流通株式の上場基準をクリアするため、優待新設企業が増えています。しかし、優待が魅力的ではなかったり投資先として不安な企業も多いです。

今回は1年以内に新設された9月優待株の中から厳選。業績好調でおこめ券優待も魅力的な日本農薬をはじめ、金券優待や高配当かつ長期保有にもぴったりな銘柄など、お得度の高い新設銘柄をご紹介します。


「利回り4.11%+QUOカード1,000円」なのに「PBR...の画像はこちら >>

優待内容が豪華で配当利回りも高い新設優待銘柄を厳選!

 株主優待株は上場基準の厳格化もあって増加傾向が続いています。


 9月優待株も昨年の406銘柄から今年2026年は466銘柄に増加。多くの企業が上場基準となる流通株式数(市場で取引されている株数)や流通株式比率を増やすべく個人株主の獲得に力を入れています。


 そのため、優待新設銘柄は個人投資家にこれまでなじみの薄かった非外食、非小売系企業に多いのが特徴。優待内容も、積極的に投資したいと思うほど魅力的ではないケースもあります。


 そこで、優待新設企業の中でも優待内容がなるべく豪華な9月優待株に注目。


 おこめ券、QUOカードなどの金券や「プレミアム優待倶楽部」で利用できるポイント優待が比較的高額な優待新設株を選びました。


「プレミアム優待倶楽部」はウィルズ(4482)が提供するウェブ型のカタログギフト優待で、グルメ、家電製品から旅行、体験型ギフトまで約5,000種類からポイントに応じた商品を自由に選べます。


 優待新設株には取得条件が200株以上の銘柄もあるので、なるべく金額換算した100株当たりの優待内容が豪華な順に紹介します。


 多くの優待新設企業は、これまで投資家の評価が控えめだったため株価も非常に割安で、配当利回りも3~4%台と高め。


 華々しい成長性には欠けるものの、ニッチな事業分野で堅調な業績を上げている企業が多いので株価の下値不安が少ない点も長期保有向きです。


日本農薬(4997)は利回り3.23%、節約に助かるおこめ券優待!

 農薬専業メーカーの日本農薬(4997)は7月23日に優待新設を発表。9月末に100株(投資金額11万7,800円※)以上保有で一律、おこめ券4枚(1,760円分)が贈呈されます。


 ※投資金額は2026年8月14日の株価を基に計算。以下、文章中の投資金額、予想配当利回り、PBRなどは全て2026年8月14日終値を基に計算したものです。


 おこめ券は1枚440円分のお米と引き換え可能で、全国のスーパーや米穀店で利用できます。お米の価格が下がってきたとはいえ、食費節約に役立つ優待内容です。


 同社は稲作向けや果実・野菜の病害虫対策剤に強く、メキシコや英国など海外売上高が69%を占めるため、円安が業績の追い風になります。


 最高益を更新した前期に続いて、今期2027年3月もブラジルなど農業大国での収益が改善し順調な増収増益予想。株主配当は2円増配の1株38円予定で、予想配当利回りは3.23%です。


 同社は配当を減配しない累進配当を配当政策に掲げ、配当性向40%を目指すなど株主還元に積極的な点も高評価です。


 世界的な人口増加による食料危機や地球温暖化による農作物への悪影響を防ぐ意味で、同社の環境配慮型農薬は海外からのニーズも高く、高市政権が掲げる食料安全保障というテーマにも沿った銘柄です。


 株価は8月にここ10年来の最高値を更新し、長期的な上昇トレンドが続いています。にもかかわらず株価収益率(PER)は12.5倍、株価純資産倍率(PBR)は1.04倍と依然、割安な水準のため、比較的安心して長期保有できそうな点も魅力です。


権利付き最終月:9月[貸借銘柄]
株価:1,178円
配当金:38円(2027年3月期予想)
配当利回り:3.23%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:100株以上保有で全国の米穀店、スーパーなどで利用できる1,760円分のおこめ券(440円分×4枚)
その他条件:
最新情報は 企業HP からご確認ください


2:西部ガスHD(9536)

 福岡県が地盤の都市ガス会社・西部ガスホールディングス(9536)は2025年12月23日に優待新設を発表。9月・3月末に200株(投資金額47万6,400円)保有でプレミアム優待倶楽部のポイント6,000円分が贈呈されます。今回は9月末初の優待になります。


