中東方面を担当するアメリカ中央軍は、オマーン沖の海上で墜落したAH-64「アパッチ」攻撃ヘリコプターの乗員2名が、無人水上艇(USV)によって救助されたことを明らかにしました。発表によれば、2026年6月9日、同海域をパトロール飛行中だった「アパッチ」が墜落しましたが、USVによって2時間以内に乗員が救助されたとのことです。
パイロットを救助したのは、アメリカのサロニック・テクノロジーズ社製USV「コルセア(Corsair)」であったと報じられています。コルセアは全長7.3m、最大速力35ノット(約64.8km/h)以上を発揮する高速ボートであり、最大1000ポンド(約450kg)のペイロードと、1000海里(約1850km)の航続距離を有しています。アメリカ海軍は2025年12月にサロニック社と量産契約を結んでいました。
中央軍は今回の救出作戦が、第59任務部隊(第5艦隊)の支援のもと、アメリカ中央海軍(NAVCENT)と陸軍第82空挺師団によって実行されたと発表しています。このうち、現場でコルセアの運用を担っていたのが第59任務部隊でした。
同部隊は「無人機とAIを海上作戦に統合する」というコンセプトのもと、2021年に第5艦隊の隷下に発足した先端技術部隊です。中東海域において、有人機部隊を補完するかたちで日常的に無人機(水上・水中および飛行型)による警戒監視活動を行っており、こうした地道な活動が今回の迅速な救助劇に繋がったと思われます。
「コルセア」により発見された「アパッチ」の乗員は、そのまま「コルセア」に乗艇して安全な海域まで移動した後、別のヘリコプターによって収容・後送されました。USVが単なる捜索だけでなく、要救助者の「収容・後送」まで行ったことは、これまでに例がありません。
ウクライナ戦争では、最前線で負傷した人員を無人車両(UGV)が後送した事例が報じられて話題となりましたが、今後は海上のUSVにも、攻撃や監視だけでなく同様の「人命救助」の役割が強く求められるようになるかもしれません。

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