投資初心者は「市場平均を上回る」ことを目指しがちですが、実際は難しいのが現実。頻繁な売買や銘柄選びの負担を考えると、一般個人にはインデックス投資が最も合理的でしょう。

今回は、なぜ「インデックス投資」が普通の人の資産形成に最適なのか、そして投資以外の時間をどう有意義に使うべきかについてお話しします。


NISAやiDeCoを活用する"普通の人"にこそ適した「本業...の画像はこちら >>

インデックス投資が「普通の人」の投資ステップに組み込まれる時代に

 投資初心者が、「年20%以上」「数カ月もせずに倍になるようなリターン」といった利回りを期待するのは仕方ないところです。投資にはやはり「夢」があるからです。投資について学び始めるときイメージするのは、「インデックスよりも高い運用成績を獲得する方法」でしょう。


 実際に投資をしてみると、インデックスの騰落率を大きく上回るリターンを得ることが簡単ではないと理解し始めます。情報収集を行い、銘柄を選定し、売買判断を行う…特に頻繁な売買を行わなければ、なかなかリターンを高めることはできません。


 投資の経験と知識が増えてくるにつれ、インデックス投資が期待できる標準的な上昇率を理解し、またそれを確実に得ていく、インデックス運用こそが一般個人にとって便利な方法だということを知ります。


 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を活用している人の多くは、毎月一定額を積み立て投資する手法を採っていると思います。この場合は、インデックスファンドが中心となるため、インデックスの上昇ペース以上のリターンを上げることができません。しかし、確実にインデックスと同程度のリターンを得ることができます。


アクティブ運用が大きく値上がりしていても、インデックス運用に勝てていないことはよくある

 投資の理解度が深まると、人によっては「次のステップはアクティブファンドの活用だ」と考えることがあります。「インデックスと異なるアプローチでインデックスの騰落率を上回る運用成果を目指す」と言われれば、「これこそ投資の理解度が高まっている自分のための商品だ」と思うわけです。


 ところが、有名なアクティブファンドであるからといって、その運用成績が好調であるとは限りません。


「いや、けっこう値上がりしてますよ!」と思うかもしれませんが、その内訳をみるとインデックスそのものが上昇しているだけだったりします。

詳しくチェックすると、インデックスの上昇率を上回るどころか、下回っていることがしばしばあります。最近はインデックスを提示しない投資信託もいくつかあるようです。


 インデックスにかなわない理由はさまざまです。例えば、ここしばらくの騰落状況でいえば、AI関連銘柄を保有していたかどうかで、アクティブファンドの成績は決定的に差がついてしまいました。


 今の市場が過熱気味で急落もあり得ると考え、キャッシュポジションを抱えた投資信託も、結果として継続した上昇相場に取り残されてしまいました。預かり資産残高が大きくなりすぎて、身動きが取りにくいファンドもあるようです。


 また、アクティブファンドはその性格上、運用コストをインデックスファンドより高く設定せざるを得ません。確実に生じるコストでインデックスファンドに苦戦し、運用成績でも負けてしまうとなれば、成績が上回れない可能性があるのは仕方がありません。


 いずれにせよ、インデックスを上回りたいとする目標や期待は、誰でも考えることですし、市場参加者の理想です。しかし期待が必ずかなうとは限らないのが投資の世界の難しさといえます。


(これは、個人が個別銘柄を物色してもインデックスに勝てないことがあるのと同様です)


普通の人にとって「インデックスに勝つ負担」は重く、かつ確実性はない

 2026年の上半期のような上昇相場は、不合理な面もあるとはいえ、少なくともインデックス上昇分くらいはリターンを確保しなければ、投資をしたかいがありません。


 そうなると、一般個人の投資アプローチとしては、インデックスファンドを定期的に自動購入し続けることが、負担も軽く、かつ堅実に資産を成長させる手段となってきます。


 また、私たちは「いいアクティブファンドを見分ける能力がない」ということも認めたほうが、気持ち的にも楽になります。

結局、優秀なファンドは、投資に精通しなければ見分けられないはずです。私たちは自分の判断力ではなく、他者の意見や人気ランキングなどを材料にしてはいないでしょうか。


「インデックスに勝つ」という目標はひとまず置き、「インデックスと同等の利回りだけは堅実に確保する」と目標を設定するだけで、個人の資産運用の負担はグッと楽になります。


 特に、この数年のような激しい上下動をするマーケットと付き合うときこそ、「私はサーフィンをするスキルはないし、サーフィンがしたいわけではない」と頭の整理をすることです。


仕事に専念して「プラス数十万円稼ぐ」ことに注力したほうがいい

 あなたがもし、ここしばらく運用の価格上昇の恩恵を受けているのなら、それ以上のリターンを目指すよりも、違うアプローチを考えてみてください。


「投資に専念するより、仕事に少し専念する時期をつくって、物価上昇率を大きく上回る年収増を実現する」


「投資に専念する時間を減らし、資格取得などに時間を割くなどして専門性を高め、将来のキャリアアップや転職の布石とする」


「投資に回す時間を減らし、家族や友人と過ごす時間を少しだけ増やしてみる」


 このようなところにあなたの大事な時間、リソースを回してみてはどうでしょうか。


 5年後、10年後を考えても、「投資以外」に時間を割くことは決してムダにならないはずです。


(山崎 俊輔)

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