたびたび株価急落につながってきたため、今週後半になると米国債が売られて長期金利が上昇するなど、金融市場に警戒感が広がるかもしれません。


市場別マーケット動向

日本市場

 今週は2026年4-6月期の決算発表が終了したため、方向感を欠く展開になりそうです。


 懸念材料は米国の圧力を受けて日銀が9月18日(金)の金融政策決定会合で早期利上げに踏み切る可能性が高まっていること。利上げペースをさらに加速させて、年内2度の利上げに踏み切るのではないかという見通しも出るほどです。


 これを受けて日本の長期金利の指標となる10年国債の利回りは先週も上昇し、2.9%台に迫る勢いです。


 今週も金利上昇が続くと、借入金負担の大きい不動産、建設セクターなどを中心に株価が下落する恐れもありそうです。


米国市場

 米国では先週、エヌビディア(NVDA)のライバルと目されている高速半導体メーカーのブロードコム(AVGO)が前週末比8.1%下落。


 同社の高額な半導体を購入するための顧客向けAI融資プログラムの保証リスクに対する警戒感が株価急落の要因でした。


 先週、決算発表した半導体製造装置メーカー大手のアプライド マテリアルズ(AMAT)も予想を上回る好決算にもかかわらず材料出尽くし売りに押されて5.9%安。


 AIクラウド需要が急拡大する中、データセンター建設コストの多くはハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)の借入金や社債の発行でまかなわれています。


 AI業界が抱える巨額な負債に対する根強い警戒感で、今後も米国AI株は乱高下や株価の強弱がまちまちな展開が続きそうです。


業種・銘柄の動き

銘柄 先週の騰落率 ポイント アドバンテスト(6857) +14.5% 先週、上場来高値更新。今週もAI相場の主役に!? 弁護士ドットコム(6027) +57.0% 好決算発表で急上昇。上がり過ぎで今週は反落? メドレー(4480) +28.1% 初の配当実施発表で急騰。長期下落トレンドから脱出できるか? エヌビディア(NVDA) +0.5% 来週27日(木)早朝の決算発表に向け今週も小動き?

先週までの振り返り:ネット株急騰でサービス業が上昇率1位。鉱業、ゲーム株が属する、その他製品セクターが買われる!

 先週は弁護士ドットコムなどネット関連株が属するサービス業が週間の業種別上昇率第1位になりました。


 中でも市場予想を大幅に上回る好決算を発表したリクルートホールディングス(6098)が前週末比25.0%高と急騰。人材派遣サイトにAIを導入することで業務効率化や収益拡大に成功しており、今後もAI普及で潤う大型成長株として注目を集めそうです。


 業種別上昇率2位は鉱業セクター。ホルムズ海峡の支配権を巡る米国とイランの争いで原油価格が上昇したことを受けて主力のINPEX(1605)が8.1%高となりました。


 任天堂(7974)など最近、株価が絶好調なゲーム株の一部が属する、その他製品セクターが3位。


 一方、週間の業種別下落率ワースト1位は石油・石炭製品セクター。


 原油価格上昇や好決算などで買われた反動でENEOSホールディングス(5020)が4.3%安と売り込まれたことが響きました。


 個別株ではPC向けオンラインゲームのネクソン(3659)が、保有する超過資金解消のため、株主配当を従来計画の60円から475円に引き上げるサプライズな特別配当実施を発表して24.4%高。


 医療機器メーカーのシスメックス(6869)が予想以上の好決算で16.2%高。


 これまで業績低迷で株価が底値圏まで売り込まれた銘柄の急反発が目立つ業績相場特有の展開でした。


 AI株一番の人気株である半導体メモリのキオクシアホールディングス(285A)は12.6%高と勢いが復活。


 その一方、先々週22.6%高と猛烈にリバウンド上昇した光ファイバーの古河電気工業(5801)は5.2%高と上昇の勢いが鈍り、業績を上方修正したものの市場予想に届かなかったAIデータセンター向け銅箔(どうはく)の三井金属(5706)は8.8%安でした。


セクター・業種(上昇・下落)

銘柄 騰落率 備考・要因 サービス業 +10.82% 好決算のIT企業が一斉に見直し買い 鉱業 +7.70% 原油価格再上昇に反応 その他製品 +7.14% ゲーム株の続騰がけん引 保険業 ▲2.91% 東京海上HD(8766)が平凡な決算発表で5.0%下落したのが影響 石油・石炭製品 ▲3.07% 利益確定売りで下落 注:▲はマイナスを示す

(トウシル編集チーム)

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