長距離移動に有利

 貨物列車といえば、機関車が列車の先頭に立ち、品物を載せた貨車を牽引(けんいん)して走るのが基本です。一方で、人を乗せて運ぶ電車は、編成の前後に運転席があり、運転士が移動すれば列車の走る向きを簡単に変えられます。

同じ線路を走る乗りものなのに、貨物列車に「電車」が少ないのはなぜなのでしょうか。

「貨物電車」なぜ少ない? 電車にすると速いのに今も機関車だら...の画像はこちら >>

 貨物列車が長距離を走る場合は、機関車を使用した方が有利です。人だと自分で乗り換えますが、品物は自分で動きません。そのため貨車はそのままに、機関車を付け替えるだけで移動できることが機関車の利点となります。

 日本の貨物列車は、長距離を走る列車が数多く設定されています。長いものでは、北海道から近畿を経由して九州まで運行されているものもあります。

 北海道内では札幌~函館間で電化されていない区間があるため、貨物列車にはディーゼル機関車が使用されています。青函トンネルや本州と九州は電化区間のため、電気機関車が使用されています。

 電化区間と非電化区間をまたいで走る場合、その境界となる場所で機関車の付け替えが行われます。電化区間でも直流電化区間と交流電化区間、さらに、急勾配の有無によって電気機関車が使い分けられています。このように機関車を付け替えることで、貨物列車は積み替えを行うことなく、北海道から九州まで通しで走ることができます。

 旅客列車だと、関東と北海道を結んでいた寝台特急「カシオペア」や「北斗星」も電気機関車やディーゼル機関車が使用され、乗客が乗る客車を牽引していました。

貨物列車の例外「スーパーレールカーゴ」

 貨物列車は、列車を走らせるための動力を機関車に集中させるため、後ろに連結する貨車を簡単に増減できます。電車も1両単位で増減できますが、そのためには動力を持つ車両を大幅に増やす必要があります。

 2026年現在のJR貨物の経営諸元を見ると、機関車の517両に対して、貨車はコンテナ車(品物を収めた容器であるコンテナを運ぶ車両)だけで7058両もあります。貨車の数が圧倒的に多く、個別の貨車に動力を持たせるのは非現実的といえるのかもしれません。

 しかも、貨車は品物の積み下ろしのために貨物駅で長時間留まることもあります。この間に機関車を切り離して、貨車を別の列車に使う方が効率的です。

 とは言え、実のところ貨物列車にも「電車」が存在します。それは東京貨物ターミナルと大阪の安治川口の間を走る貨物電車「スーパーレールカーゴ」です。この列車は電車の動力が分散されていることを活かし、列車全体で大きな出力を持たせています。これにより、最高130km/hで走行し、同じ区間を走る他の貨物列車より所要時間を1時間ほど短くしています。

「スーパーレールカーゴ」が走る東京~大阪間は、全区間が直流で電化されています。また、途中駅での車両の連結や切り離しもなく、運用は東京貨物ターミナル~安治川口間の往復に特化しています。

「スーパーレールカーゴ」が電車とすることができたのは、こうした背景があります。

【レア!】貨物電車「スーパーレールカーゴ」を見る(写真)

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