節約は、食費や光熱費などの支出を減らすことだけではありません。自治体の支援制度や交通ルールの改正などの知識不足は、思わぬ「損」を招く原因になります。

今回は、今確認しておくべき「ふるさと納税、交通ルール、自治体支援、年金生活者支援給付金」の四つのポイントを紹介します。


支出を削るだけでは不十分…家計で軽視されがちな「最大のコスト...の画像はこちら >>

「うっかり出費」を防ぐ知識が重要

 50代に入る頃合いからライフステージの変化に伴い、お金の流れが変わる人は多いでしょう。住宅ローンや子の教育費といった大きな支出がピークを越える一方で、老後資金など、これから必要になるお金について考える機会も増えてきます。


 その際、家計を守るために意識したいことは「ひたすら節約して支出を減らす」だけではありません。制度やルールの知識不足が原因で、本来なら払わなくてもよかったお金を支払ったり、受け取れるはずの給付金を取りこぼしたりすれば、それは家計にとって大きな損失となります。


 そこで今回は、思わぬ「損」を防ぐために知っておきたい四つのポイントを紹介します。自分に関係するものから、確認してみてください。


10月のふるさと納税ルール変更の前に確認しよう

「ふるさと納税」は、応援したい自治体に寄付をすることで、原則として自己負担2,000円を除いた金額が、所得税や翌年の住民税から控除される制度です。さらに、寄付先から返礼品を受け取ることができるため、食品や日用品などを選べば家計の負担軽減にもつなげられます。


 ふるさと納税自体は12月までできますが、「年末に駆け込みでまとめて寄付しよう」と考えている人は注意が必要かもしれません。というのも、10月1日から返礼品に関する基準が見直されます。現在は返礼品として提供されていても、新しい基準への対応が難しいものは10月以降に受付が終了したり、内容量や寄付金額が変更になったりする可能性があります。


 例えば、寄付額1万円で「豚肉1kg」だった返礼品が、同じ寄付額で「豚肉800g」になったり、「豚肉1kg」のままでも寄付額が「1万2,000円」になったりすることがあり得ます。そもそも返礼品自体が受付終了になれば、欲しかった返礼品を選べなくなってしまいます。


 全ての返礼品に変更が発生するわけではありませんが、「今と同じ返礼品を、今と同じ条件でもらえるとは限らなくなる」可能性は頭に入れておきましょう。


 とはいっても、やみくもに「今すぐ寄付しなくては損!」と焦る必要はありません。本当に受け取ってうれしい返礼品を選べるよう、順を追って確認してください。


1. 控除上限額を確認する

 まず、今年あとどのくらい寄付できるか、控除上限額を確認します。年収や家族構成などにより変わるため、ふるさと納税のポータルサイトなどのシミュレーションで確認しましょう。すでに寄付している場合は、その金額を差し引いた残りの金額を把握します。


2. 毎年申し込んでいる返礼品や、これから申し込もうと考えている返礼品をピックアップする

 もし、「毎年これは必ず申し込んでいる」という返礼品があれば、10月以降も申し込めるか確認します。自治体によっては、今後内容や寄付金額が変更になることを告知している場合もあります。


3. ピックアップした返礼品が本当に必要なものか、よく考える

 返礼品が食品や日用品など生活に必要なもので、本当に求めるものであれば、寄付を検討します。逆に、受け取ってうれしいものがなかったり、もらっても使うか自信がないものだったりするなら、無理に寄付する必要はないでしょう。


