依然としてAI・半導体関連銘柄の過熱感が拭い切れない中、エヌビディアの決算発表を控えて、関連銘柄には買い手控えムードが強まりそうです。また、米国株は9月が年間を通じて最も株価パフォーマンスが低下しやすい時期とされ、日本株にも当面は警戒感を強めたいところです。
アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15
コード 銘柄名 現在値 配当利回り コンセンサス
レーティング 移動平均線
乖離率 月間
騰落率 7278 エクセディ 6,170 5.67 3.5 3.07 5.29 2815 アリアケジャパン 5,410 5.55 3.7 3.58 3.84 3002 グンゼ 4,235 5.10 3.5 8.15 7.62 3231 野村不動産ホールディングス 918.9 4.79 3.7 ▲ 0.50 ▲ 2.85 6436 アマノ 3,876 4.64 4.0 4.30 2.32 8252 丸井グループ 2,968 4.51 3.9 3.55 0.13 2154 オープンアップグループ 2,035 4.42 4.2 5.31 2.06 2181 パーソルホールディングス 287.9 4.52 3.5 13.46 8.19 2127 日本M&Aセンターホールディングス 672.2 4.31 3.5 3.14 0.00 7267 ホンダ(本田技研工業) 1,658 4.22 3.5 9.66 7.98 3612 ワールド 1,630 4.11 4.0 4.04 1.43 7202 いすゞ自動車 2,265.5 4.15 3.6 ▲ 0.41 ▲ 2.50 8016 オンワードホールディングス 766 4.31 4.0 3.27 3.10 6183 ベルシステム24ホールディングス 1,407 4.26 3.7 1.60 1.37 9364 上組 4,953 4.14 3.7 ▲ 0.22 ▲ 3.73 ※データは2026年8月14日時点。単位は配当利回りと月間騰落率、移動平均線乖離率は%。配当利回りは予想、移動平均線乖離率の基準は13週移動平均線。▲はマイナス
※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。
※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。
上表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。
8月14日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率20%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。
なお、上場市場は各社ともにプライム市場となっています。
決算発表を境にAI・半導体関連が反転、日経平均もリバウンド強める
7月17日終値~8月14日終値までの日経平均株価(225種)は7.1%の上昇となりました。
期間中前半は売りが優勢となり、7月29日には一時6万0,448円まで下落。
ただ、その後はリバウンドの動きが鮮明化する状況となり、8月14日には高値6万9,608円と、7万円大台が視界に入る状況となっています。
韓国サムスン電子やアドバンテスト(6857)などが好決算を発表したほか、米マイクロソフト(MSFT)も決算発表後に急伸、AI・半導体関連株への見直しの動きにつながりました。日米協調介入の実施による円高反転が一時上値を抑制しましたが、雇用統計やインフレ指標を受けて米国の早期利上げ懸念が後退したことで、ハイテク株主体に上値追いの動きとなってきています。
こうした中、ランキングTOP15も買いが優勢で、下落は3銘柄にとどまりました。日経平均の上昇のみならず東証株価指数(TOPIX)も期間後半にかけて連日の高値更新と、AI・半導体関連銘柄が上昇を主導したものの、これまでのような一極集中の動きとはならなかったためです。
上昇が目立った銘柄としてはパーソルホールディングス(2181)、ホンダ(本田技研工業:7267)、グンゼ(3002)が挙げられます。それぞれ、想定以上の好決算発表が買い材料視される形となりました。ホンダに関しては、協調介入による円高反転が一時マイナス材料視される場面はあったようです。
一方、上組(9364)、野村不動産ホールディングス(3231)、いすゞ自動車(7202)はマイナスサイドとなりましたが、それぞれ決算発表後に軟化しており、想定比下振れの決算内容が売り材料となった形です。
増配見通しのオープンアップGなど再度のランクインへ
今回、新規にランクインしたのは、オープンアップグループ(2154)、ワールド(3612)、いすゞ自動車、ベルシステム24ホールディングス(6183)、上組の5銘柄。除外となったのは、石原産業(4028)、AREホールディングス(5857)、コスモエネルギーホールディングス(5021)、東亜建設工業(1885)、ジェイエイシーリクルートメント(2124)でした。
新規ランクインの5銘柄は、それぞれ前月もベスト15を小幅に下回るランクであったため、相対的に限定的な株価パフォーマンスを映してランキングが上昇しました。ただ、オープンアップGに関しては、2027年6月期の増配見通しが反映されたことで、配当水準も引き上がっています。
一方、除外となったAREHDは23%超の株高となったために配当利回りが低下しました。金価格の上昇を背景に、関連銘柄として買われたようです。また、石原産業、コスモエネルギーHD、ジェイエイシーリクルートメントも10%前後の大幅高となったため、利回り水準が低下しました。ほか、東亜建設工業も約5%の株価上昇となったことで、ランキングからは除外となっています。
アナリストコンセンサスと会社計画の配当予想で乖離が大きい(0.2ポイント以上の開き)銘柄はなくなっています。2027年3月期のガイダンスが発表されてから時間も経過していることで、会社計画とコンセンサスの乖離が総じて解消されています。
中では、ホンダ、ワールド、いすゞ自動車、上組などが若干、会社計画よりもコンセンサス水準が高くなっていますが、高すぎる印象にはないでしょう。
一方、パーソルHDは会社計画ベースの配当利回りが4.52%であり、第1四半期が大幅増益決算と好スタートを切っていることからも、今後コンセンサス水準は切り上がってくるでしょう。
9月は米国株のパフォーマンスが悪化しやすいアノマリー
当面の注目イベントは、8月26日の米エヌビディア(NVDA)の決算発表、27~29日に開催されるジャクソンホール会議となりそうです。とりわけ、米アプライドマテリアルズ(AMAT)が好決算発表後に株価が下落したことなど、依然としてAI・半導体関連銘柄の過熱感は拭い切れず、少なくてもエヌビディア決算発表前は、関連銘柄への買い手控えが強まりそうです。
ちなみに、米国株は9月が年間を通じて最も株価パフォーマンスが低下しやすい時期とのアノマリー(理論的根拠があるわけではないが、よく当たるといわれる、相場における経験則)が知られています。
日本株に関しても、AI・半導体関連株を中心に当面は警戒感を強めたいところでしょう。なお、日本銀行の早期追加利上げ観測が強まっていますが、8月21日の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上振れれば、9月の利上げが確実視されてくるほか、今後の利上げペースの加速化も意識されることで、株式市場のマイナス材料につながるでしょう。
(佐藤 勝己)

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