金利上昇を嫌気して今年はJ-REITが値下がりしています。不動産市況、賃料上昇によって業績好調にもかかわらず売られたため、J-REITの平均分配金利回りは5.15%まで上昇しました。

今後も継続的に賃料上昇が見込まれることから、さらなる金利上昇があっても投資価値は高く、良い「買い場」と判断します。


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予想利回り5.15%!J-REITが「良い買い場」と判断する理由(窪田真之)
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J-REITの投資価値を見直す

 国内の不動産投資信託(J-REIT)は、円建てで平均分配金利回りが5.15%(9月11日時点)と、利回り投資商品として魅力的です。長期(10年)国債の利回り2.98%より、2.17%も高い水準です。


<J-REITの平均分配金利回り、30年・10年国債利回り、東証プライムの平均配当金利回りの推移:2022年3月末~2026年9月14日>
予想利回り5.15%!J-REITが「良い買い場」と判断する理由(窪田真之)
出所:QUICKほか各種資料より楽天証券経済研究所作成

 ただし、注意が必要です。国債は、満期まで持てば確定利回り商品(注:日本国は破綻しない前提)ですが、不動産投資信託(REIT)は確定利回り商品ではありません。業績が悪化すれば分配金が引き下げられ、利回りが下がるだけでなく価格も下がるリスクがあります。


 その意味で、J-REITは「株」と「債券」の中間的性格を持ちます。リスク管理上、REITは、「株」と「債券」の中間的運用商品として扱うと良いと思います。


REITの平均分配金利回りが株の平均配当利回りより高い理由

 J-REITとは、東京証券取引所(東証)に上場している不動産投資信託のことです。証券コードがついていて、普通の国内株式と同じように売買できます。ただし、基本的な仕組みが異なるため、REITの分配金利回りは、株の配当利回りより高いのが普通です。


<株式会社とREIT投資法人の違い>
予想利回り5.15%!J-REITが「良い買い場」と判断する理由(窪田真之)
出所:楽天証券経済研究所作成

 図を見れば、違いが明らかです。一般の株式会社は、税引前利益から「法人税等」が差し引かれ、さらに「内部留保等」を差し引いた残りが、配当金として株主に支払われます。


 一方、REIT投資法人では、得られた利益がほとんどそのまま投資家に支払われます。

REIT投資法人では、「利益の90%以上を分配する」という条件を満たせば、法人税は非課税となります。内部留保もほとんどなく、利益の大半を分配金として支払う仕組みとなっています。


 一般の上場企業(株式会社)では、内部留保を成長投資に回し、成長を目指すことができます。成長のための資金を確保しながら、余ったお金を株主に配当しています。一方、REIT投資法人は、内部留保がほぼないので、成長投資はしません。分配金を安定的に維持していくことを目標に運営されています。


 つまり、REITには成長期待が少ない代わりに、分配金利回りは安定的に高くなることが期待されます。この違いを理解した上で、日本株だけでなく、J-REITにも分散投資していくことが、長期の安定的な資産形成に寄与すると考えています。


不動産にも分散投資

 近年、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)などで不動産価格の上昇率が高くなってきました。


<公示地価:地価変動率(全用途平均):2014年1月1日~2026年1月1日>
予想利回り5.15%!J-REITが「良い買い場」と判断する理由(窪田真之)
出所:国土交通省より作成、1月1日時点の前年比上昇率、例えば2026年の場合、2026年1月1日時点の2025年1月1日と比較した上昇率が示される

 不動産価格は、しばらく上昇基調が続くと思われます。建設資材・人件費の上昇により建設価格が上昇していること、また、都市部での好立地の開発物件不足の影響もあり、三大都市圏での不動産価格は上昇が続くと予想されます。


 こうした環境変化を受け、個人投資家はポートフォリオに一部、不動産を入れても良いと思います。J-REITを使えば、小口での投資が可能なので、利回り投資として長期投資して良いと思います。


 ただし、金融資産とは別に、実物不動産をすでにお持ちの方は、不動産ばかりたくさん持ち過ぎるのもバランスが良くないため、必ずしもJ-REITに投資する必要はないと思います。今、賃貸住宅にお住まいで、将来的に住宅などの購入を考えている方は、住宅購入を目指して貯金する中で、一部をJ-REITに投資していくことを考えて良いと思います。