 同社は1株当たり配当金の下限を70円に設定し、持続的、安定的な株主還元の実施を配当政策に掲げており、予想配当利回りは2.94%です。


 今期2027年3月期は都市ガスの販売自体は堅調なものの、ホルムズ海峡閉鎖に伴う原油高や円安進行で営業減益予想です。


 ただ資源価格が高騰すると在庫の原油・ガスの評価益が増加するため、株価は中東情勢が混迷すると上昇しやすくなる傾向があります。


 最近は不動産事業に乗り出すなど安定収益の確保にも力を入れており、都市ガス供給というディフェンシブ色の強い銘柄として、今後も底堅い株価の推移が見込めそうです。


権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:2,382円
配当金:70円(2027年3月期予想)
配当利回り:2.94%
優待獲得株数:200株以上
優待内容:200株以上保有でプレミアム優待倶楽部で使える株主優待ポイント6,000ポイント。株式の保有数に応じて贈呈数が増加
その他条件:株主優待ポイントはプレミアム優待倶楽部導入企業の株主優待ポイントと合算可能な共通株主優待コイン「WILLsCoin」への交換も可能
最新情報は 企業HP からご確認ください


3:フタバ産業(7241)

 自動車マフラーで国内首位の自動車骨格プレス部品メーカー・フタバ産業(7241)。7月30日に優待新設を発表、9月末に100株(投資金額10万9,400円)保有でQUOカード1,000円分が贈呈されます。来年2027年9月末以降は100株を1年以上保有で1,000円分と継続保有条件がつくものの、3年以上保有で2,000円分に増額されます。


 同社は配当政策として株主資本配当率(DOE)3.5%を下限とした累進配当を掲げており、予想配当利回りが4.11%と高い点も魅力です。


 トヨタグループ向け販売が売上の8割を占め、業績は国内や北米で好調。インドなどアジア圏にも進出しており、海外売上比率は55%を占めています。


 今期は欧州や中国の不振で最終利益は減益予想ですが、想定為替レートは155円と現状よりも円高水準のため、為替差益による増益効果に期待できそうです。


 株価は2026年2月に1,179円の高値をつけたものの、その後は中東情勢緊迫化の悪影響もあり1,000円前後で推移。


 自動車部品メーカーは将来性のなさが嫌われて株価が割安なことが多いですが、同社もPER7.0倍、PBR0.70倍と非常に割安です。


 中東情勢が緩和して世界的な自動車販売の復調が進めば、株価が節目の1,200円台を突破してもおかしくないでしょう。


権利付き最終月:9月[貸借銘柄]
株価:1,094円
配当金:45円(2027年3月期予想)
配当利回り:4.11%
優待獲得株数:100株以上
優待内容:2026年9月30日時点で100株以上保有で1,000円分のQUOカード(初年度のみ)
その他条件:2年目以降は毎年9月30日時点で100株以上を1年以上継続保有している株主が対象。株式の保有数・保有期間に応じて贈呈数が増加
最新情報は 企業HP からご確認ください


4:AZ-COM丸和HD(9090)

 アマゾンジャパンを主要顧客に持つ小売業専門の物流会社・AZ-COM丸和ホールディングス(9090)。


 同社は7月22日に優待新設を発表し、今後は9月末に400株(投資金額35万2,000円)保有でプレミアム優待倶楽部のポイント3,000円分が贈呈されます。


 アマゾンなどeコマース配送の一括請負が主力事業で、低温物流や医薬品配送が好調。人件費や物流施設の償却コスト、燃料費の高騰をこなし、今期2027年3月期は10%以上の増益予想です。


 減配をしない累進配当を配当政策に掲げており、今期も配当性向50%以上の1株32円配当を予定。予想配当利回りは3.64%です。


 人件費の増加や物流拠点の再編コストなどで第1四半期(2026年4-6月期)は減益で着地したこともあり、株価は約3年にわたって長期下落中です。


 ただ取り扱い物量や稼働車両台数は順調に増えているため、今後は業績に見合った株価の再浮上に期待できそう。


 中東情勢緊迫化による原油高は物流企業の同社にとって逆風ですが、ホルムズ海峡が完全開放されれば株価の見直し買いが進む可能性もあるでしょう。


権利付き最終月:9月[貸借銘柄]
株価:880円
配当金:32円(2027年3月期予想)
配当利回り:3.64%
優待獲得株数:400株以上
優待内容:400株以上保有でプレミアム優待倶楽部で使える株主優待ポイント3,000ポイント。株式の保有数に応じて贈呈数が増加
その他条件:株主優待ポイントはプレミアム優待倶楽部導入企業の株主優待ポイントと合算可能な共通株主優待コイン「WILLsCoin」への交換も可能
最新情報は 企業HP からご確認ください


