2027年からスタートする「こどもNISA」。未成年向けの新たな枠組みとして期待が高まっています。

今回は、その具体的な仕組みや活用法など、制度導入に向けたポイントをお話しします。


「こどもNISA」のメリットをフル活用する三つの使い方…「親...の画像はこちら >>

2027年スタートの「こどもNISA」仕組みは?

 2027年といえば、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)の限度額引き上げが話題ですが、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)にも改正が行われます。その一つが「こどもNISA」の創設です。


 現行のNISAは成人のみを対象としているため、未成年は口座を開設できません。かつてはジュニアNISA制度がありましたが、これは新NISAへ移行した際に終了しています。


 2027年からリスタートする未成年向けNISAの、主な仕組みは以下の通りです。


  • 投資枠:「つみたて投資枠」を活用(成長投資枠はなし。つまり商品も投資信託などに限られる)
  • 年間拠出枠:年60万円(平均すると月5万円が上限)
  • 総拠出枠:600万円(購入時価格で判断するのは一般向けNISAと同様)
  • 引出制限:子が12歳になるまでは原則引き出し不可。12歳以降は本人のための資金使途であること(教育資金など)と本人の同意を得ること、また証明書類を提出することで売却可能に
  • 成人後の扱い:成人後は一般のNISA口座に資産が引き継がれ、NISAの拠出枠などが適用されるようになる(本人が管理する口座となる)

ジュニアNISAより使い勝手は良さそう

 基本的な仕組みが分かったところで、使い勝手を考えてみましょう。かつてあったジュニアNISA(新NISAスタート時に終了済み)と比べれば使い勝手は良さそうです。


 良い点として、特に成人後の口座引継ぎがシンプルになったことです。ジュニアNISAは18歳時点での解約を想定していましたが、こどもNISAは、成人後も一般のNISAに口座がそのまま引き継がれます。「未成年と成年のNISAは別物」という壁がなくなり、NISAそのものが制度恒久化されていることも安心感があります。


 一方で、12歳までは解約の自由度が低いことはひとつの制限です。

といっても、12歳以上で、教育資金その他、子どものための出費はいくらでもありますから、必要があるなら取り崩しの理由に困ることはないでしょう。


ざっくり三つの使い方を考えてみる

 私は大きく分けて三つのアプローチがありそうだなと考えています。


1.祖父母から孫への教育資金贈与


 最初のアプローチは、お金の出しどころが親(子にとっては祖父母)であるパターンです。この場合、教育資金の生前贈与の意味合いでこどもNISAを活用します。贈与税は年110万円の範囲であれば非課税ですから、年60万円の枠は手頃です。


 また、教育資金目的の特例贈与(信託を利用)が終了しており、バトンタッチの役割も期待できます。


2.自分自身が教育資金準備のために活用


「子名義の口座」を生かした教育資金準備です。自分の口座に他の資金ニーズと一体化して資産管理をすると、ついつい計画がおろそかになってしまう、という人にとっては「この残高は、教育資金準備の進捗(しんちょく)を表す」とはっきりするメリットがあります。


 ただし、解約制限に留意する必要があります。


3.子自身のお金を金融経済教育目的で積立投資


 子ども自身のお金をこどもNISAに入金するやり方です。お小遣いなどをこどもNISAに入金し、生きた金融経済教育として活用します。


 主目的は投資を実経験するきっかけですから、上限を気にする必要はありません。年数万円でもいいでしょう。


こどもNISA、使うか使わないか少し考えてみよう

 自分自身のお金を使って教育資金準備をNISAで行うのなら、夫婦それぞれのNISA口座を使えば十分でしょう。年間360万円、夫婦で720万円もの積み立てをする枠があるわけですから、そうそう困ることはないはずです。元本3,600万円を使い切りそう、というならこどもNISAの必要性もありますが、ほとんどの人はそんなこともないでしょう。


 そうなると、「親(祖父母)からの教育資金贈与」としてのこどもNISAが一番座りのよい活用方法になりそうです。


 こちらも自分のNISA口座に入金してもいいのですが、親の気持ちを尊重して、子のために用いることを明確にする意味でも、また「子に対して贈与された」ことをはっきりさせる意味でも、「親の口座から子の銀行口座に入金し、こどもNISAで積立投資」という流れを作るのが一番シンプルだと思います。


 あるいは、「ここにあるお金は君のもの」とはっきりさせるかたちで、こどもNISAを金銭教育の一部として用いるのも有効だと思います。これはこどもNISAならではの使い方です。


 いずれにせよ、選択肢が増えることはよいことですから、活用するにせよしないにせよ、今のうちから検討をしておくといいでしょう。


 もしかしたら、口座開設のプロモーションがあるかもしれません。そうしたアンテナも少し張っておくといいかもしれませんね。


(山崎 俊輔)

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