吉本新喜劇の座長を務める水玉れっぷう隊のアキが手掛ける時代劇エンタメ舞台「時が来た」(25日から東京・YOSHIMOTO ROPPONGI THEATERほか)が好評により再演される。このほど、スポーツ報知の取材に応じ、同舞台への思いや意気込みを語った。

 自身が東映のスタントマン時代に浮かんだ構想が約35年越しに実現。俳優を目指していた当時の経験を生かし、誰でも楽しめる時代劇を目指し制作した。「時代に詳しいわけじゃないけれど、座長になってからもやりたいという思いはずっとあった。マネージャーに相談して無理やり昨年やらせてもらった」。昨年3月と今年1月に上演した大阪公演が大好評に終わったことから今回は、東京と愛知でも上演されることになった。「『良かったです』って言ってもらえる自信はあった。(実際に実現して)そのストーリーも僕の中ではすごい感動」と笑う。

 幕末の時代の波に翻弄された若者たちの姿を描いた同舞台では、演出をこだわり抜いた。東映時代の経験から、特に時代劇の要となる殺陣には、人選から手を抜かず、「(殺陣では)いかにも切ってるかのようなラインを作らないといけない。演出家の人にも『殺陣の上手な人だけしか出せません』と言った」と意見を述べたほど。その甲斐もあり、稽古から高いクオリティーで取り組めているといい「みんな想像通りの動きで、やり合いです。大阪の時からいいように変わっています」とさらに成長していると胸を張る。

 新喜劇の座長としても人気を博し、多くの座員を率いる現在。「時が来た」でも先頭に立ち、メンバーを引っ張る役割を果たしているが、新喜劇とは全く異なる自分を出している。「新喜劇のアキとして行ってない。この時(「時が来た」)は荒木良明のフルネームでやっている(感じ)。お笑いは『空気を読まなアカン』とか『お客さんの動きに伺わなアカン』みたいなスイッチがあるけど、全く別の感じ。完全に別の顔があったなって言ってもらいたい」。

 初めての東京、名古屋上陸を前に「大阪よりも芝居を見に行く人は、割合的に多いので、お客さんも芝居見慣れてはる。怖い…」と珍しく弱音を吐いた。それでも「(予算は)カツカツでやっているから、じゃあ何を見せるねんって言った時には殺陣のすごさや熱さ、芝居力しかない。自信はあるんですけど、辛口な意見を聞いてみたいですね」と歯を見せた。

 時間と熱量をかけた自信作。「熱い芝居を見ていただいて、お仕事とか学校など、それぞれの活力になったらいいなって思います」。

アキの勝負の時が始まる。(古本 楓)

 ◆アキ (本名・荒木良明)1969年8月22日、大阪府出身。56歳。東映でのスタントマンの経験を経て、92年、吉本興業入社。同年2月、相方・ケンと水玉れっぷう隊を結成。02年、R―1グランプリ決勝進出。23年、吉本新喜劇座長に就任。

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