メタ・プラットフォームズの2026年12月期2Qは、28.0%増収、8.2%営業減益。広告は順調だったが研究開発費の大幅増で営業減益。
毎週月曜日午後掲載
本レポートに掲載した銘柄:メタ・プラットフォームズ(META、NASDAQ)
1.メタ・プラットフォームズの2026年12月期2Qは、28.0%増収、8.2%営業減益。
メタ・プラットフォームズ(以下メタ)の2026年12月期2Q(2026年4-6月期、以下今2Q)は、売上高608.01億ドル(前年比28.0%増)、営業利益187.75億ドル(同8.2%減)となりました。
今2Q売上高は今1Q決算時の今2Q会社側ガイダンス580~610億ドルの上限に近いものとなり順調に伸びました。一方で、研究開発費が216.56億ドル(前2Qは129.42億ドル)へ大幅に増加し、訴訟関連費用24億ドルと2026年5月の人員削減に関連する退職金12億ドルが計上されたため、営業利益は同8.2%減と減益になりました。研究開発費の増加は、AI開発のために人員を増やしたためです。
今2Qをセグメント別に見ると、広告売上高は593.63億ドル(同27.5%増)、その他収入は10.07億ドル(同72.7%増)、広告売上高を含むファミリー・オブ・アプスは売上高603.70億ドル(同28.0%増)、営業利益233.94億ドル(同6.3%減となりました)。広告売上高はUS&カナダ、欧州向けが好調でした。その他収入は主にWhatsAppの有料メッセージングとサブスクリプション収益の寄与です。ただし営業利益は、前述の研究開発費の増加が響きました。
リアリティ・ラブスは売上高4.31億ドル(同16.5%増)、営業損失46.19億ドルとなり、営業損失が前年比、前四半期比ともに拡大しました。
表1 メタ・プラットフォームズの業績
表2 メタ・プラットフォームズのセグメント別業績(四半期)
表3 メタ・プラットフォームズ:地域別売上高
メタ・プラットフォームズ全社:地域別売上高
メタ・プラットフォームズ:広告の地域別売上高
グラフ1 メタ・プラットフォームズ:アプリ・ファミリーのDAU、MAU
グラフ2 メタ・プラットフォームズ:アプリ・ファミリーの1人当たり売上高
2.会社側は2026年8月に未成年者のSNS使用について全米48州等と和解。
2026年8月26日、メタは全米48州等と未成年者のSNS使用について和解したと発表しました。最大180億ドルを分割で合意した各州に支払います。合意した地域の18歳未満ユーザーに対して、インスタグラムとフェイスブックの合計利用時間を1日2時間に制限します。複数アカウントも検知し、解除には保護者の許可が必要となります。ダイレクトメッセージ機能は制限の対象外です。なお、メタは今回の和解にあたり、不正行為があったとは認めていません。
また、和解金の約30%は、TikTok、YouTube、Snapchatが同様の若年層向け安全対策を導入した場合に支払います。
今後は他国へもこの措置が波及すると思われます。
3.今3Qから未成年者向けSNS和解の影響が予想される。
今3Qの会社側売上高ガイダンスは、610~640億ドル(前年比19.0~24.9%増)です。このガイダンスが公表されたのは、未成年者向けSNSの和解が公表される前ですが、今3Qから米国の未成年者向けSNSの利用制限の影響が広告売上高に対して現れると思われます。
また、今2Qに計上した訴訟関連費用24億ドルを反映させたため、会社側は2026年12月期通期の総費用(売上原価+研究開発費を含む販管費)は1,650億~1,690億ドルと予想しています(前回予想は1,620~1,690億ドル)。会社側は2026年12月期営業利益は2025年12月期を上回るとしています。また2026年12月期の設備投資額(ファイナンス・リースを含む)は、前回予想の1,250~1,450億ドルから1,300~1,450億ドルになると見込んでいます。今3Q、今4Qの税率は15~17%としています(前回予想は13~16%)。
未成年者向けSNS訴訟に対する和解、今2Qまでの業績と会社側ガイダンスなどを参考にして、楽天証券では2026年12月期業績を売上高2,520億ドル(前年比25.4%増)、営業利益890億ドル(同6.9%増)、2027年12月期を売上高3,130億ドル(同24.2%増)、営業利益1,170億ドル(同31.5%増)と予想します。いずれも前回予想から下方修正します。
未成年者向けSNSの制限によって今期は一桁増益にとどまると予想されますが、来期はこの影響が薄れ、今期の業績圧迫要因になっている研究開発費の伸びが鈍化すると予想されるため、二桁増益に戻ると予想されます。
今後は2026年4月に発表した新型生成AI「Muse」シリーズに期待できそうです。今年4月に発表された「Muse Spark」(大規模言語モデル。マルチモーダル知覚や推論モードを備え、Meta AIアプリや各種SNS(Instagram、WhatsAppなど)へ順次統合されている)、今年8月に提供開始した「ミューズ・グリマー」(パソコン上で動く。文章と画像での入力に対応し、プログラミングなど幅広い作業を行える)などが、広告作成の自動化や購入者の自動購買などを促進することで、業績にプラスの影響を与えることが予想されます。
また、SNSユーザー向けのレコメンデーションシステム、SNSのコンテンツ制作に生成AIを活用して自動化部分を増やしている模様であり、この動きの業績への影響も今後の注目点です。
決算電話会議の中で、会社側はメタが支払った金額よりも大幅に高い価格でコンピューティングのオファーを多数受けており、メタのロードマップにはさらに多くのコーディングツールと生産性ツールも含まれているとコメントしています。今後企業向けに自社製AI、計算能力や各種のAI関連ツールを販売する可能性もあります。
会社側では個人ユーザーや広告主のAI利用が増加し続けているため、大規模なAIインフラの構築を続けるとしています。従って、当面は高水準の設備投資が続くと思われます。
表4 メタ・プラットフォームズのセグメント別業績
グラフ3 メタ・プラットフォームズの年間設備投資
グラフ4 メタ・プラットフォームズの四半期設備投資
4.メタ・プラットフォームズの今後6~12カ月間の目標株価は、前回の820ドルを維持する。
メタ・プラットフォームズの今後6~12カ月間の目標株価は、前回の820ドルを維持します。
今後未成年者向けSNSが大幅に制限されることになるため、全社の広告売上高の伸び率も当面は鈍化することになると思われます。
ただし、研究開発費を大幅に増やしていること、「Muse」シリーズの事業全般への影響を考慮すると、中長期で見て今の株価は割安と思われます。
引き続き中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:メタ・プラットフォームズ(META、NASDAQ)
(今中 能夫)

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