首都圏マンションが高騰

 最近、首都圏で新築マンション価格の高騰が目立ちます。2026年上半期(1-6月期)の東京23区の新築マンション平均販売価格は1億4,249万円で過去最高を更新しました。


 上昇の背景にあるのは以下3点です。詳細を解説していきます。


【1】建築コストの高騰
【2】都内マンションへの需要集中
【3】海外投資家による購入


【1】建築コストの高騰

 建築コストの高騰が、マンション販売価格の上昇につながっています。人件費・建築資材の価格が一斉に上昇しています。好立地の土地仕入れコストも高騰しています。


【2】都内マンションへの需要集中

 共働きで家事、育児、介護を分担する世代では、長距離通勤を避けて郊外一戸建てよりも都内のマンションを選ぶ傾向があります。とはいえ、都内の新築マンションが高騰したため、中古マンションを選ぶ層も増えています。そのため首都圏では中古マンションの値上がりも目立つようになりました。


【3】海外投資家による購入

 都心のタワーマンションの価格高騰には、海外投資家の購入が関与しています。円安・低金利(欧米と比較して日本の金利水準が低いこと)を背景に、2~3億円もするタワマン最上階を海外投資家が購入するようになりました。


首都圏・都市部では実物不動産より不動産金融商品の方が割安の傾向

 都心部で実物不動産が高騰している一方、実物不動産を組み入れたJ-REITなどの不動産金融商品は、相対的に割安な傾向があります。


 マンションを例にとって説明します。都心の高額マンションは、購入してすぐに賃貸に出しても、物件によっては1~2%以下の利回りしか出ない一方、J-REITのレジデンシャルREIT(主に住宅マンションなどを組み入れるREIT)では、優良物件を組み入れていても利回り4%以上が出る傾向があります。


 実物不動産を所有すると、メンテナンス費や固定資産税などの負担も必要ですが、J-REITは金融商品なのでそういうコストはかかりません。資産運用の一環として、今平均分配金利回りが5%を超えるJ-REITへ分散投資する価値は高いと思います。


J-REITへの投資方法

 もっとも簡単な方法は、J-REITに幅広く分散投資している、投資信託を購入することです。東証REIT指数に連動することを目指して運用している「東証REIT指数インデックスファンド」に投資するのが良いと思います。


 なるべく管理コスト(信託報酬)が低くて、残高が小さ過ぎないファンドが良いと思います。また、長期の資産形成を目指すならば、「毎月分配型」でない方が良いと思います。


 資産を取り崩しながら生活費を補っていく目的の方には「毎月分配型」は良い選択肢です。そうではなく、中長期の資産形成を目指している方には、「分配金はなるべく少ない」「複利での運用効果を高められる」ファンドの方が良いと思います。


 以下は、推奨ではありませんが、ご参考までに私が投資しているファンドをご紹介します。


「ニッセイJリートインデックスファンド<購入・換金手数料なし>」管理費用年0.275%


J-REITには、さまざまな種類がある。代表銘柄を紹介

 東証に上場している個別のJ-REITに投資する方法もあります。

さまざまな種類があります。もともとは、オフィスビルや住宅・マンションに投資するファンドがほとんどでしたが、近年は、Eコマースの拡大により、物流施設に投資するファンドが拡大しています。その他、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。代表的な銘柄は、表の通りです。


<J-REIT、投資の参考銘柄:2026年9月14日時点>
予想利回り5.15%!J-REITが「良い買い場」と判断する理由(窪田真之)
出所:分配金利回りは9月14日時点の1口当たり分配金(会社予想)を同日のREIT価格で割り、年率換算して計算

 表に挙げたように、REITには、いろいろな種類があります。オフィス・レジデンシャル(住居)、物流、リテール(商業施設)、インフラ、ホテルなどに投資するものがあります。


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2026年4月25日: 【投資クイズ】長期国債vs国内株式vsJ-REIT、利回りが高いのは?
2026年6月7日: 【投資クイズ】平均利回りが5.2%に上昇!J-REITの価値を見直す


(窪田 真之)

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