5:スパークス・グループ(8739)

 独立系投資顧問会社で、日本株の投資信託の運用も行うスパークス・グループ(8739)。2025年12月19日に優待新設を発表。9月・3月末に300株(投資金額75万7,200円)保有でプレミアム優待倶楽部のポイント2,000円分が贈呈されます。


 同社は株主配当に具体的な数値目標を掲げていませんが、今期2027年3月期も4期連続増配となる20円増配の1株110円配当を予定。予想配当利回りが4.36%に達する高配当株です。


 業績予想は出していませんが、国内の投資活動活発化で再生エネルギーなど新たに組成したファンドの運用報酬も拡大。人工知能(AI)データセンター向けに需要の高い蓄電所ファンドを3月に設立。


 7月末には今期第1四半期(2026年4-6月期)の最終益が前年同期比77%超まで伸びたことや、年間予想配当の16円増額修正(年間110円配当)を発表。株価も8月上旬に約19年ぶりの高値まで上昇しています。


 日本株の市況が好調な間は株価のさらなる上昇に期待できそうです。


権利付き最終月:9月、3月[貸借銘柄]
株価:2,524円
配当金:110円(2027年3月期予想)
配当利回り:4.36%
優待獲得株数:300株以上
優待内容:300株以上保有でプレミアム優待倶楽部で使える株主優待ポイント2,000ポイント。

株式の保有数に応じて贈呈数が増加
その他条件:株主優待ポイントはプレミアム優待倶楽部導入企業の株主優待ポイントと合算可能な共通株主優待コイン「WILLsCoin」への交換も可能
最新情報は 企業HP からご確認ください


無配の優待新設銘柄には注意

 個人株主を呼び込むために優待を新設した企業の中には無配の銘柄もあります。そういった銘柄は業績面に不安があるので投資を避けるべき。


 優待だけでなく、毎年株主配当も受け取れて、投資している実感が湧くような銘柄のほうがいいでしょう。


 そこで配当利回りが3%以上あり、業績や財務面の不安が少ない優待新設銘柄を集めました。優待内容はデジタルギフトやQUOカードなど金券系で日頃の生活で自由に使いやすいものに絞りました。


配当利回り3%超の金券系優待新設銘柄!

銘柄名 購入金額
(100株) 配当利回り
(2027年3月期の予想値) 優待内容 大崎電気工業(6644) 15万7,200円 3.12% 9月末に100株でデジタルギフト1,000円分。電力会社向けスマートメーターで国内首位。豪州など海外にも進出。今後は米国市場の開拓が楽しみ。前期は最高益を更新し、今期も営業利益は続伸予想。
AIを駆使して電力供給の最適化を図る技術が注目され、5月に史上最高値2,213円を更新するなどテーマ性も豊富。 タナベコンサルティンググループ(9644) 7万7,400円 3.75% 9月末に100株でデジタルギフト500円分。独立系の中小企業向け経営コンサル大手で、経営戦略策定、買収や合併(M&A)支援などが得意。

前期に過去最高益を更新し、今期も増収増益予想。企業のAI導入やDX化の波に乗り、株価も上場来高値圏の700円台で高止まり。800円台定着を狙う。 ノザワ(5237) 12万2,000円 3.52% 9月末に100株を半年以上継続保有でQUOカード1,000円分、3年以上保有で3,000円分に増額。独自の押出成形セメント板を使った外壁・内装材などを事業とする建設資材メーカー。環境配慮施設や工場向けが好調で今期2027年3月期は前期比2.6倍の最終増益を見込む。
業績回復や株主優待新設を好感して株価は1,200円前後まで上昇しているものの、PER9.3倍、PBR0.67倍で超割安。 オーウィル(3143) 7万円 3.14% 9月末に300株(投資金額21万円)でQUOカード1,000円分、1,000株(同70万円)ではギフト商品(食料品)5,000円相当。ビタミンCなど食品副原料に特化した複合機能商社で飲料向けに強い。マンゴーなど果実加工も手掛け、子会社がすしネタなど水産卸しも行っている。
今期は減益予想だが、環境事業の大風量低速回転ファンがヒット中。株価も700円前後で高止まりしているものの、PER9.1倍、PBR1.02倍で割安。 ※最低購入金額は2026年8月14日の終値で計算。

(福ちゃん)

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