相次ぐ交通ルール改正による「うっかり違反」を防ごう

 食費や水道光熱費などの出費を削るほかに、意識したいことが「本来なら払わなくてもよかったお金を発生させないこと」です。その一例が、交通違反です。


 車や自転車を、日常生活に欠かせない移動手段として便利に利用している人は多いでしょう。

ところが、当然知っているつもりの交通ルールでも、道路交通法などの改正によって変わることがあります。そのため、知識と意識をアップデートしていく必要があります。


 2026年も、交通ルールには以下のような大きな変更がありました。


・生活道路の法定速度:9月1日より、生活道路(中央線などがない道路)では、法定速度が原則として60km/hから30km/hへ引き下げられました。


・自転車の「青切符」導入:4月より、16歳以上の自転車運転者を対象に、違反の内容や態様に応じて交通反則通告制度が適用されるようになりました。


 ルールを知らないままいて違反してしまうと、反則金などの思わぬ出費が発生する可能性があります。


 こうした変更を詳しく知るには、警察庁の「交通安全のための情報」ページなどで交通ルールの改正についての解説を確認するのが確実です。定期的にチェックするのがベストですが、忘れそうなら「年2回、春・秋の全国交通安全運動を見聞きしたら、交通ルールを改めてチェックする」と決めるのがおすすめです。


自治体の支援制度を確認して活用しよう

 節約には、よけいな出費を抑えるとともに、「利用できる支援制度を見逃さない」ことも必要です。多くの制度は申請ベースであり、知らなければ受け取ることができません。


 例えば、住んでいる自治体により、さまざまなシーンに対して助成金や補助金などの形でサポートする制度が設けられています。一例を挙げると、


●省エネに力を入れると受けられる助成や補助

 省エネ性能の高いエアコンなどの家電を買ったり、窓の断熱改修など省エネにつながるリフォームを行ったりすることで受けられる。


●防犯対策への助成や補助

 防犯カメラなどの防犯設備の購入や設置にかかる費用の一部を支援してもらえる。


●高齢者の暮らしに関わる助成や補助

 一定年齢以上の人を対象に、補聴器やタクシー代などの費用の一部を支援してもらえる。


●健康をキープするための助成や補助

 国民健康保険加入者など条件を満たすと、健康診断や各種がん検診、人間ドックなどの費用の一部を支援してもらえる。


 これらは一例にすぎず、サポートの範囲は多岐にわたります。


 ただし、これらの支援制度の内容は自治体により異なるため、「住んでいる自治体+補助金(高齢者支援、省エネ支援など)」などのキーワードで検索し、公式情報を確認してください。


 こうした支援制度は、知らなければ申請手続きもできません。また、「先着順」「予算がなくなりしだい終了」「9月末日まで」といった条件や期限が定められている場合もあります。そのため、9月中に一度確認しておくと、「必要になってから調べたら、すでに終了していた」という事態を防ぎやすくなります。


65歳以上は「年金生活者支援給付金」を今すぐチェック!

 65歳以上で年金を受給している人なら確認しておきたいのが、「年金生活者支援給付金」です。これは、年金を含めた所得が一定水準以下であるなどの要件を満たす人を対象に、年金に上乗せして支給される給付金のことです。65歳以下の方々は今すぐ確認するものではありませんが、すでに年金を受給している人はこの時期に確認しておきたい制度です。


 対象者には、9月から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」の送付が開始されています。もし書類が届いたら、「年金関係は、とりあえずとっておけばいいや」と放置しないように注意してください。年金生活者支援給付金を受け取るには、請求書を提出するなどの手続きが必要です。


 こうした給付金は「要件を満たす」場合に給付されるため、全ての人が対象になるわけではありませんが、「受け取れる可能性のあるお金を絶対に取りこぼさない」ために、放置したり自分が対象外だと思い込んで情報を雑に扱わないよう注意してください。


 また、今はまだ年金受給前の年齢である人も、あらかじめこうした制度を知ることで、老後のお金について考えるきっかけにしてみてください。


まとめ:正しい知識を持つことで思わぬ出費を防げる

 今回紹介したポイントは、どれも特に難しいものではありません。しかし、「知らなければ損をする可能性がある」という点で、しっかり確認しておきたいことばかりです。


 知らなければ自分から行動することもできませんし、「後でいいや」と放置するとせっかくの機会を逃してしまうこともあります。


 節約は、ただ「支出を削る」だけではありません。「知らないことで損をしない」ことも、重要な節約法のひとつです。まずは今月、自分に関係する制度やルールが変わっていないか、一度確認してみてはいかがでしょうか。


(しま)

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